箸の持ち方としては上下とも正しい。ところが、下の持ち方は概して上の方より器用である。これは薬指の集注度合と関係しているのだけれども、それがたしかであると薬指は伸びるのだ。だから、利き腕の差も薬指の伸び縮みに現れ、左右両方とも長く薬指を日常で使えたならば、それだけで一流と視てよい。
〈水槽の硝子にいつか蜷つきし くにを〉 最初はじんと來る肩凝りだつた と思ふ が、次第に 刺すやうな 痛みが 頸の左側、そして左肩を覆ひ 終ひには 痛みは、左上膊部に 及んだ -おい、貧乏神、 左腕一本 くれたるぞ 利き腕 なるぞ! おまへの自由に 悪事させよ 己の… ©都築郷士