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#暴力
木村花氏は「誓約書」に縛られ、事務所にPRのためSNSを使うよう頼まれていた件
▼女子プロレスラーの木村花氏(22歳)が、フジテレビの「テラスハウス」視聴者からの暴言を浴びて、自殺と見られる死を選んだ事件について。毎日新聞が重要な記事を二つ掲載していた。
▼一つめは、2020年7月5日付。
〈「テラハ」出演 故 木村花さんの母/「スタッフにあおられ…」告白受けた〉
〈3月末、花さんはリストカットした写真をSNSにアップ。その後、SNSのアプリを自身のスマホから消し、見
ショー・マスト【ノット】ゴー・オン:日本の「リアリティー・ショー」はタレントを守らない件
▼筆者は「テラスハウス」を一度しか見たことがない。その時の印象は、ーー「本気の恋」を、視聴者が弄(もてあそ)ぶ娯楽ーーというものだった。
■「本気の恋」を弄(もてあそ)ぶ娯楽もうちょっとくわしく書くとーー出演者たちがカメラの前で色恋沙汰(いろこいざた)を繰り広げ、「本気の恋」をして、さまざまな精神的苦痛や緊張を与えられ、視聴者は、そうした出演者たちの感情の起伏を巧(たく)みな解説つきで楽しみ、感
「影のパンデミック」ーーDV電話相談がもうすぐ24時間対応になる件
▼新型コロナウイルスの影響で、これまで見えなかった(見ようとしなかった)社会問題が見える(見ざるをえない)ようになってきている。それだけ問題が悪化している。それも、世界規模で。
■DV被害は【0120・279・889】へ▼2020年4月19日付の読売新聞1面に、
〈DV電話相談 新窓口 あす開設〉
という記事が載っていた。この記事が、読売新聞オンラインだと、
〈「世界規模で恐ろしいほど急増
「緊急事態宣言」は5月6日で終わらなさそうな件(5)DV(家庭内暴力)は「影のパンデミック」
▼世界中でステイホーム、「家にいよう」が合言葉になっている。新型コロナウイルスの感染を止めるには、「社会的距離」をとるしかないからだ。
しかし、家が地獄の人々がいる。ステイホームによって命を奪われる人がいる、ということだ。
■NHKのDV特集記事▼2020年4月20日配信のNHKニュースが素晴らしい特集を組んでいた。
〈特集『家にとどまって』 ~その家が安全ではなかったら?~〉
〈新型コロ
日本は優生思想に寛容である件(5)無知でデマを騒ぎ立てる人が多すぎる
▼2019年7月13日付の読売新聞の「論点スペシャル」で「犯罪に負けない社会のために」という特集が組まれていた。
その記事を読むと、犯罪に負けない社会をつくる以前の問題に言及せざるを得ない状況が浮かび上がる。
▼筑波大学教授の原田隆之氏(臨床心理学と犯罪心理学)いわく、
〈犯罪に至る可能性がある「危険因子」は予防につながる重要な視点だ。ただ、加害者の状況や傾向を一つ二つ取り出し、それをあたか
日本は優生思想に寛容である件(4)「病気は自己責任」論との危ない関係
▼ただの紙切れにすぎない紙幣(しへい)をめぐって、世界中の人々が左右され、動かされているように、「思想」というものは目に見えない力を持つ。
資本主義の思想は紙幣に体現されており、この文章を読んでいる人の誰もが、たとえばコンビニで買い物をして、赤の他人に紙幣を渡して、お釣りの小銭をもらう、という一連の行為が成り立っていることに、ふだんは1ミリの疑問も持たない。
これが思想の力だ。
▼「買い物」
日本は優生思想に寛容である件(3)必要なのは「死ぬな」というメッセージ
▼東京都練馬区で父親が息子を殺した事件について、前回は、〈断言するが、この殺人の背中を押す力のいくぶんかは、あなたの発した何げない「1人で死ね」の声だ〉という精神科医の斎藤環氏の言葉を紹介した。
▼今回は、2019年6月14日付の朝日新聞に載った同氏の声。適宜改行。
〈元事務次官の事件への反応では、二つのことが気になります。一つは「誰かを守るための殺人だったなら仕方ない」と肯定する議論です。
日本は優生思想に寛容である件(2)感情ポルノにふける人たち
▼優生思想はさまざまな形で噴出する。日本では3年前に、神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者19人が植松聖被告によって殺された。
最近では、「ひきこもりは殺してもいい」という意見が公然とSNSで書き込まれるようになった。
▼共同通信が配信した「扉を開けて ルポひきこもり」続編「波紋」(1)。筆者は琉球新報の2019年7月9日付で読んだ。
今から2カ月ほど前に起きた、2
日本は優生思想に寛容である件(1)植松被告の思想は広く共有されている
▼優生思想について、気になる新聞記事があった。
2019年7月27日付の産経新聞から。
〈植松被告 正当化続ける〉
〈「ベストを尽くしたつもりだ」。相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件から3年を迎えるにあたり、植松聖被告は勾留先の横浜拘置支所(横浜市港南区)で産経新聞の接見取材に応じ、事件についてこう語り、一方的な主張を繰り返してい
人気ラッパーが大麻産業に参入する件(日本じゃないよ)
▼たまたま山梨日日新聞を読んだら、小さいが面白い記事が載っていた。2019年7月12日付。共同通信配信の記事だ。
〈米人気ラッパー ジェイ・Zさん 大麻産業参入へ〉
〈【ロサンゼルス共同】米人気男性ラッパーで実業家でも知られるジェイ・Zさん(49)が10日までに西部カリフォルニア州の企業と提携し、大麻産業に参入すると明らかにした。米国では同州など11州で嗜好品(しこうひん)としての大麻使用が合
ハンセン病の安倍総理謝罪を「同情の論理」で終わらせるな(4)
▼ハンセン病をめぐる二つの新聞記事を紹介したい。
このテーマは巨大だ。気になったことに随時、触れていく体裁をとる。これまでのメモは以下のとおり。
▼まず、2019年8月1日付の毎日新聞に、内田博文氏の「メディア時評」が載っていた。見出しは
〈ハンセン病差別撲滅 自治体は?〉
熊本地裁の判決は「画期的」だが、「不満な点」ももちろんあって、前半でそれらが簡潔にまとめられている。
▼今回の政府
ハンセン病の安倍総理謝罪を「同情の論理」で終わらせるな(3)
▼ハンセン病の患者、元患者の家族が国を訴えた裁判について、共同通信編集委員の中川克史氏による解説記事を紹介したい。
筆者が読んだのは2019年7月17日付の琉球新報。
見出しは
〈ハンセン病家族勝訴確定 政府だけの責任ではない〉
▼「砂の器」を見たり原作を読んだりしたことのある人は、あの中に出て来る患者家族の姿が思い浮かぶことと思う。
〈(ハンセン病患者や元患者の)家族らの置かれている環
ハンセン病の安倍総理謝罪を「同情の論理」で終わらせるな(2)
※今号は、映画「砂の器」のネタバレになっているので、お気をつけください。
▼映画の「砂の器」を見たことのある人は、ラスト40分以上にわたり、断続的に描かれる「音楽のみ、台詞なし」の有名なシークエンスが忘れられないことと思う。ここ数年、インターネット内で流行っている「なんとかかんとかで涙が止まらない!」式の宣伝文句は、この渾身のシークエンスの前では恥ずかしがって姿を隠すだろう。
「言語を絶する差