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君二、ミニ、味蕾ヨ、届ケ、咲ケ!

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つぶやき詩や短詩などをまとめていきます。
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短詩『Endless sorrow』

短詩『Endless sorrow』

孤独な水辺に立っている
終わらない悲しみの海に
はなびらを浮かべながら
指に触れるみずの温度を
ちいさく遊んで刻みこむ

前方に姿は見えないけれど
足音ひとつふたつ聴こえて
追憶の風雨にまみれている
最後の接吻を反芻するから
はなびらが赤く染まるのだ

あかい記憶に苛まれて
戻らない風景をさがす
エコーする口唇の色彩
くちびるが腫れている
空白を埋められない夜

photo:見出し画像(みんなのフ

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短詩『HAPPY NEW YEAR 2023』

短詩『HAPPY NEW YEAR 2023』

何げないちいさな幸福も、救いのない絶望も、胸を引き裂かれそうな悲しみも、狂おしいほどの怒りも、しずかに降りつもってゆく愛しさも、人生という喜劇のエッセンス、かつスパイス。きのうも、きょうも、あしたも、前を向いて、目を逸らさない。こころ躍らせながら、今年も言葉を紡いでゆこう。去年から今年へと時は移り変わってゆくけれど、内側にある時計は繋がっている。わたし、はつづく、つづいてゆく。

明けましておめで

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たくさんのものを手に入れても
幸福にはなれない
両手いっぱいに荷物を抱えても
大切なものは指をすり抜けてゆく
現状に満ち足りること
それが幸福への近道

photo:フリー素材
design:未来の味蕾
poem:未来の味蕾

短詩『さくら柄の道』

短詩『さくら柄の道』

一年ぶりの賑やかな桜並木
薄紅色のはるを彩りながら
散り始めた桜が舞い落ちた
アスファルトに時間が刻まれて
さくら柄の道を歩いてゆこうか

快晴、少し背伸びしたら
青空がお辞儀してくれて
指先が触れた気がしたよ

すべてのひとに春よ、来い
すべてのくにに春よ、来い

祈りをこめて、そう呟く日

photo : 未来の味蕾
design: 未来の味蕾
poetry :未来の味蕾

ビルとビルの隙間から漏れる光
あたたかい線を描きながら、sigh
まだつめたい街に接吻してゆく

ひた、ひた、ひた、
同じようなハルなんて
一度たりとも産まれない

「異母兄弟の春が来た」

photo:フリー素材
design:未来の味蕾
poem:未来の味蕾