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#朝

【詞】春雷

【詞】春雷

本棚から取り出した言葉のスープを

やたら過去に重ねて飲み干してしまう

時代の寵児になる夢を見たいだけ

焦りがちなジュブナイル

隠れがちになる

春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと引き寄せて

うんと抱き締める

春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと書き殴り

そして走り出す

巻き戻しても 戻さなくても 春

くしゃくしゃにした独白を

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【詞】夜

【詞】夜

手の平を浸す青嵐に 吹っ切れたい

夜の背骨が ひとり歩きして

雲を蹴っ飛ばした

そういう風に そういう風に

(急足と鼓動)

腕に抱いたがらんどう 忘れられない

(うそかもしれない)

涙を見せないでいた 狼が鳴いた

夜の背骨は 蛇のように 星を連れて尚

カーテンを揺らす青嵐に 飛び出したい

詩のしぐれ煮を 大食いして

水を含んだ

そういう風穴の向こうに

(思慕のふくらむゾー

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【詞】orion

【詞】orion

北国は間近 吐息は白い

淋しい木々や雪は 夜そのものなんだ

明けない夜は無いんだって

歌は鱗を散らして歌う

暗闇の迷子の手を引くように

夜空のオリオン

いつも見守っているから

もう少しだけ もう少しだけ 踏む歩幅

もう少しだけ もう少しだけ 減る歩幅

その繰り返しが 僕そのものなんだ

冬の遥か 月に近く 息を飲む 星羅

星になった すべてのものの

声が降りそそぐ今日だ

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【詞】クロージング

【詞】クロージング

見えない心にわざとらしく思い浮かべている笑み

そうしないと明日が来ずに 誰かの部屋からね

制服を着た ゆううつみたいな 階段から降りてくる

凍てつく過去とクロージング

消したら砂漠 消えない砂漠

そこにあの人は立って 淋しい顔をしている

暁を手招きする時まで眠らず待っている

不安の椀を受け止めるからね

見えない心の理由を書き連ねて

パズルみたいに くしゃくしゃしがちな自分に

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【詞】窓硝子

【詞】窓硝子

暗がりの方が良いんだって分かっているはず

湿る窓に文字を書く 虚無

ひからびたんだ 波が来る

ひからびた波が来る

波の外の羽の音 消える夢の中の話

ひからびたんだ 波が来る

ひからびた波が来る

波の外の羽の音 消える夢の中に遊ぼう

noteをはじめる前まで、詞をひらめいたらノートに書く生活を送っていたのですが、

こちらの詞と、先ほど投稿した 神秘的な... という詞は、同じノート

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【詞】神秘的な...

【詞】神秘的な...

神秘的な芸術の咲き誇る

水の中の巨大は何を思う

神秘的な色彩に隠れた非現実

何を残そうか

スローモーションに動く 時を生きる何者も

海月みたくゆっくりと考えているようで

表裏の世界

身体が浮いて

姿も見えずに起きた朝

身体が浮いて

姿も見えずに起きた朝に

蛙が鳴く

スローモーションに動く 時を生きる何者も

海月みたくゆっくりと考えているようで

"夢の中から起床まで"をテ

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【詞】やこうせい

【詞】やこうせい

よるおそく どこにでもあるにちじょう

ビルのうえのせんねんしゅうきのすいせいが

なんてみぢかなにちじょう

やこうせいなんだきっと

やこうせいなんだきっと

よるをたべつくした よふかしくらげ

そらはさかさま

ふってくるんだ

それをしんじてやまないのだ

よるおそく どこにでもあるにちじょう

ビルのうえのおばけのあくびが

こわくもなんともないにちじょう

やこうせいなんだきっと

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【詞】ゆきどけ

【詞】ゆきどけ

斜めの季節だ 斜めの季節が来たんだ

亡霊みたいな希望が 砂を掴んでやまないのだ

一人でいいのに というか 一人じゃないのに

不安で押し潰されそうなわけじゃないのに

斜陽は笑う 人波は人波なだけで

とけこもうとするから 思い出せればいい

晴れてるのに 雪が降るから 悲しいんだ

そうじゃなくても 虚しいんだ

答えもなく 電車に乗る 世界を見送った

夜の湾へ向かった

斜めの季節だ 斜

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【詞】東京アポリア

【詞】東京アポリア

書きはじめる窮屈から逃れるためには
はじめから書かなければいいのに

それでも続けてしまうのは
それしかないからなんだ
つい色を付けてしまうのは
それしかないからなんだ

独りの部屋から何を見るんだろう
もう これ以上 何が見えるんだろう

東京の硝子窓からの人々の羨望や
雪が降れば忘れてしまう独り言を

独りの部屋から見飽きてしまっても
想像以上の闇が佇んでも

東京のごうごうとした風に振り向い

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【詞】風

【詞】風

さよなら もういいよ 全部投げ出したいよ

淋しい あの人の木漏れ日は うんと輝いていた

絵だけを描きたい それが下手でも 何だっていいんだ

スケッチブック 白い樹洞 麦わら帽子のあの娘

何万 何万 何万年 葉を揺らして生きてゆく
何万 何万 何万年 葉を揺らして消えてゆく

そうだ とっくに分かっていたんだ
軋轢もない 緑のすべてを抱きしめていたい

風の柔らかい 柔らかい世界が
続く土地

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【詞】オーロラ

【詞】オーロラ

暁の麓は氷のように凍えて
それでも会いたい気持ちが不思議でした

気になるほどに見つめてしまうオーロラは
翠を膨らませ 星の端と端を結ぶのです

願うなら大木として
枝葉や蔦を伸ばして
草木にとけこみ
この場所に居たい

知りたいことが多すぎるのに
朝には消える オーロラの夢
何でもなくなる麓は今にも
ガラスみたいに割れそうです

知りたいことが多すぎるのに

宇宙から見るオーロラは、ほんとに出現

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【詞】メルシング

【詞】メルシング

頬を伝う水 涙らしい

庭を見ていた

雨の海は微かに閉ざす

栞の中の言葉遊び

青くない海の青さと

名前の無い蕾は縮む

煙と絡む空の雲やら

遥か先の未来も小さく

溢れる模様の庭を見ていた

扉を閉める

栞は落ちる

読んでいると、庭先に小雨がポツポツ降っている光景が浮かんできます

全体的に抽象的な文章になっているので、色々想像が膨らみます

最近投稿した詞はこちらから!

【詞】街が水族館だった頃

【詞】街が水族館だった頃

詩集「水族館」より

あれは街が水族館だった頃
僕もまた イルカの群れや 亀の背中と
足の速い友達が先に着くのを
追いかけていたのさ

心拍数を掌に感じながら
息を吐くのも自由だから
5時のチャイムはうんと白亜の足音鳴らす
深い考えを抜けてゆく

あれは街が水族館だった頃
魚がいつかは陸に上がる日が来ることを
僕は分かっていた
淋しいから 砂にうつむいていた

規則のない水の流れを遠くに重ねながら

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【詞】水族館

【詞】水族館

詩集「水族館」より

水族館(a)

あの日 すべては海になった
絵の具をいくら しぼりだしても
溶けてしまうから
より強く輪郭を刻もうとしたんだ

底無しの闇を砕く 星の霧が
ずっとずっと向こうの藍色まで膨らんでいる

僕は誰も信じない場所まで泳ぎ疲れて
想像力の岩礁で休んだ

渺々の舟の行き交いが
何もない海を漕ぐのが綺麗だった

水族館(b)

睡眠の中 星と星を結んでいき
そのすべての輪郭

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