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【読書感想文】仕事に効く教養としての『世界史』
仕事に効く教養としての「世界史」を読んでみました。でも別にこの本を仕事に生かそうと思って読んだ訳ではありません。
歴史好きなので、歴史関連の本を探しに本屋に行ってたまたま手に取ってみてたら、大変読みやすかったので購入しました。
400ページ程の本ですが感想を書くのには、世界史のお話だけあってスケールが大きすぎます。全部感想を書いていったら1万字を超えてしまいそうです。だから、自分が一番感動した
【読書感想文】カラマーゾフの兄弟の冒険
誠に汝らに告ぐ、一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在なん、もし死なば、多くの果みを結ぶべし。
【ヨハネ伝第十二章第二十四節】
聖書を引用したエピグラムからカラマーゾフの兄弟は始まります。そして作者の言葉という序文に続きます。堅苦しそうな導入部分に感じました。
総計2000ページ近くあるこの小説を読む事は、自分にとって長く退屈な作業になるかも知れないという不安がふと頭をよぎりました。
しか
【読書感想文】銃・病原菌・鉄
「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
ニューギニアの政治家ヤリがこの本の著者ジャック.ダイアモンド尋ねる所からプロローグが始まります。
2人の会話は、ニューギニアの人々と200年間その地を支配してきたヨーロッパ人との間にある明らかな技術の差、それはニューギニア人がヨーロ
”ホラーの帝王”スティーヴン・キングに「人生で読んだ中で最も恐ろしい」と言わしめた、『ホット・ゾーン』第1章「森の中に何かがいる」先行公開
ウイルス・ノンフィクションの名作、リチャード・プレストン『ホット・ゾーン』が5月22日(金)に早川書房より緊急文庫化。『IT』『シャイニング』などで知られる”ホラーの帝王”スティーヴン・キングは、本書にこんな賛辞を寄せています。
「本書の第1章は、私が生まれてこのかた読んだ最も恐ろしいものの一つである──しかも、その恐怖は章を追うにつれて深まってくる。驚嘆すべきはその点だ。恐怖はいや増す一方なの
ヴァージニア・ウルフ「病気になるということ」片山亜紀訳/新訳・解説公開
編集部より 早川書房は、20世紀を代表する作家ヴァージニア・ウルフが1926年に発表したエッセイ「病気になるということ(原題:On Being Ill)」の新訳と訳者解説を全文公開します。
約100年前、世界各国で大流行したというインフルエンザ。1918年から20年頃にかけては「スパニッシュ・インフルエンザ(いわゆるスペイン風邪)」と呼ばれるインフルエンザが流行り、第一次世界大戦の末期から停戦後
「人間失格」あらすじ解説【太宰治】2
前回の記事はこちら。
キリスト教批判
作品のラストで、京橋のマダムは言う
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「いいえ、泣くというより、……だめね、人間も、ああなっては、もう駄目ね」
(中略)
「あのひとのお父さんが悪いのですよ」
何気なさそうに、そう言った。
「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」
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つまり
「夏目漱石」読み解き一覧
「坊っちゃん」は下敷きが「ファウスト」と認識されず、「草枕」は冒頭のみ有名で、「二百十日」は人気がなく、「野分」はしばしば意味を逆に取られ、「虞美人草」は完読する人すら少なく、「坑夫」は提言の重要性を受け止めてもらえず、「夢十夜」は全体構造踏まえた鑑賞をされず、「三四郎」はタイトルに数字使うも経済ドラマとは認識されず、「それから」は「ニーベルングの指環作品群」に含まれると思われず、「門」は時間が主
もっとみる「グレート・ギャツビー(華麗なるギャツビー)」あらすじ解説【フィッツジェラルド】
現代社会でも騎士道はあります。どんなに虚飾で、犯罪的で、みじめな結末であっても、やっぱり騎士道は存在するのです。姫にたいする純粋な愛。「グレート・ギャッツビー」はアメリカの騎士道を描いた神話です。
20世紀アメリカ文学の代表作
「グレート・ギャッツビー」は1925年(大正14年)発表のアメリカの小説です。作者フィッツジェラルドの代表作であり、20世紀アメリカ文学の代表作とさえ言われています。アメ
「闇の奥」あらすじ解説【コンラッド】
「地獄の黙示録」の原案になったり、名前だけは有名なコンラッドの「闇の奥」ですが、普通に読むと普通に面白くありません。そこで細かく分析してみたのですが、分析してみたところでやっぱり普通に面白くありませんでした。でも名作といわれる理由はよく分かりました。
高密度の名作「闇の奥」はHeart of Darknessが原題です。「闇の奥」と翻訳されます。しかし詳細に読み解くと「闇の心臓」以外に翻訳できな
「人間失格」あらすじ解説【太宰治】1
1945年8月、敗戦
1946年1月、天皇の人間宣言
1948年5月、「人間失格」脱稿、同年6月、作者死去
あらすじ
主人公・大庭葉蔵は富豪の子息だが気が弱く、道化で周りのご機嫌を取る子供だった。成長後女性には惚れられたが、薄志弱行にして生活能力がなく、心中をしたり、女性のヒモになったりするだけの人物だった。
そんな葉蔵もある時可愛い女性と生活してゆくことに希望を持ち同棲する。しかし彼女が姦通し
「三四郎」あらすじ解説【夏目漱石】5・絵画
前回はこちら
素性不明の人物・原口画家の原口のみ金銭やり取りの中に入っていません。その原口は美禰子と親しく話します。つまり冒頭集約の列車の、お灸の爺さんに該当する人物です。列車の中に登場する以上、作中有数の重要人物です。しかしなぜか姓のみで名前がなく、素性もよくわかりません。
わかっているのは里見兄妹には亡くなった長兄がおり、原口はその彼とヨーロッパ留学していたことだけです。存命中の里見家次兄