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ふつうの人の瞑想 『悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門』
はじめに ひまだったのでブッダについてネットで調べたらけっこうやばかった。まず腕を伸ばしたら膝くらいまであるらしい。ダルシム? あと土踏まずがないらしい。どうやって歩くの。まあここまでは百歩譲っていいとしても、額のほくろ(ほくろじゃないらしいけど)から出るビームで、人々を悟りに導くらしい。もうわからん。仏教って何。
『悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門』は、日
賢者の隠居 大原扁理『なるべく働きたくない人のためのお金の話』
はじめに 夜に考えだしたら眠れなくなることがあるらしい。宇宙の果てとか、死ぬってどんな感じなんだろうかとか。私はけっこう能天気なのですぐ寝ちゃうけど、昼間にいろいろ考えたりする。お金はそのうちのひとつだ。
大原扁理『なるべく働きたくない人のためのお金の話』。著者は25歳から6年間、都内で週休5日の隠居生活を送っていた。この本が書かれた2018年には台湾に移住して隠居をしていたが、20
死ぬことだってかすり傷 『ブッダのことば:スッタニパータ』
以前、箕輪厚介の『死ぬこと以外かすり傷』が流行りましたね。
「死ぬこと以外はかすり傷だから、迷ったりためらったりしないでどんどん行動しろ!!」ということなのでしょうが、この本をみかけるたびに「死ぬこと以外かすり傷なのはわかったけどさ、いろいろ行動した後はけっきょく死ぬよね?」とおもっていました。「死ぬこと以外かすり傷」をいいかえれば「死はとりかえしのつかないこと」であり、その根底には死を恐怖す
アナーキズムのすすめ デヴィッド・グレーバー『資本主義後の世界のために』
「そろそろ資本主義やめたいけど、次どうしたらいいのかわかんないよねー」とおもっている人はけっこう多いのではないか。むしゃくしゃしてとりあえず全部ぶっ壊したくなる人もいるかもしれない。無政府状態ってなんかこわそう。常に何かしら燃えてそう。
『資本主義後の世界のために 新しいアナーキズムの視座』は、人類学者であるデヴィッド・グレーバーの2回にわたるインタビュー+論考+対話集。グレーバーの著作は『
エゴってなんだ。 エックハルト・トール『ニュー・アース』
好きなyoutubeチャンネルで紹介されていたので気になっていたエックハルト・トール『ニュー・アース』を最近読んだのだけれど、これがけっこうおもしろい。
「もっとも有名なスピリチュアル本のうちの一つ」と謡われている本書の主張はシンプルで、「思考と自分を同一化するとエゴが生じて苦しくなるので、意識をいまここに置きなさい」というもの。このことを一冊かけて繰り返し語っているこの本の特徴は、エゴについ