五濁
【五濁(ごじょく)】
世の中の五つの汚濁、穢れのこと。
・劫濁(こうじょく)
天災・疫病・戦争などが起こること。社会悪。
戦争、疫病、飢饉などの時代的な環境社会の穢れ。
・見濁(けんじょく)
衆生が悪い見解を起こすこと。誤認識。
思想の乱れで、種々の邪悪な思想が流行すること。
・命濁(みょうじょく)
衆生が短命になること。
人間の寿命が短くなることをいい、
最後には寿命は10歳にまで縮まる。
・煩悩濁(ぼんのうじょく)
煩悩によって悪が蔓延すること。
貪りや怒り、世間知らずな迷いなどが蔓延り、
人心が乱れ、悪徳の横行する世相のこと。
・衆生濁(しゅじょうじょく)
衆生の資質や果報が衰えること。
善行意欲が低下し、心に活気がなく、不健康で、
苦労の多い世間となり、同時に人間の質の低下をみる状態のこと。
五濁は、世の中の穢れゆくさまを5つに分類したものであり、
いつでも隣り合わせにある世の中でもある。
偏った思想や煩悩にのまれ、
悪の蔓延るの世の中に変えられるのは、
いつだって私たち人間なのだ。
己を悩ませ、煩わらせるものと向き合うことで
己という人間を、どうか受け入れてほしい。
大昔の私たちが、苦悩を受け入れて立ち上がったように
今を生きる私たちも、愚痴や怒りに心を任せてはいけない。
独りぼっちになってはいけない。
あなたも、私も、
煩悩具足の凡夫であるという真実から
ちっぽけな生き様を煌めかせましょう。
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