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【詞】夜行

夜は今にはじまってゆく
曇る窓 雨をすべらせ
思うことすべての魔法が
ほどける 旅する人へ


夜は今しか見えない
もので溢れかえる
考えうる道のりに
凝らす目 夜行の流れ


夜は深く 通り沿いを
過ぎる雨 壁をすべり
向かいの 傘の上を
オノマトペのように落ちる


茂みに 糸がなびく
水の楕円を振り返り
考えうる姿を練る
冷える風 たぐる右手


川べりの香の中で
気持ちは駆け抜けていく


ひとりの心の隙間に誰か居たらしい
そう思うだけ 近づく街で
旅を背に 降り立つ頃に
夏の滲む空は蒼く咲き誇るだろう


ひとりの心の隙間に飾りつけを
思い浮かべて 近づく街です
旅する 河川の終わりに
夏の滲む空の熱意 夢を見るだろう



詞の新作です

今回も、前回投稿した「リバー」という詞と同じく、"釣り"をテーマにしていて、

糸がなびく → 釣り糸が反応
水の楕円 → 魚の波紋
考えうる姿 → かかった魚の姿
たぐる右手 → 右手でリールを回す

と、それぞれの文章にイメージがあります!

夜と釣りが混ざる詞になっているのは、サカナクションの「ナイトフィッシングイズグッド」という楽曲の影響があります🐟


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