小方 孝(Takashi Ogata)

博士(工学)。新刊『物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争』新曜社。物語生成、生成AI、…

小方 孝(Takashi Ogata)

博士(工学)。新刊『物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争』新曜社。物語生成、生成AI、歌舞伎、流動小説、ウクライナ戦争と物語戦などを研究・制作。四月より盛岡から大阪に移動中。AIと脳、認知科学、情報のメディア・行動・文化論、生成AI、物語論などを吹田の大学で教えている。

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  • 書評集

    書評を集めました。 取り敢えず、比較的長いのも短いのも、書評と言うより単独の文章に関する論評も、いろいろなものを集めてみます。 多分後で何らかの形でバージョンアップすると思います。

  • 小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト

    小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト

  • 流動小説集

    人間(私自身)と主に自作物語生成システムの共同による流動小説と呼ぶシリーズを、試行錯誤の実験プロセスとして投稿します。一つの方法だけでなく、思い付くままにいろいろな方法を試して行く予定。システム開発も同時並行で進めます。この成果は、論文や本の形で社会還元していきます。

  • 雑文集

    雑文やエッセイを集めました。

  • 流動小説からのマルチメディア表現(に向けて)

    流動小説からのマルチメディア表現(に向けて)

最近の記事

アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』

高見浩(訳) (2009). 『移動祝祭日』. 新潮社(新潮文庫). (原著:Ernest Hemingway (1964). A Movable Feast. Scribner's.) 五十二、三年振りにヘミングウェイを読んだ。 『移動祝祭日』。 面白かった。と言うより、格が違う。 この本は小説ではなく、回想記もしくは自伝であり、1920年代、20歳代のヘミングウェイのパリでの「修行生活」の時期を扱っている。 ノンフィクションであり、記憶に基づく事実の記録であるが、冒

    • 流動小説集1―『無題(9)―全』:人間と物語生成システムによる暗号化小説(その9)

      はじめに(共通の序) 人間(私)と物語生成システムとの共同作業による実験小説の試みを続けて投稿する予定である。そのまとまりを「流動小説集」と呼ぶことにした。 以下は、『無題』と仮に呼ぶものの九回目(第九場と呼ぶ)である。 秘密の「暗号化」によって、元の文章を隠すことを試みたところ、文章の一部がかなり壊れ、文法的におかしな部分も多い。生成AIに直してもらおうとしたが、微妙な所は直してもらえなかった。 しかし文法的に正しいことは小説の必須条件ではないこともあり、この段階での実験と

      • 三島由紀夫の暗殺論―軽い感じのエッセイから―

        今年の三月に20年近く務めた岩手県立大学(ソフトウェア情報学部)を定年で退職し、大阪吹田市の大和大学(情報学部)に移ったが、その際せめて本の背表紙を見えるようにはしたいものだと考えつつ、自宅と大学の蔵書の移動を、3月と8月の二度にわたって行った。 毎日少しずつ段ボール箱を開け、本の整理を行っているが、時々ふっと目に止まるものがある。 東日本大震災以降収集していた10年分以上の商業雑誌を整理していたところ、「KAWADE 夢ムック 文藝別冊 三島由紀夫 <増補改訂版>」(201

        • 小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト—(3)第1章のアイスランド語化

          まえがき 人間(私)と物語生成システム・生成AIとの共同で制作している実験小説(または流動小説)『無題(第一稿)』を、Google翻訳を用いて、可能な限り多くの言語に翻訳することを試みる。 第二回は、第1章のアイスランド語への翻訳を掲載する。(自分では、読めない。) Google翻訳による翻訳語、人手でチェック・修正する、といった作業は、原則として行わない。やりっ放しとする。 今調べたところでは、Google翻訳で日本語から翻訳可能な言語は、250程度である。これらすべ

        アーネスト・ヘミングウェイの『移動祝祭日』

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          63本

        記事

          小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト—(2)第1章のウクライナ語化

          まえがき 人間(私)と物語生成システム・生成AIとの共同で制作している実験小説(または流動小説)『無題(第一稿)』を、Google翻訳を用いて、可能な限り多くの言語に翻訳することを試みる。 第二回は、第1章のウクライナ語への翻訳を掲載する。(自分では、読めない。) Google翻訳による翻訳語、人手でチェック・修正する、といった作業は、原則として行わない。やりっ放しとする。 今調べたところでは、Google翻訳で日本語から翻訳可能な言語は、250程度である。これらすべて

          小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト—(2)第1章のウクライナ語化

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(25)

          (ほぼ)共通の序 流動小説シリーズ『無題』に基づいて、生成AIを利用し、音楽生成と画像生成を行い、そのパイロット版を投稿して来た。 ここではこの試みを少し進め、文章・画像・音楽をミックスした表現の雛形を作成する。と言ってもまだ完成版ではなく、最も原始的なプロトタイプ版である。 質の向上には、プロンプトの技法(「プロンプト・エンジニアリング」)が関わっていることは明らかなので、この試行錯誤を通じて、プロンプト・エンジニアリングに関する知見も獲得・蓄積して行くことが出来

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(25)

          小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト—(1)第1章の英語化

          まえがき 人間(私)と物語生成システム・生成AIとの共同で制作している実験小説(または流動小説)『無題(第一稿)』を、Google翻訳を用いて、可能な限り多くの言語に翻訳することを試みる。 第一回は、第1章の英語への翻訳を掲載する。 Google翻訳による翻訳語、人手でチェック・修正する、といった作業は、原則として行わない。やりっ放しとする。 今調べたところでは、Google翻訳で日本語から翻訳可能な言語は、250程度である。これらすべての言語に翻訳してみようと思う。

          小説『無題(第一稿)』のGoogle翻訳プロジェクト—(1)第1章の英語化

          今間違って見てしまったNHKクローズアップ現代なる番組は酷かった。日ソ戦争時ソ連人による日本人女性への大規模強姦のことが、堕胎を強制した日本の国家犯罪の話にすり替わっていた。そもそもの原因を作った共産国家の大犯罪には何も言えないのか。常にそっち方向にクローズアップしている訳か。

          今間違って見てしまったNHKクローズアップ現代なる番組は酷かった。日ソ戦争時ソ連人による日本人女性への大規模強姦のことが、堕胎を強制した日本の国家犯罪の話にすり替わっていた。そもそもの原因を作った共産国家の大犯罪には何も言えないのか。常にそっち方向にクローズアップしている訳か。

          神戸大学・福島宙輝先生による拙著『物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争』書評―「3,960円で参戦する方法」―の紹介など

          かなり前になるが、去年の9月に新曜社から刊行した拙著『物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争―物語生成のポストナラトロジーの一展開』の書評を、神戸大学の福島宙輝(ふくしまひろき)先生がnoteに書いてくれていたので、紹介する。 私の本の宣伝であると同時に、福島先生自身の文章の面白さ(うまさ)を示すものでもある。 福島先生は、認知科学の専門家である。しかし認知科学と言っても広い。従って、それだけは何かを説明したことには、殆どならない。 もう少し狭めると、私が知っている範囲では

          神戸大学・福島宙輝先生による拙著『物語戦としてのロシア・ウクライナ戦争』書評―「3,960円で参戦する方法」―の紹介など

          小野淳平氏との論文―”Expanding a love and sex narrative generation …”が、Sage傘下IOS PressのJournal of Future Robot Life誌に掲載されています。 https://content.iospress.com/articles/journal-of-future-robot-life/frl230006

          小野淳平氏との論文―”Expanding a love and sex narrative generation …”が、Sage傘下IOS PressのJournal of Future Robot Life誌に掲載されています。 https://content.iospress.com/articles/journal-of-future-robot-life/frl230006

          日ソ戦争から79年目

          長崎に原爆が投下された日すなわち昭和20(1945)年8月9日の未明、つまり原爆投下の直前、スターリンのソ連大軍団が満洲に文字通り怒涛の如く侵攻した。 引き続き、日本でその後「終戦の日」となった8月15日を挟み、北朝鮮、南樺太、さらに千島列島(北千島、中千島だけでなく、択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島)にまで侵攻する。ソ連は9月5日まで戦争を一方的に継続し、南樺太以下の全日本領を占領する。 甚大な犠牲を蒙りながらも、アメリカの全面的支援に支えられて、ヒトラーのドイツを打倒した

          日ソ戦争から79年目

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(24)

          (ほぼ)共通の序 流動小説シリーズ『無題』に基づいて、生成AIを利用し、音楽生成と画像生成を行い、そのパイロット版を投稿して来た。 ここではこの試みを少し進め、文章・画像・音楽をミックスした表現の雛形を作成する。と言ってもまだ完成版ではなく、最も原始的なプロトタイプ版である。 質の向上には、プロンプトの技法(「プロンプト・エンジニアリング」)が関わっていることは明らかなので、この試行錯誤を通じて、プロンプト・エンジニアリングに関する知見も獲得・蓄積して行くことが出来る

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(24)

          流動小説集1―『無題(8)―全』:人間と物語生成システムによる暗号化小説(その8)

          はじめに(共通の序) 人間(私)と物語生成システムとの共同作業による実験小説の試みを続けて投稿する予定である。そのまとまりを「流動小説集」と呼ぶことにした。 以下は、『無題』と仮に呼ぶものの八回目(第八場と呼ぶ)である。 秘密の「暗号化」によって、元の文章を隠すことを試みたところ、文章の一部がかなり壊れ、文法的におかしな部分(特に動詞の活用、それに伴う語尾や接続)とも多い。生成AIに直してもらおうとしたが、微妙な所は直してもらえなかった。 しかし文法的に正しいことは小説の必

          流動小説集1―『無題(8)―全』:人間と物語生成システムによる暗号化小説(その8)

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(23)

          (ほぼ)共通の序 流動小説シリーズ『無題』に基づいて、生成AIを利用し、音楽生成と画像生成を行い、そのパイロット版を投稿して来た。 ここではこの試みを少し進め、文章・画像・音楽をミックスした表現の雛形を作成する。と言ってもまだ完成版ではなく、最も原始的なプロトタイプ版である。 質の向上には、プロンプトの技法(「プロンプト・エンジニアリング」)が関わっていることは明らかなので、この試行錯誤を通じて、プロンプト・エンジニアリングに関する知見も獲得・蓄積して行くことが出

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(23)

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(22)

          (ほぼ)共通の序 流動小説シリーズ『無題』に基づいて、生成AIを利用し、音楽生成と画像生成を行い、そのパイロット版を投稿して来た。 ここではこの試みを少し進め、文章・画像・音楽をミックスした表現の雛形を作成する。と言ってもまだ完成版ではなく、最も原始的なプロトタイプ版である。 質の向上には、プロンプトの技法(「プロンプト・エンジニアリング」)が関わっていることは明らかなので、この試行錯誤を通じて、プロンプト・エンジニアリングに関する知見も獲得・蓄積して行くこ

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(22)

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(21)

          (ほぼ)共通の序 流動小説シリーズ『無題』に基づいて、生成AIを利用し、音楽生成と画像生成を行い、そのパイロット版を投稿して来た。 ここではこの試みを少し進め、文章・画像・音楽をミックスした表現の雛形を作成する。と言ってもまだ完成版ではなく、最も原始的なプロトタイプ版である。 質の向上には、プロンプトの技法(「プロンプト・エンジニアリング」)が関わっていることは明らかなので、この試行錯誤を通じて、プロンプト・エンジニアリングに関する知見も獲得・蓄積して行くことが出

          『無題(5)』によるマルチメディア表現(に向けて)(21)