#マンガ感想文
【マンガ感想】ジョージ秋山と詰み本の呪い「ドストエフスキーの犬」など
ジョージ秋山は毒薬だ。
コンプレックスまみれのうじうじした男がひとりで傷ついて、通りすがりの女を横目で見て、欲情をおさえきれずに乱暴する。した方のくせに自分に嫌気がさして布団をかぶって泣く。死ぬ。
ジョージ秋山の代表作「浮浪雲」を父親が20年以上前に読んでいた。
今、それとは関係なくKindleで息子のぼくが同じ作者にたどり着いたことにちょっと恐怖を感じている。
なんで嫌悪感があるのに自分はジョ
クリスマスに一番不向きなプレゼント、福本伸行の「二階堂地獄ゴルフ」単行本
クリスマスに一番適したプレゼントはケーキ。
一番適してないのは二階堂地獄ゴルフの単行本だ。
「カイジ」よりもさらに前の、売れるとは思われてなかったころの福本伸行の作風。
題材はゴルフ。
ぎりぎりでプロテストを落ち続けて35歳になった男の悲哀、だんだん周囲からめんどくさい人と思われていてもプライドを捨てきれない意地、そういうことを描いている。
ゴルフでなくても「漫画」や「お笑い」に置き換えて読め
【宇宙人狼】久しぶりに買った漫画【海外マンガ】
宇宙人狼やん!!
昔からのファンの方には「宇宙人狼やん!!」と言われても舌打ちされるかもしれないけど、萩尾望都「11人いる!」の導入には、流行が二回りぐらいして最新の流行と重なったことに興奮した。
10人の初対面の候補生たちに課せられた最終テスト。一定期間、宇宙船の中で問題なくすごすだけでいいのだが、いざ来てみると一人多い。何者か。どこまでテストでどこからアクシデントなのか。
候補生たちが二
【漫画レビュー】表紙だけで人生!フレデリック・ペーターズ「青い薬」
バンドデシネ(フランス語圏のマンガ)初体験でこの本を選んだのは、あまりにも濃いオレンジの表紙が、ぱっ!と目に飛び込んできたから。
日本の浮世絵はフランスで人気があったときくが、そのときにフランス人が驚いた紺色のようなオレンジだ。荒れる海にソファーが浮かんでいる。その上でほほ笑むふたり。
この表紙だけでほぼ人生。この本の語っているすべてがこの表紙にある。人生はたいへんだけど、目の前の幸福をみていき