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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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#戦争

もしトラと田中美知太郎

もしトラと田中美知太郎

「もしトラ」という言葉が、ニュース関連で飛び交っている。うまいこと言ったものだ、とも思うが、もうあの「もしドラ」が流行したのが15年近く前だと知ると、複雑な気持ちになる。あのとき私もドラッカーは読んだ。教会運営についても声を出していることを知り、教会でも参考にしてみたらどうか、と提言してみたことがあるが、全く関心を寄せてもらえなかった。教会には、「イノベーション」という概念が入り込む余地がないよう

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誰が戦争をつくるのか

誰が戦争をつくるのか

国家単位の戦争は、宣戦布告を以て始まるのが基本である。そうでなくても、ともかく時の権力者が決定するために始まる。それは間違いがない。だから、戦争を起こした誰それが悪かった、そこに責任がある、そのように言うことは、嘘ではない。しかし、それがすべてなのだろうか、とも思う。
 
権力に抵抗する運動も大切である。半世紀以上前に大きなうねりとなった学生運動は、当時の若者たちにとくに大きな精神的影響を与えたと

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憲法改正もアリではないのか

憲法改正もアリではないのか

憲法九条を守れという声は、キリスト教界の中でも大きい。戦争放棄と平和主義を示す九条は、世界的に見ても価値ある理念のように考えられるということだろうか。少なくとも潜在的には、多くのクリスチャンがそれに賛同するように見える。もちろん、様々な考え方があるし、政治家やその近辺には、必ずしもそうでない人も多々いるだろうが、強い九条信奉の姿勢を示すグループもある。
 
憲法九条を守れ。その理想観も目的も理解で

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誰のために生きるのか

誰のために生きるのか

『ほんとはこわい「やさしさ社会」』(ちくまプリマー新書・森 真一) を読んでいた。この新書シリーズは、「岩波ジュニア新書」に近いコンセプトをもっている。ティーンズが読みやすいように配慮されている。が、もちろんアダルトが読んでも構うまい。一貫した姿勢で述べ、幾度も繰り返される口調で、誤解なく著者の主張は伝わるものと思われるし、それは大人にとっても分かりやすさという点で同じである。
 
もちろん、こう

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平和教育の意義と危惧

平和教育の意義と危惧

関東大震災から100年ということで、少し話題になっていた。日赤の意識調査で「防災の日」の由来について知らなかった人が半分いた、というニュースが目を惹いた。驚くべきことではないかもしれない。だが、30代で3人に2人が知らないというのは、少しばかりショックだった。親が子に伝えられないという情況を表していると思われるからだ。
 
さらに、朝鮮人の虐殺については、フェイクだと言い張る者が一定数いることを思

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命の福音

命の福音

ある有名なタレント(?)が、先般急逝した。恐らく自ら命を絶ったものと見られている。こうした報道を垂れ流すことは、あまりよいことではない。また、その人となりをよく知っているとも言えない者が、とやかくその人のことを言うことは、さらによくない。それで、その人自身のことではなく、周辺のことを少し考えてみようと思う。それでも、関係する方々は傷つくかもしれない。だから私の呟きを正当化するつもりはないが、遅れば

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コスモスと特攻隊

コスモスと特攻隊

休日を利用して、キリンビール福岡工場のコスモス園へ出かけた。3年ぶりの開催ということで、平日にも拘わらず、人々で賑わっていた。花園での飲食を禁ずるとしておけば、そう人と接触するわけでもない。広々とした花畑に、しばし夢の国にいるような気持ちを懐くことができた。
 
すぐ傍に、大刀洗平和記念館がある。もともと個人が始めたものを、いまは町立という形で、大きな設備のものにした。ちょうど小学生たちが、社会科

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歴史と現実の背後に神が在す

歴史と現実の背後に神が在す

もし、逆らえない権力者がいたとする。その要請に応じて兵として召集され、戦争で命が消費されていくのだとしたら、現代人は堪えられないかもしれない。教育がかなり行き渡っていることが、その背景にあることは間違いないだろう。為政者は、時に教育を厭うものだった。思考する人間が多くなると、容易には操れなくなるからだ。知恵がまわる者が、簡単に多くの人間を操ることができた時代、ひとは権力者の道具でありただの機械のよ

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本質が露呈し始めているために時代は急に変わる虞がある

本質が露呈し始めているために時代は急に変わる虞がある

日に日に情況が変わる。感染症と医療の現場、また経済的目論見。大切にしなければならないものが、たくさんある。それらをどう成立させていくか、そこに政治的手腕が発揮されようが、民主社会であるならば、一人ひとりがそれを担っているはずである。都合の好い時だけ、政治が悪い、と言い放ち、自分が正しいというテリトリーを守ろうとすることが、知識人の中にも蔓延している。これではむしろ、ただのガス抜きを演じているだけと

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戦争犯罪

戦争犯罪

「戦争犯罪」という言葉が、どうにも馴染まない。私の心に入ってこない。
 
言おうとしていることが、理解できないわけではない。「戦争」にも何らかのルールがあるのであって、ルールを犯すときに「犯罪」という言葉が使われるのだろう。だが、そのとき「戦争」というものは「犯罪」とはまずは関係がないというような捉え方を示しているわけで、互いに殺し合うことには「犯罪性」がないということでよいのか、という引っかかり

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正義と芸術

正義と芸術

ロシア軍によるウクライナへの侵攻は深刻だ。傍らから眺めるようで申し訳ないが、ここからは祈るしかない。
 
だが、それに関して、「私たち」にとり、意識すべきことがある。それは、ひとつの意見や考えだけが正義のように見えてくるという危険である。緊迫した事態は、白か黒かの選択を自らしがちであり、また、他人にもそれを強いることになる。反対意見を言えない情況をつくりだす可能性が高い。いわゆる同調圧力と呼ぶべき

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流されないために聖書を

流されないために聖書を

流されたくない。自分の道を進みたい。若者でなくても、そんな願いを懐くことがあるだろう。いやいや、世の流れに乗ることこそ人生だよ、と嘯く大人もいることだろうが、そうでないタイプの人に聖書をお薦めする、という主旨の拙文である。
 
まず言いたいことは、いま止まっているようなことでも、一度何かが動き始めたら、大多数が一気にそちらに流れていくだろう、ということ。人々の考えが、Aという意見がいま強いとする。

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「ユニクロを買いません」

「ユニクロを買いません」

そう口にする人が現れ始めた。ユニクロから買わなくても、ほかでも服はふんだんに買えるのだから、それはそれで構わないことなのだが、どうやら背景があるらしい。
 
どうやら、ユニクロが中国で人をこき使って不当に働かせて製造しているというような声が聞こえたせいであると理解して差し支えないだろうと思う。
 
政治の裏の裏などは私には分からない。その噂の真偽や、是非について話したいのではない。どうして「ユニク

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エスカレータを塞ぎ立つとき

エスカレータを塞ぎ立つとき

大阪万博の前あたりから、阪急電鉄が、エスカレータの左側を空けて立つようにアナウンスを始めたという。急ぐ人が歩いて追い抜くことができるように、という意味だ。これが半世紀後、危険だということでついに全国の電鉄会社がすっかり否定するに至った。福岡は東京と同様、右側を空ける習慣だったが、これも各会社が歩かないように呼びかけるようになった。
 
私もかつては歩いていたから、急ぐ人の気持ちは分かる。だが信仰を

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