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【腕切り落とすけんね】
今回は、ある人に究極の例え話しをされたときの話しをします。
皆さんはいつもお箸は利き腕でつかっていますか?
皆さんはいつも字は利き腕で書いていますか?
皆さんはボールを投げるときは利き腕で投げますか?
皆さんはボールを蹴るとき利き脚で蹴りますか?
上記の質問をされたらほとんどの方が《Yes》と答えると思います。
寮生の頃、とある指導者が夜中2時頃に私の部屋に来て『おい、今から練習するぞー』と言われ練習をするということが多々ありました。
寮の三階にはティーバッティングをするスペースがあり、そこに呼び出されるわけです。
自主練習は球場でもやって帰ってきますし、寮でご飯を食べたあとも素振りは必ずやってから寝ていました。
ですので夜中2時に起こされ練習するのは、当然やらされる練習です…
眠い目をこすりながら必死にバットを振ります!
いつ終わるのかわからない練習をやらされるがままにやります、手を抜いたらバレます、てかめちゃくちゃキレられます。
気がついたら夜中5時くらいになっていることもあり、当時私は《夜中2時の恐怖のドアノック》と呼んでいました。
※そのとある方は二軍のコーチではないため時間のスケジュールが当時二軍だった私と逆でナイターの時間に間に合えばいいので朝5時に寝ても6時間寝れるんです…私は7時起きです…
そんな日々を過ごしていましたがある日、寮でそのとある方と食事をしている時にふと質問されました。
『おまえ、明日からお箸を左手で使いなさい(私は右が利き腕)と言わたら、利き腕と同じくらいに使えるようにするにはどうやって使えるようにする?』と聞かれ
私は『左手で右手の倍以上練習します』と答えました。
するととある指導者に
『俺だったら右腕切り落とすけんね』
と言われました。
『えっ?はっ?究極すぎる…』
でも目がマジなんです!!
その方はプロ野球に入ってから両打ちにされた方で、飲み屋にバットを持って行って飲みながら素振りをしていたという伝説があるくらい練習の虫だったそうです。
今までやっていなかったことを始めるとき、できないことをできるようにするには【利き腕を切り落とす】くらいの気持ちで新しいものに打ち込まないといけないということを言いたかったのだと思います。
その方は言葉足らずで目がマジなので当時は頭おかしいんじゃないかと正直思いましたが、現役をやめて思い返すと究極の表現ではあるが、人間は慣れというものが必ずあって慣れざるえない状況になったときに、できなかったことができるようになるんだなぁと今思います。
私は勉強が苦手で避けてきた過去でしたが、現在勉強せざるえない状況になったときに、苦手だった勉強を知識に変えられる楽しさを見つけました。
この慣れるまでの過程を想像すると不安や厳しさだけが襲ってきますが、自ら慣れざるえない状況に身をおくことも大事なことなのかなぁと思う次第でございます。
現役中の理不尽なことも今はプラスに変えられる。
現役中にはなかなか気づけないこともいっぱいあるけど人生で考えるとプラスになることがいっぱいあるんだと思いながら現役生活を頑張ってほしいです。