今月歌舞伎座、福助が短い間出ていた。歌右衛門襲名直前病に倒れたが、それ以前の生き生きした花のある芝居を思い出す。女方の中心になるべきはずの人だった。しかしまだ時間はある。
昨日は録画しておいた六代目中村歌右衛門の映像を観て、藝能の怖さについて考えさせられた。 歌舞伎だけではないが、なぜ舞台芸術というのは、その人の人生すべてを捧げ、そのためだけに生きる俳優を生み出すのだろう。地獄の釜のふたをひとたび開けてしまったら、もう後戻りはできないのだな。