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構成読み解きやっております。日本文学、外国文学、映画、アニメ、なんでもです。 https://note.com/fufufufujitani/n/n46e8b454d887

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「葬送のフリーレン」解説

読み解き業界には仁義があります。現役作家の作品を細かく読み解きしすぎることは仁義に反します。よって概略だけの解説になります。ちなみに原作コミックは読んでいません。 風景と内面人生の記憶はあまりにも多く、長く生きる種族ともなればその量は森の樹木の数のように膨大なものになります。 しかしその記憶の中に、 深夜の森に立ち上る光のように、 煌々たる輝きを放つ一点がありました。 おわかりのようにこのシーンで、 今現在主人公の外に広がっている風景と、 主人公の内面にある過去の記

    • 時系列倒置の研究 9・「オッペンハイマー」【クリストファー・ノーラン】

      作品解説はこちらです。 時系列通りの章立ては、 なのですが、実際には という非常に込み入った内容になっています。 実際のタイムラインで章立て表をまとめることもできまして、 こうなります。綺麗に4分割できます。時系列で見ると5分割ですから なんちゅうか知的な監督さんですね。変なところでマニアックです。「インセプション」でも「二重対称構造」とでも呼ぶべき構造作っていまして、 一筋縄ではいかない作家です。 本作の第二章は2分割できまして、 こんな感じになるのですが、第

      • 「オッペンハイマー」あらすじ解説【クリストファー・ノーラン】

        表面的には分かりやすく、深読みしても内容あります。つまり、出来が良いのです。 あらすじまとめると5節に分かれます。対称、反復などの構成は特に見出せません。時間は少々アバウトです。すみません。 A:物理学者誕生 アメリカ出身の物理学徒オッペンハイマーは、ヨーロッパに留学します。 実験でうまくゆかずストレスを抱えたりもしますが、 ボーアや ハイゼルベルクから刺激を受け、 ピカソやストラヴィンスキーの文化にも触れて、 充実した時間を過ごします。 帰国してカルフォルニア

        • 「ロストケア」解説

          お読みいただく前に超名作です。ネタバレしない程度に解説したつもりですが、危険を感じられる向きは記事を読まないでください。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CHBRPGND/ref=atv_dp_share_cu_r で見れます。 主演女優は長澤まさみ、 主演男優は松山ケンイチです。 以下作品の下敷きというか、理解の助けになる資料を順次ご紹介してゆきます。 京都伏見介護殺人事件2006年の事件です。犯人は、母が認知

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          「ヒルビリー・エレジー」あらすじ解説【J.D.ヴァンス】

          著者がアメリカ副大統領候補になったので、やっつけ泥縄読み解きしました。精度荒いです。 あらすじ著者はラストベルトの貧しい家庭の生まれです。貧しい地域はどこでもそうですが、荒れた家庭が多いです。お父さんはしょっちゅう変わります。お母さんは変わりませんが、亭主をしょっちゅう変えているということは、つまり情緒不安です。薬物にはまります。 お母さんが薬物にはまると子どもはどうなるか。学校の成績が壊滅的になります。環境に耐えられなくなった筆者は祖母の家で生活することにします。祖母は乱

          「ヒルビリー・エレジー」あらすじ解説【J.D.ヴァンス】

          「鏡」解説【タルコフスキー】

          理解のポイントは二つあるようです。 1、時系列整理 2、鳥=精霊=言葉 です。それぞれ説明します 1、時系列整理イベント一覧はこうなります。 時系列錯綜しすぎていますので細かすぎるところ簡略化しますとだいたい、こういう順序の構成になります。 冒頭のアバンとは、オープニングクレジットの前に映される部分です。そして全体を時系列で並べると、 こうなります。この時系列整理がべらぼうに難しかったです。上から説明してゆきます。 草原と老いた母と主人公 この時、まだ父が居ます

          「鏡」解説【タルコフスキー】

          イラン映画のご紹介

          物語能力は民族により差が有る。外交能力、戦略能力は物語能力にだいたい比例する。日本は文化的に豊かな国です。豊かですから、他国を評価すると実は点が辛くなる。しかしあんまり悪口言うと、言う本人が人間的ランクが下がる感じがあるから、言いづらい、だから他国の文化についてはさほど比較して論じた文章見たことないのですが、各国の文化の程度は物凄く差が有ります。どうにもならない超えられない壁なのです。そして文化の程度は必ずしも一人当たりのGDPに比例しません。 文化の中で最も重要なのは「物

          イラン映画のご紹介

          「暗殺の森(体制順応者)」あらすじ解説【ベルトリッチ】

          1970年のイタリア映画です。こちらは邦題が悪すぎます。原題は「Il Conformista」=「The Conformist」=「体制順応者」です。政治体制に過剰に順応してしまった人物を描きます。 あらすじ子供の頃ホモの憲兵リーノに、蝶々夫人の着物があるとか誘われて、 あげくに性的ないたずらされて、逆襲して殺してしまった男、クレリチ。 成人して、盲目の友人のイタロの口利きで、ファシスト党に入ります。 党の指令は、クレリチの学生時代の恩師、哲学の教授がパリで反ファシス

          「暗殺の森(体制順応者)」あらすじ解説【ベルトリッチ】

          「8½(はっかにぶんのいち)」あらすじ解説【フェリーニ】

          イタリア映画です。イタリア人といえばスチャラカキャラが相場ですし、本作は特にスチャラカな意味不明映画として有名です。しかし細かく解析してみると、明快な意味と厳密な構成を持った作品でした。 逆に言えば、明快な意味と厳密な構成を持っていながら、実際観るとスチャラカな意味不明映画なのです。ついてゆけません。 あらすじVer.1映画監督グイドは映画の製作に行き詰まり、人々の冷たい視線に耐えきれずに、ロケット人間になって空中に飛び立つ夢を見ます。 その後色々あって、映画製作は中止し

          「8½(はっかにぶんのいち)」あらすじ解説【フェリーニ】

          「インセプション」あらすじ解説【クリストファー・ノーラン】

          ツァラトゥストラに宣告されたとき、あなたは本当に死んでしまったのでしょう、多分、永遠に。でも私はあなたのことが忘れられず、あなたとの日々を思い出しながら生きてゆくのです、多分、永遠に。私が心から愛した、天地創造の神よ。 あらすじ相手の夢の中に入り込んで心の中の秘密情報を探る睡眠系産業スパイ、コブ。 潜り込んだ夢の中に、死んだ自分の妻が出現してきては邪魔をします。仕事になりません。悩ましいです。 でもコブの腕を見込んだ日本人企業経営者が近づいてきて、魅力的な提案をしてくれ

          「インセプション」あらすじ解説【クリストファー・ノーラン】

          キリスト教的作品リンク

          今日の世界は西洋文明が中心にあります。西洋文明はキリスト教とギリシャ文化の融合したものです。 ギリシャ文化は多神教ですから、我々にもさほど理解が難しくない。問題はキリスト教です。西洋人はキリスト教を説明できず、日本人はキリスト教を理解しにくい。 西洋文明の中の人は、なにしろずっと世界覇権の中に居るわけですから、自分たちが世界の中心に居るわけで、周辺民族の気持ちになることなんてできやしません。だからキリスト教を端的に説明できません。それで自分が濃いクリスチャンだと気づかずに

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          「ミッション: 8ミニッツ(Source Code)」解説【ダンカン・ジョーンズ】

          監督はダンカン・ジョーンズ(1971生まれ)。デビット・ボイウの息子というほうがわかりやすいですね。寡作ですが、大変優れた映像作家です。 あらすじ場所はシカゴ。主人公はアメリカ人。といってもアフガンに派兵されて瀕死の重傷を負い、上半身だけの存在です。栄養チューブをつながれてギリギリ生きています。 ところがギリギリ生きているだけのように見えながら、夢を見ます。列車に乗っている夢です。女性と楽しくお話しています。 しかし8分間の夢の終わりには列車が爆破されて、目が覚めます。

          「ミッション: 8ミニッツ(Source Code)」解説【ダンカン・ジョーンズ】

          「シャッター アイランド」あらすじ解説【マーティン・スコセッシ】

          例えばですが、あなたの周りのひとたちが、財政破綻論を信じてまして、信じないのはあなただけ、周りは必死に説得しますが、あなたは絶対認めない。あなたはだんだん嫌われはじめて、モンスター扱いされだしました。 その時あなたはどうしますか?人間関係重視しますか?自分の信念重視しますか? あらすじ患者脱走の報告受けて、犯罪者専用の精神病院の島に渡った連邦保安官デカプリオ(エドワード・ダニエルスという役の名前がありますが、面倒なのでデカプリオで統一します)。 なにやらあやしい病院でし

          「シャッター アイランド」あらすじ解説【マーティン・スコセッシ】

          「戦場にかける橋」あらすじ解説【デビット・リーン】

          1957年の作品です。ナショナリズムとグローバリズムについての先駆的な考察を進めている作品です。 あらすじ硬骨漢ニコルソン大佐 ニコルソン大佐はイギリス軍人。男です。 日本軍の捕虜になります。将校も労働しろと言われます。ジュネーブ条約をたてに拒絶します。殴られます。でも屈しません。 怒った日本人軍人にプレハブに閉じ込められます。 死ぬほど暑いです。「オーブン」と言われているくらいです。干物みたいになっちゃいます。 でも屈しません。自分たちの文明の価値を信じているか

          「戦場にかける橋」あらすじ解説【デビット・リーン】

          アラブ関連映画

          アラビアのロレンス(1962)https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00S0ZR2T4/ref=atv_dp_share_cu_r 主役はイギリス人です。第一次世界大戦中、イギリスはドイツと戦っていました。敵が手ごわいです。ドイツはオスマントルコと同盟組んでいました。トルコをぐらつかせることが出来れば、イギリスは楽になります。そこで希望に燃える文学青年ロレンスをアラブに派遣、なんとかトルコ支配下にあるアラブに反政府運動させよう

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          「リヤ王」解説【シェイクスピア】

          シェイクスピアはこれで7本目です。十分飽きています。でもやります。 あらすじ娘を三人持っているイギリスの王様リヤ。領土を均等分割しようとします。 しかし最愛の三女がなんだか反抗的な言い方をしたので、怒って三女相続分は没収、上の娘二人に均分相続します。短絡的な老人です。 ところが上の娘二人は性根が悪く、父をいじめて追い出します。 絶望して荒野をさまようリヤ。気がふれてしまいます。 フランスに嫁に行った三女が救い出そうとしますが、あえなく失敗。最愛の三女は死にます。ショ

          「リヤ王」解説【シェイクスピア】