宮島ひでき

まだまだ人生修行中。探すは旨い昼酒の飲める方法。 文章を書くのとカレーと餃子は大好きです。 合気道六段、産業カウンセラー。 木曜、日曜にエッセイ投稿いたします。

宮島ひでき

まだまだ人生修行中。探すは旨い昼酒の飲める方法。 文章を書くのとカレーと餃子は大好きです。 合気道六段、産業カウンセラー。 木曜、日曜にエッセイ投稿いたします。

マガジン

  • 日々口にするもの食べるもののはなし

    毎日口にする食べ物、料理、それらで思い出すことについて文章を綴りました

  • 飲み屋に恋する男のはなし

    酒抜きで語れぬ私の人生、そのほんの一部をお聞きください、、

  • 文房具エッセイ

    ともに歩んできた文房具への私の思いです。

  • 合気道のはなし

    40年続けてきた合気道のこと、思うこと、考えること 合気道を理解いただくお役にも立つと思います

  • 日々考えることのはなし

    毎日考える何か、何かが引き金になり考える何かを綴ってみました

最近の記事

豊橋の駅前の路地裏で

急な兄の受診で愛知県田原市まで行ってきた。都合の付く気楽な仕事をしているから、私は吹く風で右へ左へ舞っていく枯葉のようにいつでも言うなりに動ける身である。しかしながら、世の多くの、身内の長い看病や介護をしている皆さんと同様に、ボディーブローを平気な顔をして受けるボクサーのように心は確実に疲弊している。 親父よ、お袋よ、あんた等なにしてきたんだよと天に向かって石を投げつけたくなる時もある。 とまあ、いつまでも大人になり切れない私は、「ああそうだ」と、遠い昔を思い出し、大阪への

    • 世に必要な悪い酒飲み

      酒好きを公言もし、私の知人、友人たちは私をかなりの酒飲みだと思っている。実際、酒は嫌いじゃないが、大好きというより好きの部類に入ると自身では思う。それでも私の若い頃を知っている人間には朝からでも平気で酒を飲み、とにかく毎日二日酔いで朝から酒くさいヤツだと思われていた節がないこともない。実際若い頃はそんな感じだった。言い訳じゃないが、「酒でも飲まなきゃやってられないよ」って感じの仕事だったし、家族の健康のトラブルもかなりの心的な負担だった。でも、もう若くはない。仕事は変わり、家

      • 文房具マイラブ

        話す相手によってはくだらん話と一蹴されてしまいそうな話をこれからします。 私が関西のある地方都市に縁あって住むようになり、現在で15年ほど経ちます。関西は社会人になった時に希望も出さないのに赴任させられた地です。その後、ずっと北海道、九州に転勤希望を出していましたが、受け入れられることなく私はその会社を辞めてしまいました。それから関西の企業に就職してしまいました。だからずっと関西で生活しています。京都、奈良、大阪市内と居を移し、現在は大阪南部の地方都市にいます。どこに住む時も

        • 時には酒も飲まずに

          「年賀状辞めます」とメールで連絡が来た。この新年は親族のご不幸、その次からからは会社での個人情報の厳格化と、形骸化を理由にやめるということであった。もう10年も前にやめてしまっている私には何も言うことは無かったが、彼が送ってくれる写真の息子が可愛かったので実は楽しみにしていた。酒が好きなのは私と同じ、雰囲気が好きなのであろう。深酒して翌日の打合せも平気でキャンセルするいい加減な男と思っていたが、そんな時期を脱したのかも知れない。40歳前後で結婚し、40過ぎて一級建築士を取った

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        • 日々口にするもの食べるもののはなし
          167本
        • 飲み屋に恋する男のはなし
          44本
        • 文房具エッセイ
          13本
        • 合気道のはなし
          78本
        • 日々考えることのはなし
          513本
        • 母、宮島ハルヱのはなし
          47本

        記事

          日記のような、びぼーろくのような 『2024.11.06 いつもの日常』

          京都西山大原野にある放置竹林整備が目的のNPO法人京都発・竹・流域環境ネット、通称『京都竹ネット』の事務所である。 誰もおらず、静かな時間が流れる。 こんなことはめったに無い。ここに事務所を置いて私には初めての時間だった。理事長はボランティアの皆さんを連れて善峯寺に出かけ、竹伐り衆はいつものごとく竹林整備に汗を流し、事務所をお借りする大家のお母さんと理事長の奥さんは近所の元気のよい年かさのお姉さんと「チョット行ってきますね」と車でどこぞのモーニングタイムに出かけてしまった。な

          日記のような、びぼーろくのような 『2024.11.06 いつもの日常』

          晩秋にふと思い出す

          なんだかまったく秋らしくないが、暦はすでに晩秋に突入している。ずいぶん昔ではあるが、本来の晩秋に一人岡山の山奥に旅に出たことがある。 うろ覚えである。人は憶えていたくない嫌な記憶に無意識のうちに蓋をできるのかも知れない。そんな記憶が今朝、ふと湧き上がったのである。 私が愛知県豊橋市でまだ小学生をやっていた頃のことである。5年生だったように思う。父は気楽に海外への長期赴任、私は母と兄との三人暮らしだった。そんな時に脳に障害のある兄は一図な母の判断のもと、岡山の地方都市の病院

          晩秋にふと思い出す

          さみしき秋の夜

          なにかに言いながらも、関西にも秋は着実にやって来ているようである。 夜遅くに駅から帰る途中、いつもと違う道を歩く。秋の乾いた空気は酔った私を闇に誘っているようである。そんな季節がやって来たのである。 私の手の届かない離れた塀の上から、駐車場の隅っこから、私にそそぐ視線を感じる。彼ら彼女らもこんな季節を嬉しく思うのであろう。 こんな出会いが私は嬉しい。 猫たちの夜遊びの季節もやって来たのである。 そして気がつけば2年前、愛猫ブウニャンを自転車の籠に乗せて病院に通った道にいた。

          さみしき秋の夜

          筆記具のおもいで

          これまでに何度か私の筆記具に対する思いや思い出をここで述べたことがある。私は文房具、そのなかでも筆記具が好きである。数もたくさん持っているが、コレクターというわけではない。どれもを持ち歩いており仕事でも使ってきたものがほとんどなのである。だからどの1本にも思い出がある。関西の多くの駅に営業マンとして建設業界で生きてきた頃の辛かった思い出や嬉しかった思い出があるように、どの筆記具にもそんな思い出があり手に取ると多くの感情が湧き上がってくるのである。 関西もやっと秋らしさを感じ

          筆記具のおもいで

          京都で食べなかったアジフライ定食

          一昨日、酒の席に誘われて久しぶりに夕の京都に向かった。 10月も20日を過ぎたのに大阪はまだ蒸し暑かった。大阪駅から新快速に乗り換えると図らずも空席に恵まれ、不覚にも座った瞬間に眠りに落ちていた。気持ちの悪い脂汗を全身に感じ「ああ、」と目が覚めると、新快速は桂川の鉄橋を渡るところだった。しばらく走ると京都駅の一つ手前の西大路駅がある。駅に差しかかる少し手前に女性下着メーカーの社屋がある。「そう言えば、この近所に来たな」とある女性を思い出していた。 もう40年も前になる。京都

          京都で食べなかったアジフライ定食

          日記のような、びぼーろくのような 『京都西山竹あかり』土地の神社で思ったこと

          『京都西山竹あかり』~幻想夜2024~の第二弾である。 10月19日土曜日、放置竹林の整備を目的に設立された『京都竹ネット』の事務所の所在地である、京都西山大原野に古くからある大歳神社の例大祭に合わせて竹材を用いてのライトアップが行われた。 京都市内の竹林620haのうち2/3が集まるこの大原野地区に養老2年(1306年)から鎮座し、村を見守ってきた大歳神社である。この大歳神社は別名『栢大明神』とも称され、境内には栢の樹が繁茂する。 今では、土地の人間も一部の者しか知らなく

          日記のような、びぼーろくのような 『京都西山竹あかり』土地の神社で思ったこと

          内藤グランス豊からの手紙

          ずっと身のまわりの片づけをしています。 いつ終わるのやら、まだ着地点は見えてこず、少し涼しくなった深夜に一人ゴソゴソやっています。 そんななか、本を詰め込んだ段ボールから山本海苔店の綺麗なデザインの缶が出てきました。昭和の時代、1帖の海苔を半分に折って高級そうな缶に入れて百貨店に贈答品として並ぶことがありました。全形の海苔の半分の大きさが手紙を保管するのにちょうどよく、学生時代にいつも手元に置いていたものでした。 中から出てきたのは懐かしい母の字と、高校時代の同級生の特徴あ

          内藤グランス豊からの手紙

          朝の私の時間

          何年振りだろうか。豊橋の喫茶店でモーニングを食べた。 大阪では止んだ雨が、豊橋ではまだ本降りだった。障害者支援施設にいる兄への月一度の面会、コロナがあってからずっと予約制となっている。以前は兄の部屋に直接行けたのだが、今まだその制限も継続中である。早朝、と言っても私の早朝は丑三つ時、目が覚め完全に覚醒してしまいそのまま知り合いへの手紙、葉書きを書いていた。そして、予定よりだいぶ早く家を出て豊橋行きの一番の新幹線に乗ったのである。 豊橋のホームではもう晩秋を思わせる冷たい雨、

          朝の私の時間

          人の年齢のこと

          「若い頃は....」なんて書き出しをすれば、歳を取った証拠だと思っていたし、今もそう思っている。 私は子どもの頃から童顔と言われ、年齢なりに見られたためしがなかった。愛知県から母の故郷山形県に帰る国鉄乗車のために、小学校に上がった兄は母に無理矢理幼稚園の制服を着させられて乗車賃をごまかした。年子の私は翌年私服でいても車掌の咎めは無かった。 二十歳を過ぎても激しい飲み方に店の人間に窘められたことが何度もある。童顔は弱々しく見えるのか、よく絡まれ喧嘩に巻き込まれることもあった。

          人の年齢のこと

          LL(ロングロング)長屋の日常、人が『生きる』を考える河畔

          LL長屋はループ線上を24時間止まることなく走り続ける回るアパートである。 LL長屋には多くの人が住み、さまざまな生活が営まれている。 人は長く生きていると老化する。そして時々認知症というものを発症する。それがイフにはよく理解できていなかった。人間の身体の仕組みとしてそういう状態に変化していく場合があるとAIのプログラムに書きこまれてはいたものの、しっくりした理解はできていなかった。 イフはアンドロイドである。高齢者の介護を目的に創り出され、このLL長屋を担当する介護担当

          LL(ロングロング)長屋の日常、人が『生きる』を考える河畔

          先週末のこと

          現在持つスマートホンの電話番号は20年以上使っている。 ゼネコンを辞めてしばらくして、営業時代に付き合っていた発注者からの電話があまりにもしつこかったから変えたのである。その発注者が起こしたトラブルで京都地方裁判所の被告席に立たされたことがある。潤沢な資金力をお持ちではあったが、あまりの個性の強さに私もついて行くことができなかったのである。 今の時代、持ち歩く個人の背番号のようなこの携帯電話番号が変わってしまえば、それで多くの人と縁が切れてしまう。それから10年以上経って両

          先週末のこと

          日記のような、びぼーろくのような 『京都西山竹あかり』 ~幻想夜2024~

          朝、阪急京都線洛西口駅に降り立つと大阪の空気とは違っていた。湿り気の多い冷たい空気が私の肺まで入り込んでくる。早朝に降雨があったようだ。アスファルトは黒く落ち着き、いつものような熱い照り返しはない。この先ひと雨毎に秋は深まり、朝の挨拶も「今日も寒いね」と変わっていくのであろう。 NPO法人京都発・竹・流域環境ネットの発足から15年経つ。これまでに京都南部木津川から北部宮津まで、そして現在は西京区大原野で荒廃放置竹林の整備及びその廃棄竹林の有効活用を考え行い、地域の自然環境の

          日記のような、びぼーろくのような 『京都西山竹あかり』 ~幻想夜2024~