
大河ドラマ「光る君へ」第12話~道長の仮名文字
こんばんは、もちまるです。
最近、大河ドラマの感想ばかりになっていますが、今日も大河ドラマの感想になります。
ネタバレありますので、ご注意ください。
今日は、「仮名文字」のお話。
仮名文字とは…
漢字をもとにして作られた日本の文字のことです。いわゆる「ひらがな」(平仮名)と「カタカナ」(片仮名)を指し、9世紀に使われ始め、11世紀に字形が確立していきました。このかな文字の発明は、日本文化の発展において、最も重要でかつ革命的なことだったと言われています。
いわゆる、ひらがなとカタカナですね。
ドラマ内で藤原道長が、仮名文字を練習する場面がありました。
この仮名文字、私も大学時代に必修の授業で勉強していました。
くずし字講座みたいなものでしょうか。
歴史の資料と違って平仮名なので、もととなる漢字と読みを覚えてしまえば、以外と何とかなるものですが、やはり、いざ読むとなると難しい。
主に平安時代の人の仮名文字を読むのですが、読みにくい人、読みやすい人様々でした。
筆ペンを買って仮名文字を写経する課題などもあったので、やっていることは道長と似ているなぁなんて思ってしまいました。
さて、話を戻しましょう。
道長が練習していた仮名文字、これはとある和歌だったようです。
安積山 影さへ見ゆる 山の井の 浅くは人を 思ふものかは
これは『大和物語』百五十五段にある和歌です。
『大和物語』の説明は以下。
当時の貴族社会の和歌を中心とした歌物語で、平安時代前期『伊勢物語』の成立後、天暦5年(951年)頃までに執筆されたと推定されている。通常では、内容は173段に区切られる。約300首の和歌が含まれているが、『伊勢物語』とは異なり統一的な主人公はおらず、各段ごとに和歌にまつわる説話や、当時の天皇・貴族・僧ら実在の人物による歌語りが連なったいわばオムニバスの構成となっている。
気になる現代語訳はこちらです。
安積山の姿までが映っているこの浅い山の井のように、浅い心で私はあなたを思っているでしょうか、いいえ、あなたを深く愛しています
道長のまひろを思う気持ちでしょうか。
何だか心を打たれますね。
この和歌は、当時幼児の手習いのはじめの歌とされているようです。
幼い頃から、こんなにロマンチックな和歌を勉強するなんて何だかすごい…と思ってしまいます。
そのような和歌なので、『源氏物語』にも似たような表現の和歌が用いられているようです。
ここでは、細かい言及は差し控えますが、それほどオーソドックスな和歌だったということになりますね。
だとしても、道長にこの和歌を書かせるなんて…
このドラマなんておしゃれなんでしょう。
悲しいことに、まひろと道長は結ばれませんでしたが…
道長の心は倫子に移ろってゆくのでしょうか。
それも寂しい気がして…
ちょっと切ない気持ちになりますね。
今回も、私の好きなこちらのサイトを参考にさせていただきました。
自分で和歌を再解釈するにあたり、以下の本も参考にしました。
今回も図書館の電子書籍サービスを使って読む事が出来ました。
研究書は、図書館で取り寄せるのに時間がかかることもあるので大変有り難いです…!!
こちらの本は『大和物語』について大変詳しい解説が載っていて、和歌の解釈の勉強になりました。
今回取り上げた和歌が、『源氏物語』に影響を与えていることなども詳しく記載されています。
今井先生のお名前も久しぶりに拝見しまして…懐かしいです。
久しぶりに大学時代の研究を思い出してワクワク。
やっぱり「光る君へ」の考察は思いもよらぬ発見があってとても楽しいです。
それでは今日はここまで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。