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2024年8月31日 19:00
八月は遠のく そして空を模る夜へ向かう 背中の羽根でどこまでもゆこう渚から見ている 夏は命を歌うゆめうつつに 波をすべらせて海へ帰るときは 窓を開けておこう思い出せるように 思い出せるように蟹に誘われて 渚に誘われてひとりで生きることも 誰かが居ることも最高峰の夜が ただ 星を抱いて離れ離れに透き通る 風を覚えている隣り合わせになるものは幽霊かもしれない
2024年8月28日 19:30
汀からは 足跡のない 砂の星も見える汀からは 眠れない夜の羊の旅に出る心の奥を漕いでゆくと 床が見える心の淵を指で描くと 海がうつる全部分かってたんだろうあなたの止むことのない夢も声も 形も 忘れられないだろう声も 形も 忘れられないのだろう全部分かってたんだろうあなたの止むことのない夢も声も 形も 忘れられないだろう声も 形も 忘れられないのだろう
2024年8月23日 20:00
漣が 数世紀先も 数世紀前も 運んでる緑や灰を描こうと 音を立てる何かが少しずつ ぼやけるようでそれでも 美しい未来を思いたい今となっては消えたものばかりが目に入るから一つ絵や文字で 絵や文字で絵や文字で つづるうたう あの子の星を見ている数十年 数百年 数千年輝くのなら何かが少しずつぼやけるようでそれでも 美しい未来を思いたい底のない川を辿って
2024年8月22日 18:30
少なくとも 僕と君が居て瓶の底 眺めたりして 笑って花のように 雲のように鳥のように 世界を同じように 生きていただけですいつか嫌いになるのならはじめから書き直そうとしても君のこと思い出したらまだ胸は踊りそうです怖いくらい 昼間の森は虫の声の解像度高くはじけるような炭酸の夢がはじけるように一縷の夏は一度きり一縷の夏は一度きり一縷の夏は一度きりです一縷の夏は一
2024年8月18日 18:00
どこにもあって どこにもない空の雲は鮫みたいだ髪飾りの彩る君がほら足音の響いた通りを夜を越えて 夜を越えて歩いてゆくんだってどこにもあって どこにもない空は果実の星みたいだ浴衣姿でつづく橋はほら鳴り響く拍手の熱がふわり舞って ふわり舞ってはじまってゆくんだって尺玉の夢がこぼれる川は丸く 眼鏡越しに夏の羽根があふれるそれを君は歌にする尺玉の夢が
2024年8月14日 19:00
空洞 反響する反応する 予想できないほどの未来見て回りたい 見て回りたいとより潜水空想 表情から模る野と 長閑な遠くを見て回りたい 振り返れば好きでたまらない生まれたての星を紡いで掴む 夢の花に眠るその水棲の星をより駆け抜けてめぐりめぐる また遍く視野生まれたての星を紡いで眠るはずの夜もゆれる花は今も 青さに染まる より確かにめぐりめぐる また遍く視野で潜水
2024年8月13日 18:30
宵宵宵宵闇で手を握った一通り底底底底なしの暗がりは文字通り目を瞑る闇夜の日 船出へと続く星の道目を開ければ桟橋のはじまりから眠る月より季節の方角 見える方寄ってみたいんだ 歩くんだ夜の旅路はサラウンド一歩 踏み出すんだ あの大地暗がりは文字通り 暗くなるほど思い出せる散らばる星は未来まで空をきらめく存在に宵宵宵宵闇に
2024年8月13日 18:15
頬杖ついている心は砂を歩くころには息を吸ったら磯を感じるくらい身近になれる瞳はとうに海を抱擁している鐘の響いた放課後雲をつつんだ少女の夕暮れ手にするノート嘘のない文字が遊泳しているああパラレル 僕が羅列しているパラレル 君が羅列しているパラレル 僕が羅列しているパラレル 君が羅列している鐘の響いた放課後雲をつつんだままのノートと砂浜 フレーズ 歌う少女の
2024年8月9日 19:30
夜は今にはじまってゆく曇る窓 雨をすべらせ思うことすべての魔法がほどける 旅する人へ夜は今しか見えないもので溢れかえる考えうる道のりに凝らす目 夜行の流れ夜は深く 通り沿いを過ぎる雨 壁をすべり向かいの 傘の上をオノマトペのように落ちる茂みに 糸がなびく水の楕円を振り返り考えうる姿を練る冷える風 たぐる右手川べりの香の中で気持ちは駆け抜けていくひとりの
2024年8月7日 19:30
舟はゴットンゴットンと浮かんでいるのリバー僕はゴットンゴットンと覚えているの水の中またね 夕陽は次の日に 沈んでいくよ記憶の頰 秋は夜霧の香りを込めるごらんよ 瞬く間に 幾千のラララ 口ずさむ昔より夢に夢みてる月夜の下の絢爛と僕は 星座を秘めている君のことを思い出しているごらんよ 指差す葉に 一つの音が呼応する今は針を眺めてる 蛙の歌に涼む頃僕は 紅い雲の先 君のことを
2024年8月4日 19:30
電車の流れで回想する昼想いの日の意は 故郷へりんご飴一つ買って歩こう祭りの底でにぎわう光暮れるほど 望んだ声が段々、段々、近づいてくるよ少しずつ降りる帷に突き上げた手叩く太鼓の音がどんどんと祭囃子になる通り沿いは夢になるどんどんと祭囃子と拍手ふと走りだす風と私の夏が次の番地の君までの距離、届け車の音の鳴る 高架下にひとり歩く その線香花火りんご飴だけ頬ばる夜は