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大河ドラマ「光る君へ」感想

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大河ドラマ「光る君へ」の感想をまとめています。
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#源氏物語

大河ドラマ「光る君へ」第37回~『紫式部日記』よりドラマを読み解く

大河ドラマ「光る君へ」第37回~『紫式部日記』よりドラマを読み解く

こんばんは、もちまるです。
今回は「光る君へ」で出て来た2つの場面を『紫式部日記』から読み解いていきたいと思います。

考察にあたり、『ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 紫式部日記 紫式部/山本淳子=編」を引用、参考にしています。

製本の場面

まず始めは、出産を終えて天皇のもとに戻る中宮彰子が、
お土産にと『源氏物語』を製本する場面。

内裏へのお帰りが近い時期、かなり忙しい時にも関わらず

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大河ドラマ「光る君へ」第35回~和泉式部と惟規の和歌考察

大河ドラマ「光る君へ」第35回~和泉式部と惟規の和歌考察

こんばんは、もちまるです。

今回は「光る君へ」で、和歌が2首出てきました!

和歌マニアの私にとってワクワクの回。

早速考察していきます😊

和泉式部の和歌「ものをのみ…」考察

まず見ていくのは和泉式部の和歌。

最愛の敦道親王を亡くした時に詠まれたものです。

くしけずるとは、櫛で髪の毛をとかすということです。

どれだけ親王を亡くした悲しみが深いことだったでしょう。

和泉式部の和歌は

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大河ドラマ「光る君へ」第31話~『源氏物語』の誕生について語る

大河ドラマ「光る君へ」第31話~『源氏物語』の誕生について語る

こんばんは、もちまるです。

夏の暑さとプライベートで疲労していたら、すっかり更新が滞り…

今回も「光る君へ」の感想回です。

今回はついに…まひろが『源氏物語』を書き始めましたね!

見ていて胸が熱くなり、ワクワクしました。

さて、今回は『源氏物語』が描かれた背景について考えてみたいと思います。

ドラマでやっていたじゃん!と思う方もいらっしゃると思うのですが、何だか気になってしまい…
私な

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大河ドラマ「光る君へ」第29回~『枕草子』と文学観について考える

大河ドラマ「光る君へ」第29回~『枕草子』と文学観について考える

こんばんは、もちまるです。

今回も大河ドラマ「光る君へ」の考察です。

今回は、『枕草子』についてフォーカスしていこうと思います。

印象的だったのは、まひろ(紫式部)と清少納言が話している場面。
2人の文学観が見て伺えました。

興味深い記事を見つけたので、引用しつつお話させてくださいね。

記事はこちら。

『源氏物語』は、影が多くあるように感じます。

人間の色々な感情(光や影)が垣間見れ

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大河ドラマ「光る君へ」第24話〜さわの和歌を考察する(『紫式部集』より)

大河ドラマ「光る君へ」第24話〜さわの和歌を考察する(『紫式部集』より)

こんばんは、もちまるです。

今回も大河ドラマ「光る君へ」についてです。
(バタバタしているうちに更新が遅れました…)

今回は、主人公まひろ(後の紫式部)が親友のさわが亡くなったとの知らせを手紙で知る場面がありました。

手紙には和歌が添えられていました。

いつもの事ですが、その和歌がどういう意味なのか気になってしまい…!
考察することにしました。

和歌はこちら。

この和歌は、『紫式部集』

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大河ドラマ「光る君へ」第15回~道長と伊周の弓争い

大河ドラマ「光る君へ」第15回~道長と伊周の弓争い

こんばんは、もちまるです。

今日は、大河ドラマの感想です。
少し投稿が遅くなってしまいました。

今回は、たくさんの見どころがあったのですが、
道長と伊周の弓争いの場面について書いていこうと思います。

ネタバレありますので、ご注意ください。

道長は、藤原道隆の弟。
伊周は、道隆の息子。

つまり、道長にとって伊周は甥に当たるわけですね。

今回は、道隆の元を訪れた道長が伊周と弓争いを行います

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大河ドラマ「光る君へ」第12話~道長の仮名文字

大河ドラマ「光る君へ」第12話~道長の仮名文字

こんばんは、もちまるです。

最近、大河ドラマの感想ばかりになっていますが、今日も大河ドラマの感想になります。
ネタバレありますので、ご注意ください。

今日は、「仮名文字」のお話。

仮名文字とは…

いわゆる、ひらがなとカタカナですね。

ドラマ内で藤原道長が、仮名文字を練習する場面がありました。

この仮名文字、私も大学時代に必修の授業で勉強していました。
くずし字講座みたいなものでしょうか

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大河ドラマ「光る君へ」第11話~古今和歌集を考察する

大河ドラマ「光る君へ」第11話~古今和歌集を考察する

こんばんは、もちまるです。

今日も「光る君へ」の感想を書いていきたいと思います。
ネタバレありますので、ご注意ください。

今回は、倫子サロン(勝手に名付けた)が出てきましたね。
源倫子さんのおしとやかな平安女子感たまりません。
そして、赤染衛門さんのかっこいいこと。
才気あふれて教養に満ちていて素敵ですね。

今回、倫子サロンでは『古今和歌集』の和歌が紹介されていました。

前回も『古今和歌集

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大河ドラマ「光る君へ」第10話~道長の和歌を考察する

大河ドラマ「光る君へ」第10話~道長の和歌を考察する

こんばんは、もちまるです。

今日は、大河ドラマ「光る君へ」第10話の感想です。

今回は、主に道長がまひろに宛てた和歌について考察していきます。
大学で勉強した知識、WEBサイト、書籍を参考に自分なりに考察していくので良ければ覗いていってくださいね。

大学時代に和歌の勉強もしていたこともあって和歌が出てくるととても嬉しくなります。

今回も道長がまひろに宛てた歌はどれもドキドキしてしまう恋の歌

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大河ドラマ「光る君へ」第9話~痛む心と物語の意図

大河ドラマ「光る君へ」第9話~痛む心と物語の意図

こんばんは、もちまるです。

今日は大河ドラマ「光る君へ」第9話の感想です。

がっつりネタバレありますので、まだ見てない方は要注意です。

さて、今回はとてもとても心が痛くなりました。

ドラマを見てここまで心が痛くなったのは久しぶり。

何ていったって、ドラマで重要な役割を果たしてきた直秀ら散楽一団が殺されてしまうのですから。
(直秀を応援し始めてすぐにこんなことになるとは…)

いつもは、歴

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大河ドラマ「光る君へ」第8話〜道兼を見て考える

大河ドラマ「光る君へ」第8話〜道兼を見て考える

こんばんは、もちまるです。

投稿が遅くなりましたが、第8話が放送されましたね。

個人的には、先週の打毬シーンを振り返る場面が印象的でした。

普段はキリッとした赤染衛門も楽しそうにお話している姿にウキウキ☺️

赤染衛門役の凰稀かなめさんは、宝塚の男役だったので、男役姿にすっかり慣れてしまって、平安女子の姿にまだ慣れない私です。
(とても素敵な赤染衛門さんに古典を習いたいと思ってしまいます😉

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大河ドラマ「光る君へ」第7話〜打毬と『源氏物語』そして道長

こんばんは、もちまるです。

今回は、「光る君へ」第7話の感想です。
ネタバレありますので、ご注意ください。

今回の見どころといえば、「打毬(だきゅう)」でした。

藤原道長を始めとするイケメン貴公子たちが
馬に乗ってボールを杖で打つ、とってもかっこいい姿が印象的な場面でした。

柄本佑さんを始め、出演されている俳優の皆さまが、
馬に乗ってボールを杖で打つというのは、どれ程大変な事かと思いました

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大河ドラマ「光る君へ」第6話〜和歌を考察する

大河ドラマ「光る君へ」第6話〜和歌を考察する

こんばんは、もちまるです。

今日は大河ドラマ「光る君」第6話の感想です。
今回は、和歌をキーワードにドラマを振り返りたいと思います。
ネタバレありますのでご注意ください。

まず、一つ目の和歌。

主人公まひろが、源倫子たちの勉強会にて、
『蜻蛉日記』について話す場面がありました。

その際に、登場したのがこの和歌。

この和歌は、『蜻蛉日記』の作者道綱母が『蜻蛉日記』の中で、
詠んだ和歌とされ

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大河ドラマ「光る君へ」第5話を観て〜『蜻蛉日記』の思い出

大河ドラマ「光る君へ」第5話を観て〜『蜻蛉日記』の思い出

こんばんは、もちまるです。
今回は、大河ドラマ「光る君へ」5話を観て思った事を書こうと思います。

感想というよりも、思い出話がメインになるかと思います。
とはいえネタバレありますのでご注意ください。

今回、ドラマの中で藤原兼家の妻の1人藤原道綱母(みちつなのはは)とその息子道綱が登場します。

今日は、その道綱母についてのお話です。

ドラマでは、道綱母は正妻というよりも兼家の沢山いる妻の中の

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