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一緒に考えよう。脳と意識のこと。
何かが起こるのを特別に待っていると、その時間を長く感じる。
空腹時、カップラーメンの3分は3分じゃないだとか。「指折り数えて待つ」という言いまわしだとか。そんな感じだ。
子どもの頃、オーストラリアに住む親戚の家に、しばらく滞在していたことがある。動物が大好きな私は、何日も荷づくりを繰り返すという奇行に出た。待ちきれずにとった謎行動は、私に、出発日をよけい遠く感じさせていたに違いない。
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私たちの脳は、どのようにして時間の経過を感じるのか。
時間感覚に関連する脳構造を特定するために行われた、fMRIを使用した実験によると。
時間の判断に関わる脳領域は、補足運動野と島皮質の2つしか、特定されなかった。
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補足運動野:一次運動野(脳幹や脊髄へ運動司令を出す拠点)とは異なる役割を果たす。複数の運動を特定の順序で実行する・両手を協調的に動作させるなど。
島皮質:収束した情報を処理することで、感覚的体験から情動的文脈を生み出すのを助ける。喜怒哀楽・不快感・恐怖心などの基礎的感情に関係する。
時間の経過を把握するのに役立つ、外部信号。その最も顕著な例は、時計である。
時計のような信頼できる手がかりがない場合、特に島皮質が、時間の知覚に関与することがわかった。
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島皮質を損傷した人は、不規則な数字で埋め尽くされた時間間隔や持続時間を正確に再現することができなくなるそうだ。
デカルトは、意識は物理的なものではないと結論づけた。私たちの意識は、客観的な物理的事実ではないと。
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しかし。意識は物理的な影響を生み出す。欲望なしに手は出ないし、弾丸は勝手に飛び出さない。
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知覚意識で実際に存在するのは、センス・データーやクオリアと呼ばれるものではないと、一般的には思われている。知覚では、主体のまわりに存在するもの/起こること = 物体/出来事しかとらえられないと、基本的には考えられている。
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しかし。この間まであった建物がなくなっているーーこのように不在や欠如に気づくという経験は、予測や想像といった、知覚以外の認知能力を介して成立するように思える。
以下、過去Noteより。
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ある哲学者は言った。
「人類がそれを理解できる可能性は、チンパンジーが量子力学を理解できる可能性よりも低い」
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科学者や哲学者は、脳がどのようにして意識体験を生み出すのか、長い間考えてきた。
意識というあまりに主観的な現象に、科学の客観的な手段が果たして対応できるのかどうか、疑問視する声もある。
私たち1人1人は、知覚や感情や思考をもつという点で、自分が意識的であることを知っている。だが、それを他の誰にも証明することはできない。
アクセスできるのは己だけ。そういう意味では、我々は皆「孤独」なのだ。
この場合、loneliness や solitude よりも、isolation をイメージしてほしい。ネガティブな意味あいとは限らないし、望むと望まざるにかかわらずそうであるため。
外国人の教授が、かつて、私のことをこう表現した。正しくは「異国の人」なのは私の方だったし、それを聞いたのは私の学友だったのだが。
彼女は、心の中に自分だけの家を建てていて、そこに住んでいる。君も私も、その家に招待されることはないだろう。彼女のあれは、均一の拒絶であって個別の嫌悪ではない。気にするな。
このナラティブは、私のリリシズムと、見事に合致していた。
私は、この時のことを何度かNoteに書いている。自分をできるだけ第三者的にみて、私は、この出来事を引きずっている。憐れな続きがあり。この人になら相談できるかもと距離をつめようとして、さらりと拒絶されたのだ。(なまめかしい話ではない)
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このテーマで科学者がとりくみやすい課題は、神経相関だ。つまり。人が意識的な体験をした時に、脳の活動は、どこでどのように変化するのかだ。
好奇心のためだけの研究にあらず。遷延性植物状態や一部の精神疾患など。意識の障害の診断や治療にも役立つだろう。
「意識は複雑であり、それを研究することは、スクランブルされたルービック・キューブを解くようなもの。一面だけを見ると、その構成に混乱してしまうかもしれない。 全ての次元を見ながら、パズルにとりくむ必要がある」
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大域的ニューロン作業空間理論。
ざっくり言うと。グローバル・ワーク・スペースと呼ばれる、脳を横断する長距離結合のネットワークが存在するという説だ。
神経情報は、GWSにアクセスすることで、意識化されると。そして、記憶・知覚・運動出力・注意のための専門的なハブを含む、脳全体に伝達されると。
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「一度、私のぜんぜん知らない料理らしきものが延々と映し出されている、メディア・チャンネルを見かけたことがある。あれは何、と父に訊くと。ああ、あれは2分間憎悪って言うんだ、と父は答えた」
ジョージ・オーウェル『1984』の「Two Minutes Hate」のパロディーだ。
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「『若きウェルテルの悩み』っていうの、これ。この本ってすごいんだよ。何人もの人間を殺したんだ」
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「脳の死が人間の死だっていうのは、けっこう最近生まれた観念なんだよ」
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熟練の瞑想者は、知覚・感情・思考、さらには自我・時間・空間の感覚すらない、純粋な意識状態を達成することができるという。
この状態を「明晰で自覚的な開放性」と表現する仏教僧の脳が、研究された。
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彼の「無内容の意識」は、アルファ波の急激な低下とシータ波の増加に、関連していることがわかった。
脳波(周波数が大きい順)
β(ベータ)波:14~30Hz
α(アルファ)波:8~13Hz
θ(シータ)波:4~7Hz
δ(デルタ)波:4Hz未満
β波:通常時(覚醒状態)や集中時や緊張時に出る。
α波:リラックス時や目を閉じている時に出て、目を開いて精神活動をすると抑制される。
θ波:眠気がある時や深い瞑想状態にある時に出る。
δ波:徐波睡眠時に出る。
瞑想の達人は、(冒頭で解説した)島皮質の後部が、有意に厚いこともわかった。ちなみに、麻薬への渇望にも関係する領域だ。
瞑想とは、本質的に、注意のスキーマを使う練習なのかもしれない。
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私は、前段の実験結果を知った時に、スッキリした派で。
心の目で見るのだとか、抽象的な事柄をさらに抽象的な言葉で解説されても。正直、ずっとピンとこなかった。
こういうシーンに、人生ではじめて合点がいった。
意識は脳の外に存在する?
脳は意識を創造するのではなく、意識をフィルタリングするのかもしれない。フェンウィック博士は、このように語る。
神経科学の一般的なコンセンサスでは。脳が死ぬと、その脳に属していた存在の心と意識は消滅する。要するに、脳がなければ意識も存在しない。
彼は、50年以上の研究を経て、この見解は間違っていると思うに至った。
目は、電磁スペクトルのごく一部だけをフィルターにかけ、解釈している。それでも私たちは、X線や赤外線やマイクロ波の存在を知っている。耳は、狭い範囲の音波だけを感知する。それでも私たちは、人間の耳には感知できない音波が存在することを知っている。
目が見えなくなっても電磁スペクトルは消滅しない。耳が聞こえなくなっても……。というわけだ。
彼によれば、意識もこれと同じで。死んだ脳の中に存在しなくなっただけで、意識は脳とは無関係に存在し続ける。
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この、いわば宇宙意識仮説の妥当性を証明する方法は、今のところ存在しない。
フェンウィック氏の語りで、私にささったのは、こちらの方で。
私たちの意識は、自己と他者という虚偽の二元性を認識するように、私たちをだます。実際は、一元性しかない。
私の一番好きな映画監督、ノーラン監督の思考に似ている。つくづく、自分はこういう考え方が好きなようだ。
なぜか。私を救ってくれるからだよ。
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先ほど個人的なことを書いたのは、ここにつなげるためでもあった。私の「家」に乗りこんできて、私をビンタしてくれる貴重な人たち。
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感情は素晴らしい。
動機づけされたり活性化されたりした欲求や、外的報酬などに関連する、「かたよった認識」の欠如。客観性の正体は、これだとも言える。
ちなみに。進化論的分析は、客観性の能力が、良心や道徳や美的感覚の基礎であることを示唆している。物事の見方が似ている人と人は、他の多くの事柄においても、似ている可能性が高いのだ。
似ているAさんとBさんは、同じ映画に涙するかもしれないが、同じ本をくだらないと判断するかもしれないということだ。
想像して。
森の中で木が倒れた。その時そこには誰もいなかった。木々は音を立てたか。
音波や音響刺激を知覚する感覚器官。刺激を解釈する脳。それらがなければ、そこには、分子振動があるだけだ。
Canopy and sounds of a forest
— Science girl (@gunsnrosesgirl3) May 12, 2024
📹 karanikolov
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鳥の耳は、体の外側にでっぱっていない。風の抵抗を減らすためと、推測されている。
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「ミミ」+「ズク(フクロウの古い呼び方)」。耳のように見えるものは、羽角という飾り羽だ。
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ヘビは耳と鼓膜をもたないが、体内に内耳(脳へと音の情報を伝える器官)はある。体にあたった音は、骨や筋肉を通して、内耳に伝わる。
全身が耳とも言えるわけだ。
ヒトの耳が約60~16000Hzを感じとるのに対し、ヘビは約50Hz~1000Hzを感知する。
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波長の違いによって光線を識別できる感覚が、色覚である。
色が光線にくっついているわけではない。物質にくっついているわけでもない。
識別しているということは、つまり、脳が色をぬっているようなもの。
脳が、愛する人とのきずなをコード化する仕組みを見てみよう。
人間の脳は、空間・時間・つながりの深さという3つの次元にそって、重要な人間関係を記録する。
私たちが離れている時。脳は、いつ・どこで再会が起こりそうかを予測することで、きずなを保とうとする。次元を「今・近い・親密」と錯覚することで、自分をなぐさめる能力もある。
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最初に、時間感覚と脳の話はしておいた。あわせて考えてみて。
脳は、とても大切な人の不在を理解し予測を更新するのに、経験と反復を必要とする。
この喪失は壊滅的で「全てを変えてしまう」と、悲嘆に暮れている脳は、膨大な配線の変更を迫られている真っ最中なのだ。
神経地図を大幅に描き直すこと。これは、多くの人の脳にとって、とても難しい作業である。
以下、過去回から。
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死や不測の事態が、永久に私たちを分離する可能性があることを、意識的に理解しているが。非意識的な脳が関係している限り、離れている時はいつでも、再会することを「知っている」のだ。
具体的には。あなたの脳は、2つの相反する知識ーーあの人がいなくなったという意識的な知識と、あの人が永遠に続くという暗黙的な知識ーーを調和させようと、悪戦苦闘している。
繰り返すが。それは大変困難な脳の作業だ。
ネットにあふれかえっている、万回同じことが語られている、復縁のススメだとか。もう、あんなものを摂取するな。
効かない薬なんか、飲むな。相手を料理するレシピばかり、調べるな。他人に、自分の船の舵をとらせるな。くらいじゃ言葉が弱いかもしれない。あえて言う。【 特定の他人なんか、どうだっていいだろ 】。自分自身と関われ。もてあますなら、生命全体に興味をもて。
こんな形をしているが。(私の書くもの)
これが私の応援スタイル。
I promise. Even if It's very difficult. You can control yourself.