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地球で見つけた好きな物の話ー本の章 番外編ー

 地球を旅する冒険者の皆様、自由で軽やかな風の装備を身に纏い、新しい地図を手にして、さぞ楽しい冒険の旅路を突き進んでいる事でしょう!元本読師もとほんよみし文者もんじゃ 部屋美へやみです。


note旅団に集いし、冒険者仲間の皆様!

あけましておめでとうございます!

今年も宜しくお願い致します!


2025年!半月過ぎました!


本日は、今年最初の満月です!



 早いですね(笑)文者はこれが、今年初の投稿で御座います!


 まず、様々な読書家冒険者様のオススメ本を見ながら、今年はもう少し読んだ事のないジャンルにも挑戦してみようと思い立った訳であります。


 其処で、文者の2024年の読書記録を見返しましたら


2024年読了冊数→49冊



 惜しい(笑)!キリ良く50冊行きたかった!


 その中から、簡単にベスト10を御紹介致します!

(各出版社様の御紹介ページをリンクさせて頂きますので、気になる方はどうぞ!)


1.「最後のユニコーン」
  「最後のユニコーン旅立ちのスーズ」

ピーター=S=ビーグル ハヤカワ文庫

 これはもう、間違いなく1位!

 すっかり毎日の生活に追われ、読書の楽しみを忘れてしまった文者に、再び読む事の楽しさを思い出させてくれた「光の本」!

 海外ファンタジー作品で、童話や古典っぽさがあるので好き嫌いが分かれるかもしれません。


 文者はその幻想的で詩のような美しい世界観に1行目から心を奪われてしまい、ユニコーンとその仲間達と共に旅をしているような気分で、スラスラと読み進めてしまいました!


 偶然にも…いえ、必然的に続編が続けて発売!と言うナイスタイミングで御座いましたので、こちらもすぐにゲット!


 続編はユニコーン達の旅が終わったその後の物語で、スーズと言う少女の視点で旅が始まります。


 こちらは一時流行った「実は残酷だった童話」のような流れになっております故、苦手な方は御注意下さいませ。


 この2冊は、文者に読書の楽しさを再び思い出させてくれた大切な本として、文者の冒険者人生に永遠に残る事でしょう!




2.「煌夜祭」多崎礼 中公文庫

 幼い頃より海外ファンタジーで育った、文者。

 いまだに国内作品の面白さが分からない為、芥川賞、直木賞作品は勿論、本屋大賞の作品も何度も挑戦はするものの、数頁で挫折してしまって世間の皆様と一緒に盛り上がれない事が悩みの種。


そんな中でも、文者が本屋大賞で唯一
気になった「レーエンデ国物語」!


 タイトルからして、海外ファンタジーの匂いがプンプン!

 しかし、値段とスペースの関係から文庫版推しの文者は文庫化まで待っていられず、まずは多崎礼様作品の1つである「煌夜祭」から試してみる事に。


 苦手な国内作品、何度も挫折して来たトラウマ…果たして読み切る事が出来るのか、非常に不安ではあったのですが。


こ、これは…面白い!


 冬至の夜、語り部、島国、魔物の存在、どちらかと言えば和風?アジア系?のファンタジーではあるのですが、語り部達が1話ずつ話している内容が短編として綴られており、読者は読み進めながら徐々にある事に気付いて行きます。


そして、ラスト!

全ての伏線が回収された時!

納得すると同時に切なさが溢れて

もう胸が一杯に!!!!!



 これはもう、ベスト10入り決定!のお気に入り作品になりました!

 多崎礼様はXでも気軽に質問に答えて下さり、益々好感度アップ!


 「レーエンデ国」は残念ながら大賞こそ逃したものの、ファンタジー作品のノミネートは初?か何かで話題となり、現在ではその他の多崎様作品が続々と復刊しているそうで、今後も注目で御座います!




3.「旅のラゴス」筒井康隆 新潮文庫

 「煌夜祭」の勢いに乗って、出来ればこのまま国内作品を克服したい!と、手に取った作品がこちら!


 どちらかと言うと、この作品も海外ファンタジーのような物語なので、文者的には比較的読みやすい作品でありました!


 ラゴスが旅行く先々で巻き起こす不思議なエピソードが、短編形式で語られて行くと言うもの。


 登場人物達はそれぞれが色んな能力を持っており、それを使った事によりどんな結末を迎えたのか、ちょっとした人生の教訓の様なものも詰まっていたりしてとても興味深く読めました!


 筒井康隆様作品は「七瀬シリーズ」3冊と「パプリカ」が積読として控えております!出来れば「ロートレック荘事件」も手に入れたい所!2025年度版ベスト10に入れるのか、今から楽しみであります!




4.「狐には向かない職業」

ジュノー=ブラック ハヤカワ文庫

 本格ミステリーでありながら、登場人物は全員動物!

 ミステリー初心者の方、動物が好きな方に是非オススメしたい作品!

 新聞記者であるキツネのヴェラが、ヒキガエルでこの村の嫌われ者オットーの死体を見つける。

 記者魂が疼いたヴェラは、友人で本屋を営むカラスのレノーラや、警察署の副署長ヒグマのオーヴィルと共に事件を調べ始めるのですが…。


 ま~これが、設定は動物達の世界なのでまるでディズニーを彷彿とさせるのですが、事件を追って行く内にヴェラに魔の手が忍び寄って来てハラハラドキドキさせられ、とても楽しく読めました!


 ハヤカワ様!本場では既に続巻が出ているとの事ですので、早く翻訳をお願い致します!!!!!




5.「失われたものたちの本」

ジョン=コナリー 創元文庫

 海外ファンタジーで、本好きな少年が異世界へ導かれて亡くなった筈の母親を救い出す為の冒険に出る…なんて、如何にも元気と勇気が湧いて来そうな物語かと思いきや…。


おどろおどろしく、残忍で、
グロテスクな表現もあり、
ちょっと想像と違った内容ではありました(笑)


 ジブリの宮崎駿監督も読まれたようで、最新作「君たちはどう生きるか」の元になったとも言われております。


 たった1人で異世界へ行ってしまったデイヴィッドに待ち受ける、様々な困難の数々…手に汗握る展開と、残酷な表現に顔を顰めつつもどんどん読み進めてしまいました。


 映画の地上波放送で原作との違いを見てみたいのと、早くも続巻が発売されましたので、そちらの文庫化も待たれる所であります!




6.「地底旅行」

ジュール=ヴェルヌ 創元文庫

 これはもう、ただただ興奮と好奇心と冒険者魂をこれでもかと言う程、鷲掴みされた素晴らしい作品で御座いました!

 ドラえもんの映画「のび太と竜の騎士」を見て、すっかり地底世界に魅せられていた文者は、地底世界を是非とも見てみたいと言う欲求をこちらの作品で満たして頂きました(笑)。


 当然、ヴェルヌ氏も地底世界へ行った事は…恐らく、ない…とは存じますが(事実は分かりませぬ)、あたかも実際に見て来たかのようなリアルな情景にもう心躍るばかり!


 もしかしたら我々の住むこの地上の下には、こんな壮大な世界が広がっているやも知れませぬ…いつか、文者もその真実を追究する旅に出たいと思っております!



此処からは、noteでは御紹介していない作品になります。



7.「雪の夜は小さなホテルで謎解きを」

ケイト=ミルフォード 創元文庫

 海外のミステリー作品ですが、クリスマスの夜に起こったちょっとしたファンタジー要素も含まれております。


 小さなホテルを経営する両親を持つ主人公の少年が、雪に閉ざされ連絡手段も断たれると言うよくある状況に陥ったにも関わらず、集まって来た宿泊客達が抱えるある秘密を、近所に住む少女と2人で解決する…と言うのが、大筋で御座います。


 メインの2人が、特殊能力を持つゲームのキャラクターになりきって、手分けしながらホテル内を調査する様子がとても可愛らしく、一体どんな秘密が隠されているのだろうとワクワクしながら読み進めました。


 しかし…ラストに進むにつれ「あれ?」「ん?」と言う流れに。


そして、衝撃の大どんでん返し!

「え?嘘でしょ?じゃあ、今までの…」

からの、心温まるエンディング!


 いや~文者は、全く分かりませんでした!(笑)


 え…気付いた方、いらっしゃいます?いたら、スゴイ…!


 クリスマスの夜、または雪がしんしんと降り積もる静かな日に、驚かされつつも思いやりと愛情、そして家族の絆を感じたい冒険者の皆様に、是非とも読んで頂きたい心温まる物語で御座います。




8.「隅の老人の事件簿」

バロネス=オルツィ 創元文庫

 バロネス=オルツィ氏の作品は「紅はこべ」が有名かと存じます。


 文者は未読なのですが、フランス革命の最中に罪のない貴族達までギロチン送りにされる世の中を変えるべく、他国であるイギリスからやって来た謎の集団「紅はこべ」!

 彼らが鮮やかな手並みでフランス貴族達を助け出す歴史冒険ロマン小説だとの事で、確かに面白そうだとは思ったのですが…。


 人と違う方を選びたい!天邪鬼の文者は、敢えて聞いた事の無かったこの「隅の老人の事件簿」を手に取った訳で御座います(笑)。


 探偵役の主人公は、探偵ですらなく…喫茶店の隅の席にいつも座っている、何の変哲もないただの老人であります(所謂「安楽椅子探偵もの」だそうです)。


 その喫茶店に通っている、女性記者のポリー。彼女はいつも席が一緒になるその老人から、世間を賑わせて来た数々の未解決事件の推理を得意気に聞かされ、老人の語りで進む物語が短編形式で収録されております。


 これがまた非常に読みやすく、まああくまでも老人の推理する解決結果なので、実際にそれが合っているか間違っているかは証明のしようがないのですが…ミステリーの短編としては、面白く読めました。


 最初は当然の事ながら、得体の知れない老人が自分に向かってペラペラと話し掛けて来る訳ですから、ポリーも気味悪がっている訳ですが(笑)。


 しかし上記に紹介したキツネのヴェラ同様、女性記者のポリーの記者魂が段々疼いて参りまして、後半はむしろ他に話はないのかとせがまんばかりに前のめり気味(笑)


 そして…
隅の老人が語る、最後の事件とは…


皆様の目で、お確かめ下さいませ。




9.「サンタクロース少年の冒険」

ライマン=フランク=ボーム 新潮文庫

 作者のライマン=フランク=ボーム氏は、あの「オズの魔法使い」を書いた方であります!


 「オズの魔法使い」で、主人公のドロシーが異世界である「オズ」へ飛ばされる前の時代を描いた映画「ウィキッド ふたりの魔女」を御覧になった冒険者の皆様も、いらっしゃるのではないでしょうか?


 文者は世代的に、アニメ「オズの魔法使い」を「Oh!ファミリー」とペアで夜見ていたのを思い出します。


 そして天邪鬼の文者は、ボーム氏の作品の中であまり聞いた事の無かった「サンタクロース少年の冒険」を選ぶのでした(笑)。


 こちらも当然の事ながら、ボーム氏がサンタクロースと言う存在を作った訳でも無く、ましてや会った事がある訳でも無いとは思うのですが…。


「サンタクロースってそう言う生まれだったの?」
「そんな風に成長して行ったんだ…」
「プレゼントを其処までして用意してくれて(涙)」
「子供に金持ちも貧乏も無い!(それは親!)」
「子供はみんな幸せになる権利がある…その通り!」



 夢と、希望と、光と、そして愛に満ち溢れたサンタクロース少年がどのように生まれ、成長し、何故プレゼントを持って子供達の元へ訪れるようになったのかが、ファンタジー形式で描かれて行きます。


 当然いい事ばかりではなく、様々な邪魔が入ったり、無条件で子供達にプレゼントを分け与えてくれるサンタクロースを、何か邪な気持ちで子供に近付いているんじゃないかと疑う大人達が出て来たり…。


 勿論、親の立場ならそう考えるのも仕方が無いのですが、サンタクロースの純粋無垢な生い立ちを見て来た読者からしてみたら、酷い!何て世知辛い世の中なんだ!と怒りが湧きつつもどうする事も出来ず…はぁ、もどかしいったらありゃしない(怒)!


 やがて歳を取って来たサンタクロースが、現在我々が知る姿になり、何故ソリやトナカイが用意されたのかなど、あくまでもボーム氏の解釈ではあるのでしょうが、なるほど~と納得の出来る展開で頷くばかり!


 厚さも薄めで大変読みやすく、出来れば親子で読んで頂きたい心温まるクリスマスの物語で御座います!




10.「飛ぶ教室」

エーリヒ=ケストナー 新潮文庫

 ケストナー氏と言えば、文者が幼少期より愛読していた「岩波少年文庫」から出版されております「エーミールと探偵たち」、「点子ちゃんとアントン」、「ふたりのロッテ」などが有名かと存じます。


 しかし、この「飛ぶ教室」だけは何となくタイトルからどうしても楳図かずお先生の「漂流教室」が頭をよぎり、子供ながらに怖い話かもしれない!と、読まず嫌いをしておりました(笑)。


 ですが今回、上記の「雪の夜は小さなホテルで謎解きを」、「サンタクロース少年の冒険」と立て続けにクリスマスの物語を読みまして、これまた幼少期に読了済みの「クリスマスキャロル」も再購入、他にクリスマスの物語はないかと探しておりました所、こちらの作品がヒットした訳であります。


 「え?これって、クリスマスの物語だったの?」と驚くと同時に、比較的薄めで御座いましたので即購入。


 文者は普段、地下ダンジョン攻略パーティでの休憩時間に読書をする事が多いのですが、この「飛ぶ教室」はもう…。


コロナ以降、お直しメイク道具

持ち歩いておりませんので

如何にアイメイクを直さずに

溢れんばかりの涙を拭くか(笑)!



 寮生活を営む男子小学生達の物語なのですが、主人公のマルティンは実家が裕福ではなく、両親から「クリスマスに帰って来る旅費を工面出来なかったよ…本当に申し訳ない…ごめんよ…」と言う手紙を受け取ります。


 しかし…文面のインクが滲んだ文字、そして恐らく落ちた涙が乾いたせいで表面が波打ってしまったのであろうその手紙を見て、両親も息子に会えない悲しみを堪え切れなかったのだと察し、マルティンも涙を我慢しながら寮に残る事を決意します。


 ですが…登場する頼もしい友人達、からかって来る上級生達、そんな彼らを優しく見守る先生、そして仲のいい庭師…個性的な仲間達に囲まれながら、慌ただしく冬の日々は過ぎて行き…。


 やがてマルティン達が巻き起こす奇跡のような出来事に、上級生達は驚かされつつも徐々に気持ちを変化させ始めます。


 そんな彼らを見ながら昔を思い出し、ある過去を話し始める先生…それを聞いたマルティン達が先生の為に捜し出して来た、驚くべき真実とは?

 

そして、感動のラスト!
こんな優しくて、温かくて、
心が洗われる物語だったとは!


 どんなに辛い環境でも、めげず、くじけず、明るく楽しく優しい気持ちを忘れずにいれば、必ず奇跡は起こるのです!そんなクリスマスの物語を、是非御覧下さいませ!



 如何でしたでしょうか?


 他にも沢山御紹介したい本は山程あるのですが、文者は思いました。


結局…

どんなに自分が面白いと思った本でも、

必ずそれをつまらないと思う人もいるのだ。


要は…

人それぞれなのである!

(元も子もない・笑)



 なので、冒険者の皆様…

 読書と言うものは、人に言われてするものでは御座いませぬ。


自分が読みたい!知りたい!と

思い、感じた物語を、その時に読むのが

一番いいのであります!



 皆が本屋大賞の本を読んでるからと言って、無理矢理読みたくもないのに読むのは違うと文者は思っております。


 ですので、読書が苦手な方は漫画でも、オーディオでも、動画でも、別の方法で知識を得ればいいのであります!


 ちなみに…

「2025年読了 3冊」

1.「百年の孤独」ガルシア=マルケス 新潮文庫

 およそ600頁…もう、後半は流し読み(笑)。

 ちょっと何言ってるか分からない。

 有り難い事に!ネットフリックスで、どうやら映像化している模様!もう、それを頼りに脳内を補完するしかないと思っております!


2.「夜市」恒川光太郎 角川ホラー文庫

 うーん…初めての、国内ホラー作品に挑戦!ですが…うーん。

 当然これを大好きだと言う方がいらっしゃる、と言う事は…文者のような人間もいると言う事を、お互い理解頂ければ幸いで御座います。


 世界観は大好きです!日本の古い神社や妖怪や、あの独特の不気味な感じはむしろ大好物です!ですが…うーん。


3.「儚い羊たちの祝宴」米澤穂信 新潮文庫

 どちらかと言えば「夜市」よりは、こちらの方がまだ面白かったかな?

 こちらも昭和初期と言うか、大正時代と言うか、上流階級のお屋敷に暮らす御令嬢と、その付き人の少女。各家庭で巻き起こる不穏な出来事が、短編形式で綴られて行きます。


 全てを繋いでいるのは、各話に登場する御令嬢達が所属している読書サークル「バベルの会」。

 ラストの物語で、その「バベルの会」を追放されてしまった御令嬢がどのような結末を辿るのか…どれも不気味で、ゾッとする物語ばかり。


 御令嬢と付き人の少女の、絶対的絆がほんのり百合的要素もあったりして、そちらが好きな方にもオススメの作品となっております。


 各話の結末をバッドエンドと見るか、ハッピーエンドと見るか。

 それは、お読みになった冒険者の皆様に判断を委ねたく存じます。



 今後も文者は、これまで読んで来なかったジャンルの本に挑戦し、それらの物語の世界観を吸収しながら、次の創作の糧にしたいと思っております!


これだから、読書はやめられない!!!




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文者部屋美
同じ地球を旅する仲間として、いつか何処かの町の酒場でお会い出来る日を楽しみにしております!1杯奢らせて頂きますので、心行くまで地球での旅物語を語り合いましょう!共に、それぞれの最高の冒険譚が完成する日を夢見て!