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静 霧一/小説
2021年11月2日 00:55
「若かりし頃は」なんていう歳でもないが私にはふと思い返す思い出がある。私が今こうやって、文章を投稿するようになったそのきっかけの思い出だ。もともと、文章は得意ではなかった。字が下手だった私は、文章そのものを書くことが少なく、国語も苦手で読解力もなかった。そんな私が文章を書き始めたのは、手紙だ。そんな手紙の物語は以前エッセイで好評を得た。今日話すのは、私が物語を書
2021年10月22日 23:29
「みんな持ってるもん」この言葉で、私は何回親を困らせただろうか。「よそはよそ、うちはうち」と一掃され、何度も悔しい思いをしたことを未だに覚えている。気づけば、その言葉をいつの間にか言わなくなった自分がいる。ようやく、「よそはよそ、うちはうち」という言葉の意味を理解したのかもしれない。子供のうちはまだ可愛い駄々こねで済んだかもしれないが、大人になると大変である。「みんなが言うなら
2021年10月8日 22:00
夏の夜空に咲く大輪の花———きらきらと火花が撥ね、夜のキャンバスに動的な芸術が咲き誇る。猩々緋、菖蒲色、群青色に梔子色。草花にはないその配色は、人工物たる芸術の最たるものである。花火は”散る“と言うのだから、それはもう職人の息吹が込められ、血が通っている生命そのものだ。まるで蝉の幼虫のように、羽化をまだかまだかと望み、そしてようやく外へと出ると、小さな心臓に鞭を打ち、生命を涸らしなが
2021年9月22日 22:02
物語を書いていると、ふと思うことがある。「本当にこれは私が考えた物語なの?」と。もう、何百年も前から物語は存在する。歴史上のありとあらゆる人物が、筆に手を取り、数千万、数億万という物語を書いている。世に出ていないだけで、ノートの切れ端に書いた落書きの物語も含めれば、それはもう数え切れないほどの膨大な数だろう。文化は発展し、価値観も多様化した現代。あろうことか、物語は飽和し、
2021年8月12日 22:01
才能なんてもの、僕にはなかった。頭もそんなに良くはないし、運動も出来ない。人前には出ることも出来なければ、根暗であった。何をやっても上手くはいかない。それが僕だった。苦い思い出なら、数えられないほど持っている。そんな僕が、ライブステージに立ったあの日までを書いていく。少しでも、今頑張っている人の力になれれば、それだけで僕は嬉しい。①学生時代いじめの経験学生時代、それはもうとこと
2021年7月10日 13:42
近所に新しいレストランが出来たので、家族で行ってきました!外観は木を全面に使った造りで、自然をイメージしておりますね。※店内はお客さんが結構いらっしゃったので撮れておりません。■頂いたランチを2つほど紹介・グリルポークのサラダ・スズキのムニエル ジェノベーゼソースその他、いくつか注文させて頂きました。店外内の雰囲気は非常に良く、ランチでもディナーでもお洒落に食事を頂ける場
2021年8月11日 21:46
人はみな、幸福と不幸の狭間で揺れている。どちらかに身体を傾ければ、簡単にそちらへと転がり込むのだ。幸と不幸を二分すれば、50:50になるはずだ。それであるのに、僕らの周りは不幸な人で溢れている。お金がない、友達がいない、愛がない、楽しみがない。口を開けば"不幸だ"という人がほとんどだろう。この世界の現実は、10:90の割合で不幸な人なのだ。幸せに絶対的な尺度はない。その人が
2021年8月10日 23:08
7月1日、午前0時。30歳の誕生日を迎えると同時に、私の手は半透明に透けてしまった。手首から先の輪郭がぼやけ、手のひら越しに、外の景色が見える。半透明であるためか、肌色交じりに星空が映っているせいか、とても綺麗とは言えない景色。そうかと思えば、普通に物は握れる。私の手は、なぜ半透明になってしまったのだろうか。頭の中にはぐるぐると悩みが旋回している。そんなとき、ふと私の視線は本棚
2021年8月9日 21:25
健康診断の帰り道。渋谷駅から少しばかり離れた場所に足を進める。喧噪の街並みの音が次第に消えていき、古い民家を吹き抜ける風の音が、昔ながらの趣の音を心地よく鳴らしている。そんな宮益坂の路地裏にひっそりと佇むのが、珈琲店『茶亭 羽當』である。①茶亭 羽當1989年9月に渋谷の宮益坂下に誕生した『茶亭 羽當』は、30年以上営む老舗の珈琲店だ。昔ながらの趣をそのまま閉じ込めたようなお店からは
2021年7月27日 22:00
こんばんわキリイチです!オリンピックも始まり、家でごろごろとする時間が増える夏場ではございますが、みなさんはお家のお菓子をどう選んでいるでしょうか?さて先日、大切な人のバレエの発表会のプレゼントを探していたところ、ずっと買いたかったお洒落なお菓子が見つかりましたので、それをご紹介させていただきます!洋菓子店Atelier UKAIの『フールセック 小缶』です。Atelier UKA
2021年6月28日 20:24
こんばんは!昼間の日照りが増し、局地的な豪雨の降る季節になりかけている今日この頃。皆さんはどうお過ごしでしょうか?さて先日、大切な友人よりとても小洒落たお菓子缶を頂き、それが非常に美しいものだったのでご紹介させて頂きます!和のモダンスイーツを展開するtamayose(たまよせ)の甘じょっぱい缶です。ふきよせとは?ふきよせとは、茶席で振舞われる干菓子・焼き菓子のことで、秋風で吹き寄せ
2021年6月25日 20:33
檸檬の甘酸っぱい香りが漂う。私はどうも、恋をしたようであった。◆とある平日の午後のこと。ふらりと外を散歩していると、洋菓子屋の前に行きついた。こんなお店、前からあっただろうか。私はおぼろげな記憶を思い返してみる。確か、ここには定食屋があった。老夫婦が営む、古い定食屋。居ぬき物件ということもあり、店外の様子は、ぼんやりとであるがあの定食屋の残像がある。私は、その懐かしさ
2021年6月16日 23:53
「違和感」誰しもが、この言葉を聞いたとき、いいイメージを持たないだろう。「違和感」という言葉は、何らかの疑念であったり、はたまた自分の中の何かのバランスが崩れた時によく出る言葉だ。大抵の場合、その直感というのは当たっていて、そしてあまり良いということはない。逆に、「違和感」がない状態とは状況だろうか?何事もなく事が進んでいき、調和がとれた日々が流れ、誰も何も邪魔をしない状況と言ったと
2021年6月6日 15:21
私は、『熱狂』に恋焦がれている。私自身、働くことは嫌いではない。この世に存在しない価値を生み出し、顧客に予想外の付加価値をもたらすことが出来るからだ。この感情を誰かに押し付けようとは思わない。なにせ、これは私自身の自己満足に過ぎないからだ。私の一つの小さな組織に所属する身ではあるが、『井の中の蛙、大海を知らず』ということをひどく痛感している。それもこれもこの本に出会ってしまったか