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恋文・ラブレター

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みんなのフォトギャラリーでイラスト・画像をご利用してくださった方の記事。 そして💬コメント欄には、書ききれない熱い想いをここに綴ろうと思います。ラブ❤️レター💌といっても、同性に対…
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#私の作品紹介

詩 | 一粒のH2O

詩 | 一粒のH2O

ビュンビュンと
さきへさきへと
みんながすすんでいく中で
ひとりだけモタモタしてたら
あぶないから
みんなのペースにあわせて
あたしも走りつづけた

みんな息もたえだえで
ホントはてくてくと歩きたいのにね
でも人の流れはとめられない
はげしい流れのまん中にいる人ほど
流れから離脱することはむずかしい

あたしはもう
クタクタに疲れちゃった
だからずっとずっと前から
流れのハシッコにいて
流れのそと

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魂を乗せた嘘八百

魂を乗せた嘘八百

 幼い頃から小説家になることを夢見ていた。私の夢は大きかった。凡庸な一作家ではなく、後生まで語り継がれるような名作を残せるような文豪になることを願っていた。

 我ながら、古今東西の文学を渉猟してきたと思う。キャノンと呼ばれるような作品はすべて網羅したという自負がある。

 もちろん、文豪といえども「うまい下手」はある。しかし、いくら「下手」といっても、「それは文豪の中では」という話であって、下手

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短編 | 一生のお願い

短編 | 一生のお願い

「一生のお願いがあるの」

 いままでにひろ子は何度言ったことだろう?

「一生のお願いがあるの。健さん、私と付き合ってください」

 誰とも付き合わないと決めていたわけではないし、付き合っている女がいたわけでもない。僕はそれほど深く考えることもなく、ひろ子と付き合い始めた。

「一生のお願いがあるの。いっしょに沖縄に旅行に行きたいんだけど」
 ひろ子にそう言われてから1年後、僕とひろ子は一緒に沖

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夜に見た夢

夜に見た夢

何もしたくない夜
たまにはひとりで
いやずっと一人だが
好きなことを
徒然なるままに

タイミング
この流れ
引き寄せる
この流れ
信じてしまえ
思い込んでしまえ
遠くへ
しがない僕を
運んでくれる
この流れ
タイミング

泥まみれに
突き刺したソード
水晶の輝きが
貫いて
心臓の鼓動が高鳴る
過去は泥まみれ
今もそんなに美しくもない
相応しいことだけ
起きていることも
ようやく
受け入れて
だけ

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詩 | 反転の論理

詩 | 反転の論理

つらくって つらくって
悲しくって 悲しくって
すべてのことに No ! って
叫んでいた

けれども
つらい思いをするのも
悲しい思いをするのも
つらい かなしいと叫ぶことにも
疲れきってしまった

いっそのこと 死んでしまおうか?
この世を消すことは簡単なことだ
私が死んでしまえば
なにもかも消える

悲しみも つらさも
イヤなことも イヤな奴も
みんな みんな 私の世界から
消してしまうこ

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現状に満足しない。

現状に満足しない。

 どうも、今年のnote賞受賞者です。

 あっ「(#^ω^)ビキビキ」ってなったそこの貴方、どうか矛を収めてください! 私は狂気だけが取り柄の善良な一般人です!
#なんのはなしですか

授賞式で思ったこと(裏)。 授賞報告記事では書かなかったエピソードです。

 授賞式後に集合写真の撮影がありまして。その際の声かけは「メディア賞の皆さんは最前列にお座りください」だったのです。

 私は顔出

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短編 | 小説家志望ですが...(創作大賞2025に向けて)

短編 | 小説家志望ですが...(創作大賞2025に向けて)

「どんな人でも、この世にひとりしかいない。だから、自分ではどんなに平凡だと思う人生しか歩んでこなかったと思っても、その人にしか書けないことがある」

 どこで聞いた言葉なのか、今となっては思い出せないけど、ときおり思い出す言葉だ。私には私にしか書けないことがある。
 別にこの時代を生きている人でなくてもいい。まだ生まれていない人でもいい。私という人間がこの地上に存在した証を残しておきたいと考えるよ

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有料記事について

有料記事について

 最近「有料記事」が目に付きやすくなった。今までそれほど有料記事か無料記事かということを気にせずに、タイムラインに流れてくる投稿された記事を開いて読んでいた。しかし、タイムラインの仕様が少し変わって、有料記事には「○○ポイント」みたいな表示されるようになったから、目立つだけなのかもしれない。

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短編 | あなたは神様を信じますか?

短編 | あなたは神様を信じますか?

「愛実、そろそろ出掛けますよ」

 日曜日は、いつも母と一緒に過ごしてばかりだった。
 本当は友だちの「今度の日曜日は、メグちゃんと一緒に遊びたいな」という誘いに「うん、喜んで」と言いたかった。

「お母さん、メグはね、日曜日は、お友だちと遊びに行きたいな」

「なに言ってるの?遊ぶのは学校だけでいいでしょ?わがまま言わないで。お母さんの言うことを聞いてね」

 友だちと一緒に遊びたいという私の希

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批評の剣を抜くとき

批評の剣を抜くとき

 久しぶりに新著を上梓しました。
 長年に渡って不毛な論争がつづいた「noteコメント論」に一応の決着をつけました。

 ぜひお読みいただければ、と思っています。
 直筆サイン入りです😊。

 
 要旨はこちらのブログ(↓)にまとめました。

短編小説 | 僕はタモリとして生きる😎

短編小説 | 僕はタモリとして生きる😎

 今、振り返ってみると、僕には尖ったところがあったように思う。幼稚園の頃には、みんなで一緒に「ギンギンギラギラ」なんて歌うことが堪らなく嫌だった。それですぐに幼稚園をやめたから、小学生になるまでは、ほとんどひとりで過ごすことが多かった。

 ホントにイロイロなことがあったなぁ。ある友人と遊んでいるときに、片目が見えなくなるくらいの大怪我を負った。今もほとんど視力がない。けれども、その友人の名前は誰

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詩 | 悲しみの伝達速度

詩 | 悲しみの伝達速度

スパッとナイフで
切られたように
はじめのうちは
わからなかった

しばらくしてから
血が吹き出してきて
はじめて痛みを
感じはじめた

無感覚状態から
激痛へ移行して
やがて鈍痛が
つづくことになった

ずっと鈍い痛みを
抱えていたんだ
もっと早く君を
手放しておくべきだった

会えない日々は
いつしか会わない日々に
変わっていたのに
ズルズル付き合っていた

君からのLINEも電話も
僕からの

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