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【詞】東京アポリア


書きはじめる窮屈から逃れるためには
はじめから書かなければいいのに

それでも続けてしまうのは
それしかないからなんだ
ついを付けてしまうのは
それしかないからなんだ



独りの部屋から何を見るんだろう
もう これ以上 何が見えるんだろう

東京の硝子窓からの人々の羨望や
雪が降れば忘れてしまう独り言を



独りの部屋から見飽きてしまっても
想像以上の闇が佇んでも

東京のごうごうとした風に振り向いた
点描の街並みがまた筆を走らせる



考える球体から逃れるためには
はじめから考えなければいいのに

それでも続けてしまうのは
くしゃくしゃにしたくないからなんだ
駅から飛ぶ鳩がアポリアを持ってくるんだ



独りの机に夜が馴染んで
もう これ以上 紙がゆれることはない

東京の硝子窓からの人々や街灯の幾星霜
今にも消えてなくなりそう



独りの時間に苛立っても
先の見えない 夜の海でも

東京のがらんとした眠りに落ちた
街並みがまた筆を走らせる







ものすごい広く考えていたことを書き起こそうとすると、
伝えたいことを伝えられず、急に狭くなってしまったような気持ちになることがあります

それを無かったことにすることも出来るけれど、それをしないのは、
最後まで書き終えてみないと見えてこないものがあるからじゃないか と感じるのです

そして同時に、書き続けるヒントは街のいたるところに眠っているとも感じます




閲覧ありがとうございます!
かなり久しぶりの投稿になりました

しばらく投稿していなかった期間も、記事に多くの反応をいただけて嬉しかったです

noteに支障をきたすようなことがあったわけではないので、ご安心くださいm(_ _)m

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