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【詞】春雷


本棚から取り出した言葉のスープを

やたら過去に重ねて飲み干してしまう



時代の寵児になる夢を見たいだけ

焦りがちなジュブナイル

隠れがちになる



春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと引き寄せて

うんと抱き締める


春雷がやがて 心に宿る

言葉にできない系の未来を

うんと書き殴り

そして走り出す



巻き戻しても 戻さなくても 春

くしゃくしゃにした独白を

忘れられないままの春



本棚の奥に仕舞った

ノートの中に溺れそうで

消しゴムでゆさぶろうにも

キリがない



渦に飲まれるな

春の稲妻の最中

どぎまぎした

どぎまぎした

どぎまぎした

どぎまぎした



巻き戻しても 戻さなくても 春

くしゃくしゃにした独白を

忘れられないままの春



光や水をふくんだ

満開の花びらがまた

咲き誇る 枯れてゆく

とめどない



渦に飲まれるな

春の稲妻の最中

凛として

凛として

凛として

凛として






詞の新作です

書き殴る と表すと、少し乱暴にも感じますが、

時には、ぐにゃぐにゃの線を引くように、言葉という言葉が出てこなくても書き連ねてみる
みたいなことも大事だと思ったりします



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