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じつは、じぶんで勝手に疲れ果てることはよくある(『あやうく一生懸命生きるところだった』を読んで。)

あと 10 分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、 10 分たっても頂上は現れなかった。 もう少しだよ、本当にここからあと 10 分だから……。その言葉にダマされながら、 40 年も山を登り続けてきた。もう、どうにかなっちゃいそう! ここまで登ってきたついでに、もう少し登ってみることもできる。必死に登り続ければ、何か見えてくるかもしれない。 でも、もう疲れた。気力も体力も底をついた。チクショウ、もう限界

Twitterで、何名かの方々が『あやうく一生懸命生きるところだった』という本の紹介をしていた。
韓国作品で、書店でも平積みされていたので、買って読んでみることにした。

「頑張り続ける事が美徳」とされている世の中で、この本は深呼吸することの大切さを教えてくれる。

学校に入ってからというものの、テストではよい成績を取り、よい大学に行き、よい企業に行くという方程式をひたすら追い求めてきた。

けれど、この幸せの方程式を、信じてやまない大人たちが、どうもあんまり幸せそうに見えない矛盾もよく感じていた。

社会人になって、その違和感は確信に変わった。

会社に入ってからは、つまらない仕事をやって年をとり、気づいたら転職もできず、定年まで無事に過ごすことを願う人たちをたくさんみた。

もちろん、そうした人たちにも、家庭があり、そこにいなければならない理由があることは、十分にわかる。

それでも、幸せの方程式を達成したにも関わらず、幸せではないという現実。正直にびっくりした。あれ?こんなところにきたのか?と思った。

あぁ、人に言うことばかりをきいて、自分と話さないとおかしいところに行ってしまうのだと思った。

そんな想いがあり、転職してみた。30歳になる前の転職で、方程式から離れられた事が、本当に嬉しかった。

ずっと同じ会社に勤めることは、自然ではないと思っていたからだ。

ジョージハリスンも、オールシングスマストパス、万物は流転するといっていたし。

いまは、また慌ただしい日々を過ごしているが、どうにも会社という場所は、どこも大きく変わらないのかも知れないと思う。

一生懸命やることは、大切だけれども、一緒懸命やらないで、心と体を休めることも大切。

社会人になりたての頃は、わからなかった大切な方程式が体に染みる。

身体なければ、健康なければ、なんにも意味がなくなってしまう事が、今の自分にはよくわかる。

だから、疲れ果てたひとは、この本を読んでほしい。

疲れ果てるまでやったんだから、つぎは疲れ果てたいと思ってしまうくらい、休んでみてもいいのではないだろうか。

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