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読書・映画・ドラマ・YouTube~作品ガイドと感想

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#読書感想文

皮肉なタイトル「太平記」読書感想文

皮肉なタイトル「太平記」読書感想文

太平記、あるいは「平和な記録」というタイトルの皮肉さについて

太平記を読んだことがありますか?もし読んだことがなければ、あなたは日本の歴史の中でも特にドラマチックな時代を見逃しているかもしれません。

そして、もし「太平記」というタイトルを文字通りに受け取っているなら、あなたはかなりのサプライズを受けることでしょう。なぜなら、この物語は平和(太平)とは程遠いからです。

太平記の主要な登場人物は

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読書レビュー「学歴・競争・人生〜10代のいま知っておくべきこと」

読書レビュー「学歴・競争・人生〜10代のいま知っておくべきこと」

「学歴・競争・人生 10代のいま知っておくべきこと」のレビューを作成します。

プロット

この本は、10代の若者が直面する学歴や競争、人生の選択についての洞察を提供します。著者は、教育システムの現状や競争社会のプレッシャー、そしてそれが若者の心身に与える影響について深く掘り下げています。具体的なエピソードや実例を交えながら、読者に共感を呼び起こすストーリーが展開されます。

キャラクター開発

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「智恵子は東京に空が無いといふ」高村光太郎の「智恵子抄」

「智恵子は東京に空が無いといふ」高村光太郎の「智恵子抄」

高村光太郎の「智恵子抄」に対する感想文

高村光太郎の「智恵子抄」は、日本文学における最も感動的な作品の一つとして広く認識されています。この詩集は、光太郎が愛した妻、智恵子への深い愛と喪失の感情を詩的に表現したものです。読者は、光太郎の繊細な感情の揺れ動きを感じ取ることができ、智恵子への愛がどれほど深く、純粋であったかを理解することができます。

「智恵子抄」は、智恵子の生前の姿と、彼女が精神疾患

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日本一のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』ブックレビュー

日本一のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』ブックレビュー

『窓ぎわのトットちゃん』ブックレビュー

プロット
『窓ぎわのトットちゃん』は、黒柳徹子さんの自伝的エッセイで、彼女の幼少期のエピソードを中心に描かれています。物語は、トモエ学園というユニークな学校での経験を通じて、トットちゃん(黒柳徹子)の成長と学びを描いています。学校の自由な教育方針と、個性を尊重する校長先生との出会いが、トットちゃんの人生に大きな影響を与えます。

キャラクター開発
トットち

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J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』 読書レヴュー

J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』 読書レヴュー

かなり昔に読んだ、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』は、若者の孤独と成長の痛みを描いた古典的な作品です。1951年に発表されて以来、世代を超えて多くの読者に愛され続けています。この小説は、主人公ホールデン・コールフィールドの目を通して、大人への移行期にある若者の心理がリアルに描かれています。

ホールデンは、学校を追い出された後、ニューヨークでの数日間を過ごします。彼の旅は、社会に対す

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【読書】ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」

【読書】ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」

ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」

ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」は、1906年に発表された感受性豊かな少年ハンス・ギーベンラートの物語です。

この作品は、教育システムの厳しさと個人の精神性との間の葛藤を描いており、ヘッセ自身の経験に基づいています。ハンスは、周囲の期待に応えようとするが、神学校の詰込み主義の教育に疲弊し、最終的には悲劇的な結末を迎えます。

この物語は、教育が個人の精神に与える影

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【読書】岩波新書「遣唐使」の魅力を探る

【読書】岩波新書「遣唐使」の魅力を探る

岩波新書「遣唐使」の魅力を探る

日本の古代外交の歴史において、遣唐使は非常に重要な役割を果たしています。

7世紀から9世紀にかけて、日本は多くの使節団を唐の都へと派遣しました。これらの使節団は、政治的な使命を帯びると同時に、文化や技術の交流を通じて、日本の発展に大きく寄与しました。

岩波新書「遣唐使」は、この歴史的な使命に焦点を当て、当時の日本と唐の関係を深く掘り下げています。

この本は、

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ブックレヴュー:『名探偵のままでいて』 by 小西マサテル

ブックレヴュー:『名探偵のままでいて』 by 小西マサテル

小西マサテルの『名探偵のままでいて』は、読者をミステリーの世界へと誘う魅力的な作品です。

この小説は、レビー小体型認知症を患う祖父と、彼の孫娘の楓が織り成す物語で、日常に潜む謎を解き明かしていきます。

祖父はかつての鋭い洞察力を取り戻し、孫娘が持ち込むさまざまな謎を解決していく様子が描かれています。

この作品は、第21回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、シリーズ累計20万部を突破する

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ブックレヴュー 岩波新書の「メディア不信」林香里著

ブックレヴュー 岩波新書の「メディア不信」林香里著

岩波新書「メディア不信」のレビュー

メディアとその情報の信頼性は、今日の情報過多な社会において、常に議論の的となっています。

林香里著「メディア不信―何が問われているのか」は、この重要なテーマに光を当て、読者に深い洞察を提供します。

本書は、フェイクニュースやポスト真実といった現代のキーワードを通じて、メディアの現状と市民に求められるリテラシーについて掘り下げています。

著者の林香里は、東

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【読書】村田沙耶香さんの「コンビニ人間」第155回(2016年)芥川賞受賞作

【読書】村田沙耶香さんの「コンビニ人間」第155回(2016年)芥川賞受賞作

『コンビニ人間』(コンビニにんげん)は、村田沙耶香による日本の小説作品。『文學界』2016年6月号に掲載、文藝春秋より2016年7月27日に刊行された。第155回(2016年)芥川龍之介賞受賞作 。また、2018年9月4日には文庫版が刊行された。

コンビニ人間の世界へようこそ!ここでは、普通であることの圧力と、個性を持つことの大切さが交錯する、村田沙耶香の傑作について語り合います。この小説は、コ

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【読書】小学生で読んだ初めての歴史小説『国盗り物語』司馬遼太郎

【読書】小学生で読んだ初めての歴史小説『国盗り物語』司馬遼太郎

国盗り物語 ブックレビュー

プロット解説:
司馬遼太郎の「国盗り物語」は、戦国時代を舞台にした壮大な歴史小説です。この物語は、力と知恵を駆使して天下統一を目指す織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった武将たちの野望と戦略を描いています。小学生の頃に初めて読むには複雑なプロットですが、日本の歴史に対する理解を深めるための素晴らしい入門書と言えるでしょう。

キャラクター開発:
主要な武将たちは、それぞ

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【読書】トーキョークロスロード 濱野京子氏

【読書】トーキョークロスロード 濱野京子氏

『トーキョークロスロード』についてのブックレビュー

プロット:
『トーキョークロスロード』は、高校生の栞が主人公の青春小説です。彼女の趣味は、ダーツで選んだ山手線の駅で降り、別人に変装して街を散策すること。ある日、そんな彼女がかつての同級生・耕也と偶然再会し、二人の間に芽生える淡い恋心を中心に物語が展開します。

キャラクター開発:
栞は、自分らしさを探求する高校生として描かれ、彼女の内面の成長

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【おすすめ読書】『カエルの歌姫』心を揺さぶる歌。小さな池から始まる大きな夢

【おすすめ読書】『カエルの歌姫』心を揺さぶる歌。小さな池から始まる大きな夢

『カエルの歌姫』は、如月かずさによる青春小説で、両声類の中学生が自己のアイデンティティと向き合いながら成長していく姿を描いています。この物語は、性別の枠にとらわれない自由な自己表現の重要性を浮き彫りにし、多くの読者に共感を呼んでいます。

物語の主人公は、女性の声も出せる特異な才能を持つ中学生で、学校の放送を通じてアイドルとしての活動を始めます。しかし、彼が抱えるジェンダーに対する葛藤や、自分自身

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【読書】ぼくは勉強ができない。山田詠美。高校生の夏はコレ!

【読書】ぼくは勉強ができない。山田詠美。高校生の夏はコレ!

僕は勉強ができない。山田詠美。

 山田詠美の『僕は勉強ができない』は、青春期の複雑な感情と成長の過程を描いた作品です。本書は1996年に映画化もされました。

 本書は、東京から引っ越してきた仁美と、彼女が出会う三人の友人たちの絆と、それぞれの人生の終わりまでを追います。

 プロットは、高度成長期の海辺の街を舞台に、4人の主人公たちが過ごしたかけがえのない時間を描いており、官能的な言葉で紡がれ

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