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2022年4月の記事一覧

明るい日陰

明るい日陰



久しぶりに花屋さんに行った。

季節の花を3本、小柄な花でお願いすると、手際よく選んでくれた。

買ってきたお花を花瓶に飾るのは、とても楽しい。

花を買う前に外に置かれている花々を見ていると、その一つに、「陽に当たるところ、もしくは明るい日陰で育ててください」という説明があった。

「明るい日陰」という表現を耳にしたことがなかったので、なんだか新鮮だった。

日陰といえば、陽に当たらない場所

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「セラピー的な社会」で生きる、わたしたち。

「セラピー的な社会」で生きる、わたしたち。

小沢健二の『企業的な社会 セラピー的な社会』を読んだ感想を、いくつかの記事に書いてみた。

今日は、自分の生活の中で感じた「セラピー的な社会」について考えてみたい。

オザケンが「セラピー的な社会」について触れている箇所をいくつか挙げながら、考察を述べてみたいと思う。

セラピーは具体的な現実問題に触れない

世の中は、今の仕組みを維持しようと回っている。
それは当たり前と言えばあたりまで、安定し

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カレーライスを、抱きしめて。

カレーライスを、抱きしめて。

明日がじぶんの人生最後の日だとしたら、
いったい何を食べるだろうか?

そもそも、健康なまま、おいしいと感じながら、食べられるのであれば、それだけでいい。

細かいことは横に置いて、お寿司、ラーメン、焼肉と並んで、カレーライスは間違いなく、ランクインする。

ドイツに住んでいた時に、もちろん「ハウスバーモンドカレー」みたいなレトルトカレーは、なかなか手に入らない。

むしろ、「スパイスから作る方が

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意味があることは、簡単な言葉で言っても、意味があるし、面白い。(小沢健二、うさぎを読んで)

意味があることは、簡単な言葉で言っても、意味があるし、面白い。(小沢健二、うさぎを読んで)

続きの話。オザケン、うさぎ。

小沢健二の『企業的な社会、セラピー的な社会』について、続きを書いてみたいと思う。

うさぎは、優しい言葉だけれども、核心をつく問題をいくつも取り上げている。

私たちが考えていることは、本当はどこまで考えているのか。
ウサギを読んでみると、何度も考えさせられる。

新卒で入った会社で、部長さんがマネジメント研究が終わった瞬間に、新入社員に「SWAT分析」とか「ABC

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竹内まりや、「souvenir」はドライブミュージック。(アカペラのリンダを聴きながら)

竹内まりや、「souvenir」はドライブミュージック。(アカペラのリンダを聴きながら)

はじまりは、ひょんなことから

ひょんなことから、車を知人から譲り受けて、ドライブする機会が増えた。

元々は電車派だったので、最初はドライブすることにも抵抗があったんだけれど、今では生活の一部となり、思いの外気に入っている。

ドライブが好きな理由として、音楽をじっくり聴けることがある。
iPodが出た時から、CDは取り込むだけで、音楽をじっくり聞くことが減った。

思えば、両親が運転する車には

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忘れちゃいけない、方程式。(小沢健二『企業的な社会、セラピー的な社会』

忘れちゃいけない、方程式。(小沢健二『企業的な社会、セラピー的な社会』

小沢健二の音楽が好きだ。
「ぼくらが旅に出る理由」を初めて聴いたとき、ポールサイモン の「You can call me Al」まんまじゃないか!と思ったものだけれど。

ただ、歌詞を読んだり、彼の演奏をみていると、パロディなんかではなくて、そんなことよりも深いところで、おざけんの音楽の世界は広がっていること気付かされ、すっかりファンになった。

そんなオザケンは、音楽業界にカムバックするまで、2

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クロスワードとお仕事(人生のヒントを、おばあちゃんの言葉から。)

与えられた問題について、当てはまる回答を埋めていくクロスワード。

おばあちゃんの中で、クロスワードは、ここ5年間のブームで、今も新しい本が出るたびに、買っては取り組んでいる。

そんなおばあちゃんが、クロスワード攻略のコツを語ってくれたのだが、思わず人生にも通ずることがあると思い、書いてみることにする。

仕事をたくさん引き受けた時に、同じ熱量で全ての事をやろうとすると、なかな難しい。

クロス

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とにかく笑えば。「ワッハッハ」と笑っていれば。(90歳をこえた女性に学ぶ。)

「とにかく笑えれば、とにかく笑えれば」
ウルフルズのトータス松本は、そんな言葉を歌った。

今日はおばあちゃんに会いに出掛けた。
スシローでお寿司をたらふく食べて、デザートをつけて、コーヒーなんかも飲んじゃったりして、最近の近況を報告しあった。

おばあちゃんは、大好きなおじいちゃんを亡くしてから、近所の仲良しグループに入って、週に何度かお茶をしたりしている。

そのグループは、4人組で、一番の長

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人に会ってはなすこと。

人に会ってはなすこと。

人に会う機会が少しずつ増えてきた。

コロナのロックダウンが解除された影響もあるのだろう。

タクシーに乗った時に、運転手さんとはなした。

運転手さんの話によると、最近は夜に悪酔いしている人が増えているという。

もしかしたら、みんなストレスが溜まっていて、なんとか気持ちの整理をしているのかも知れない。そんなことも話してくれた。

便利なことで世の中が覆い尽くされそうとしている。

人に会わずに

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イースターエッグ。(他愛のない時間は、いとおしい。)

イースターエッグ。(他愛のない時間は、いとおしい。)

先週の日曜日はイースターだった。
ヨーロッパ出身の友人を訪ねて、卵に色づける作業を一緒にやらせてもらった。

カラフルな卵は、一見すると簡単に色を塗っているだけに見える。けれども、実際はいろいろな色を混ぜてみたり、葉っぱの跡を付けてみたり、シールを貼ってみたりと、結構いろんな工夫をしている。

そして、その卵を彩る作業の間には、たくさんのたわいの無い会話がある。何気ない会話を続けているうちに、イー

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人との出会いは、問題のよう。解いたら、別れることもある。

人との出会いは、問題のよう。解いたら、別れることもある。

友達がお寺のお坊さんから聞いたはなしを教えてくれた。

そのお坊さんは、人間が出会うあらゆる人間関係は、問題のようなものと教えてくれたそう。

どういうことか?

たとえば、目の前に性格が合わない「めちゃくちゃ嫌な人」がいるとする。

あなたは、とても苦しい。
もう嫌になってどうしようもない時がある。

そんな人がいた時に、あなたはどうするだろうか?

その人が嫌で、その場から逃げるのも一つの答え

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足りないことが、気付かせてくれること。(「時間がない」あなたに-欠乏の行動経済学-を読んで。)

足りないことが、気付かせてくれること。(「時間がない」あなたに-欠乏の行動経済学-を読んで。)

本屋さんに行ったら、書棚に興味深いタイトルの本を見つけた。『いつも「時間がない」あなたに』のいう本だった。

ぐるぐると螺旋状に回るジャケットも気に入り、すぐにレジに買いに行った。

この本の中で面白かったのは、「欠乏している状態には、メリットがある」という話だ。

普段からわたしたちは、不足していることを好まない。

満たされないものを満たすために、日々努力や我慢をして生きている。

なので、欠

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じつは、じぶんで勝手に疲れ果てることはよくある(『あやうく一生懸命生きるところだった』を読んで。)

じつは、じぶんで勝手に疲れ果てることはよくある(『あやうく一生懸命生きるところだった』を読んで。)

あと 10 分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、 10 分たっても頂上は現れなかった。 もう少しだよ、本当にここからあと 10 分だから……。その言葉にダマされながら、 40 年も山を登り続けてきた。もう、どうにかなっちゃいそう! ここまで登ってきたついでに、もう少し登ってみることもできる。必死に登り続ければ、何か見えてくるかもしれない。 でも、もう疲れた。気力も体力も底をついた。

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「忘れられない日」と「忘れてしまった日」 ポール・サイモン、ラストツアー(@Londonハイドパーク、2018年)

「忘れられない日」と「忘れてしまった日」 ポール・サイモン、ラストツアー(@Londonハイドパーク、2018年)

誰にでも、「忘れられない日」がある。
他の誰でもない、自分が一番よくわかっている大切な日がある。

赤毛のチコさんが、「本棚とポール・サイモン 」という記事を読んで、自分にとっての「忘れられない日」を思い出した。

私にとって、それは2018年のポール・サイモンのコンサートだった。
場所はロンドン、ハイドパーク。

青空に太陽、行き交う人の笑顔を見るたびに、たくさんの人がこの日を待っていたことがよ

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