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火星人のエッセイ

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日々のこと。 統合失調症はなかなか気難しいやつだ。たぶん、きっと、多数のひとがわけわからんという駄々をこねています。
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#小説

『みえないクジラ』の舞台①

『みえないクジラ』の舞台①

ぐみょうじっていうかわいい名前の駅があります。
神奈川県横浜市。
地図や画像をみながら、イメージだけで精一杯書いていたのです。
今回、実際に行ってみました!ようやく!

行ってみると、ぐみょうじ商店街のまんなかあたりに、プロムナードがあって、この時期なのでイルミネーションが飾られていました。
ここで和臣くんと遼平くんは、学校帰りに待ち合わせをします。

この道を、こゆびを絡めて歩くのです。
なかな

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5/19文学フリマ東京38 『愛を間違わないように』アンソロジーサンプル

5/19文学フリマ東京38 『愛を間違わないように』アンソロジーサンプル

みなさん、こんにちは。
アンソロジー『愛を間違わないように』主催の常世田美穂です。
文学フリマ東京まであと20日。
ブースが決まりました。
今回はそのご報告と、各作品の冒頭サンプルをご紹介したいと思います。
少しでも気になった方は、スキしてくださるとうれしいです。
イベント後、通販も予定しております。
どうぞよろしくお願いします。

新刊はアンソロジー『愛を間違わないように』
表題のテーマを実力派

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足掻いていた。

足掻いていた。

 書いても書いてもしっくりこない。そんな年が終わろうとしております。いやもう、絶不調だった、今年。わたしには何が書けるのか。模索した年でもありました。

 という反省をして終わろうとしています。ろくに書ききれぬまま。

 今年応募したのは短編二作。どちらも個人主催ということもあって、ひとつは文学賞自体が自然消滅していました。せっかく苦しみながら書いたというのに。まぁ、次の機会があるならばどこかしら

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そういえば代表作

そういえば代表作

だからだめなんだ
2018年3月期ブックショートアワード優秀作。
太宰治のオマージュ作品です。

(どっちでもいいよ)
2020年THE NEW COOL NOTER賞BL部門1位。
今だからいうけど自信あった(笑)

透明なあした
短編映画の原作小説。
脚本も担当させていただきました。
2021年12月初稿。

生みだすちから

生みだすちから

 退院してからのリハビリ生活。精神科にリハビリというのはなんともなぁ、というくらい私は安定しているのだが、週三日、外来を受診して作業療法を受けている。通うことが目的だから涼みにきてよ。というゆるい感じのやつ。人数も少ない。毎日決まってくるのはふたりで、たまに私と若い女の子。五人よりは増えないでくれと願う。

 調子がいいので冬までの原稿は終わり、もう一作にとりかかっている。ほんとうはこちらから進め

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少年を描く(短編小説リンク集)

少年を描く(短編小説リンク集)

気づけばふたりの少年ばかりを書いていたので、作品をまとめてみました。
これをきっかけにわたしの描く世界に興味を持ってもらえたら幸いです。
純文学。短編というより掌、ショートショートくらいの長さです。
ぜひお楽しみください。

【フーシャピンクの中庭】元いじめっこと恋心がわからない少年。

【雪のかげは青い】都会の少年と田舎の少年。

【きっと太陽でいたかった】陽キャと陰キャが仲よくなった。

【と

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○公募に出す小説の講評をしていただきました○

○公募に出す小説の講評をしていただきました○

 3月末に書きあげて、未発表の「ただの、ミジンコ。」
 実はすでに某所に送っているのですが、この時期に連絡がないということは最終には残っていないのでしょう。

 はじめて公募に出したのは確か十七歳。それから書いたり書かなくなったりを繰り返して気づいたらまた書いている。
 片っ端から文学賞に送るようになったのは三十歳から。短編小説では受賞歴はあるものの、新人賞の中編小説は擦りもしないで今まできました

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運命のワンピースはケイトスペード

運命のワンピースはケイトスペード

 芥川賞と直木賞。
 昨日、決まりましたね。芥川賞は予想通りでした。宇佐見りんさん「推し、燃ゆ」。気になっている作家なのですけど、しばらく読めそうにないです。前回の遠野遥さんといい、河出さんから輩出される作家は抉ってきそうなやつらばかりです。おめでとうございます。
 たしか一昨年くらいから、会見をみるようになりました。憧れの賞なので、それまでもニュースでふわっとみていましたが。理想を現実に近づけよ

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赤ちゃんなりに生きてます。

赤ちゃんなりに生きてます。

 わたしの文学。なにも考えずに書くのが好きだった。追究したり執着したりするのが苦手だし、参考文献を集めてみたり物語に必要なことは調べたりするけれど役に立っているのかわからないくらい作品には反映されていない気がするし、いや、きっと土台にはなってくれているから知っておくというのは大事ではあるが、とにかくわたしは昔から学校が好きではなかったし勉強もきらい集中力もそれほどない。学とつくとどうしても固っ苦し

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好きな服を着てでかけよう。

 デートの勝負服は、とか、男性から好印象をもたれるには、とか、一緒に歩いて恥ずかしいと思われないかなとか。他人軸になってしまう瞬間、正直、くるしい。待ち合わせのLINE、あ、わたしこのひとに好かれたいんだと気づく。久々に浮かれてみたりして。いつもより毎日が、ちょっと楽しい。けれど。
 なにを着ていこうかな。やっぱり最初は浮かないように、清楚に清潔に、白のタートルニットかな。それにレースのタイトスカ

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友達ができました。

友達ができました。

 てくてくおさんぽ。
 わたくし習慣。
 近所の神社までてくてく歩く。

 通り道のボロ屋には猫ちゃんファミリー。最近みかけない。たまに田んぼのまんなかを歩いているから、それぞれおさんぽしているのかもしれない。白と黒の、ぶち、ってやつかな。五匹くらいのファミリー、みんな似てる。

 昨日、神社の隅には白猫がいた。この子も見覚えがある。すぐ近くの民家にいた子だ。畑仕事をしていたおじいちゃんの傍ら、ひ

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青いいのちの詩(折原みと著)

青いいのちの詩(折原みと著)

世界でいちばん遠い島。
東京から約千キロ。
小麦色の肌の女の子。
小笠原諸島。
父島。
母島。

実は、ひとに紹介したい本を思い浮かべたとき、「青いいのちの詩」というタイトルを思い出せなかった。
幼い頃、確かに感動して記憶に残っているのに、それは散り散りになって埋もれているのだ。本来あるべき場所の本棚に、ちゃんと片付けられないように。すぐ読むだろうからと枕元やテーブルに置きっ放しにして、どんどん積

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ダス・ゲマイネ(太宰治)

ダス・ゲマイネ(太宰治)

いちばん好きな本、をあげるならば、迷わずこれを選ぶ。太宰治の作品のなかで特に有名というわけでもないだろう。印象に残っている強烈なシーンがあるわけでもない。だから私はこの短編と何度もはじめましてをする。

恋をしたのだ。からはじまり、人は誰でもみんな死ぬさ。でおわる。

ちがった。改めて読み返したら冒頭には主人公の状況がくっついている。記憶ちがい。だけど私はこれからも、恋をしたのだ。からはじまり、人

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歯医者さんがやさしいところ

歯医者さんがやさしいところ

「歯医者さんがやさしいところ」というタイトルで、いつか小説を書きたいと思っていた。エッセイでもいいかもしれない。そう思い、おもむろに書きだしている。歯医者さんエピソードを書きためて、いつか書籍化なんかしたらいいなと思う。

大抵のひとが歯医者がきらいだろう。痛いしキーンという音がいやだと決まり文句のようにいう輩ばかりだ。だけど稀に、歯医者さんが好きという変わり者もいる。私のことだ。歯医者さん、と、

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