【障害者採用を成功させる術】②障害者のニーズを理解する
障害者採用が上手くいかない。
その原因のひとつは、障害当事者と障害者の親が何を考え、何を求めているかを理解していないからだ。
この記事は障害当事者として、障害者専門人材紹介会社にて7年勤務したキャリアアドバイザーとして、両方の目線を併せて書いていこう。
障害者当事者が求めること
障害当事者が就職においていちばんに求めることは
「安定」
である。
そう、「正社員」という肩書きだ。
障害者市場の求人の7割以上が非正規雇用である。
雇用形態を「正社員」とするだけで応募率・採用決定率は格段に上がる。
なぜ金でもなく、ステータスでもなく、安定を求めるのか。
いつ悪化するかわからない体調の変化など、障害者は常に不安定な環境に置かれている。
特に精神であれば、一度切られてしまえば次が見つかるか非常に危うい状況に陥るのだ。
「正社員」
障害者にとってその3文字は希望の光である。
キーマンは「親」
障害者採用での意思決定には、親の意見が大きいウェイトを占める。
障害者の場合、物理的・精神的に親からの支援を受けているために親の意見を無視できない場合や、親と共依存関係にある場合が多いからだ。
障害者の親が求めること
では障害者の親が求めていることはなにか。それは、
「ネームバリュー」
である。
なぜか。
障害者の親は自身へ向けられる「障害のある子を持つかわいそうな親」という視線を払拭したい。
ひいては自分をかわいそうな親呼ばわりしている世間へ、一矢報いたいと思っている。
そしてそれが叶う唯一の手段は、その「障害のある子」をネームバリューのある企業へ入社させることである。
障害のない子の親でもネームバリューのある会社に入社させたいと思うだろう。
しかし、障害者の親の思いの強さは別格である。
自身に起因しない理由で虐げられてきた親は、満たされていない。
自己顕示欲、承認欲求を叶える場を常に探している。
そしてそれを、自身が虐げられる原因となった子に押し付けるのである。
採用担当の貴殿へ
「ネームバリュー」は変えられないものとしても、雇用形態は変えることができるだろう。
現在、雇用率が年々上がり、市場では障害者の取り合いになっている。
「障害者は非正規で安く雇って切り出し業務を与える」という時代は終ったのだ。
さいごに
貴社が障害者採用に困っており、なおかつネームバリューがないのであれば、いますぐ正社員採用に切り替えることをおすすめする。
尚、正社員採用への切り替えが難しい場合にはまずは下記を参考に「受け入れ体制の構築」を目指してほしい。
貴社の障害者採用の成功を祈っている。