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【詞】水族館
詩集「水族館」より
水族館(a)
あの日 すべては海になった
絵の具をいくら しぼりだしても
溶けてしまうから
より強く輪郭を刻もうとしたんだ
底無しの闇を砕く 星の霧が
ずっとずっと向こうの藍色まで膨らんでいる
僕は誰も信じない場所まで泳ぎ疲れて
想像力の岩礁で休んだ
渺々の舟の行き交いが
何もない海を漕ぐのが綺麗だった
水族館(b)
睡眠の中 星と星を結んでいき
そのすべての輪郭が浮かぶと
空にはいつまでも翠色の森が現れる
その枝分かれの一つから
朝になれば親鳥が飛び立ち
それを不思議そうに舟の上から見つめる人も居る
今 すべてが海では無くなるから
だから考えてしまうんだ
宙に浮かんだ いくつもの色彩も
どれも意味があったこと
海の底の暮らしの ありふれた標識も
何だか 違って見えてくるんだ
忘れてしまいそうな水平線に眠る 鼓動
先日投稿した 詩集"水族館" のはじまりとおわりを飾る詞になっています
(a)では、あの日 すべては海になった という文があり、
(b)では、今 全ては海ではなくなるから と、
詩集が進むにつれ、海の姿が変わっていくコンセプトがあります
最近投稿した詞はこちらから!
朝、テレビをつけたら、大谷選手に子どもが生まれるニュースが流れていて、「え!」と叫ぶくらい驚きました
今年は色々な芸能人がパパになった年だな と感じます