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#音楽 記事まとめ

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楽曲のレビューやおすすめのミュージシャン、音楽業界の考察など、音楽にまつわる記事をまとめていきます。
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Denzel Curry来日。その音楽に込められたヒップホップ愛を見る

11月21日(木)に来日公演を行うフロリダのラッパー、Denzel Curryについて書きました。 来日公演を行うDenzel Curryのキャリアを振り返るフロリダのラッパー、Denzel Curryが11月21日(木)に来日公演を行う。会場は東京都目黒区の「恵比寿ザ・ガーデン・ホール」。ライブ一週間前の15日には、7月に発表したアルバムのアップデート版「KING OF THE MISCHIEVOUS SOUTH」のリリースが予定されている。世界的に見てもかなり早い段階で

¥100

【雑談】VOCALIFE(but dead)のセットについて

今年9月にnagomix渋谷で開催されたクラブイベント「VOCALIFE(but dead)」に出演しました。普段は「今を生きるボーカロイド」をテーマにしたイベントなのですが、番外編的に開催された今回のテーマは「いつか死ぬボーカロイド」。ノイズあり朗読あり絶叫あり祈りありで、とても面白いイベントでした。私は実質初DJということで不安もあったのですが、おかげさまでなんとかいい感じになったのではないかと思っています。 当日の録音はこちら。映像素材は当日のVJも担当してくださった

ジャズと落語: 100年に渡る長い関係。①

レコードの歴史を私なりに考えてみた。今回はジャズレコードと落語について考えた。レコードは百年以上の歴史をもつ音楽メディアだが、令和になってなぜか復活し、現在、音楽文化の世界で新たに大きな役割を果たそうとしている。落語に関しても落語家が増えているという点で成長を続けているのではないだろうか。私は学者ではないし、レコードや音楽文化を専門に研究しているわけでもない。(そんなことは百も承知、二百も合点という声も聞かれるが)いうなれば、現役のレコード店経営者としての実体験や、少しばかり

interview Esperanza Spalding:ミルトン・ナシメント、仏教、そして、脱植民地主義

エスペランサ・スポルディングが音楽シーンにおける、というか、少なくともアメリカのカルチャーにおいて最高の才能のひとりであることは否定のしようがないだろう。そんなエスペランサがミルトン・ナシメントとの共演作を発表した際に幸運にも取材することができた。以下のRolling Stone Japanの記事でそれを読むことができる。 短い時間だったが、ミルトン・ナシメントとのエピソードだけではなく、ウェイン・ショーターとの関係、アマゾンの先住民の権利を侵害する法律の制定に反対する曲を

¥300

SAMM HENSHAWライブに向けてつらつらと

来週11/6に大阪BIGCATで、11/8には東京ガーデンホールでSAMM HENSHAW来日公演迫る! とある企画でこのツアーに関することを色々調べていたのですが、せっかくなのでこのnoteに簡単な記事としてまとめておきます。ライブに行かれる方の参考に少しでもなりますように、そして全力でライブを楽しめますように! ちなみに東京公演はすでにソールドアウト。依然として大人気のSAMM HENSHAW。 依然として大人気の、というのは、前回の来日が最高の熱気と盛り上がりだった

"LOVE SUPREME Jazz festival 2022" 出演者相関図

\リスナーがつくってみた!/ "LOVE SUPREME Jazz festival 2022" 出演者中心 WONK 周辺相関図 注:本記事はXに投稿してありましたが、Xからのイラスト記事削除に伴いnoteに転載いたしました。情報の更新はしておりません。 企画/構成/情報集め/チェック:a., IWA CHAN, sala (アルファベット順) 似顔絵/デザイン/文章:a. このイラストは、柳樂光隆さんのRobert Glasper『BLACK RADIO III

Little Glee Monster全アルバムレビュー

こんにちは、raqmです。 今日2024年10月29日、Little Glee Monsterはメジャーデビュー10周年を迎えました。その歴史を振り返る意味も込めて、全アルバムレビューを書きたいと思います。 私は6年程前の中学生の頃、Little Glee Monster(リトグリ)と出会いました。自分から音楽を聴くようになったのはこの時が初めてで、リトグリをきっかけに音楽が好きになりました。今では様々な音楽を聴いて音楽批評にも興味を持つ大学生になった訳ですが、リトグリの

ONENESS「Original ONES」全曲解説

東京のヒップホップコレクティヴのONENESSのアルバム「Original ONES」配信解禁のプレスリリース文章を担当しました。各種配信サイトで聴ける・ダウンロードできます。 東京・平和島発のヒップホップコレクティヴのONENESSは10月23日、1stアルバム「Original ONES」の配信を開始した。同作はCDで9月に先行リリースしていたもの。ラップやビート、アートワークなど全てをメンバーだけで完結させた作品だ。 ONENSSSはラッパーのMVTENとstz、7

¥100

「渋谷系」とは何だったのか?|佐々木敦『90年代論』第3回

フリッパーズギターの登場  1987年、当時はまだ10代だった5人の若者がバンドを始めます。名前はロリポック・ソニック、東京都内のライブハウスに出演して少しずつ存在を知られるようになり、カセットで音源をリリースしたのち、バンド名をフリッパーズ・ギターに改名、レコード会社ポリスターと契約し、1989年8月にアルバム『three cheers for our side~海へ行くつもりじゃなかった』でデビューしました。このアルバムは当時の日本のバンド、それも新人の一作目としては極め

【映画】ECMレコード サウンズ&サイレンス/ペーター・グイヤー&ノーベルト・ヴィードマー

タイトル:ECMレコード サウンズ&サイレンス Unterwegs mit Manfred Eicher 2009年 監督:ペーター・グイヤー&ノーベルト・ヴィードマー ECMのバイオグラフィーを辿る映画と思いきや、2009年当時のレコーディング風景を捉えたドキュメンタリーに仕上がっていて、タイトル通りレーベルオーナーであるマンフレード・アイヒャーとの旅を記録したロードムービーの趣きもある。 ECM=マンフレード・アイヒャーというイメージが強いのは、やはり彼が関わる事で他に

来年2月初単独来日決定!ハニャ・ラニ最新作「ノスタルジア」を聴くための音源集

ポーランドの才媛ハニャ・ラニの最新作『ノスタルジア』国内盤がコアポートから発売されました。海外盤はこれまでのソロ名義作品と同じく、UKマンチェスターのGondwana Recordsから。 オラシオはライナーを担当したのですが、2つ感じたことがあります。1つは、ハニャはまだアルバム・デビューしてから9年しか経っていないということ。その短い期間に最先端レーベルの一つであるGondwanaの看板アーティストの一人へと上り詰めてしまったことに驚きを禁じ得ません。 もう1つ。『ノス

北海道・札幌の乙女絵画にインタビュー(と称した友達作り)後編|161倉庫、砂嵐のサイケデリック、遅さ

はじめに「インタビュー」の名目で気になる人と話をすれば友達を増やせる。閉店間際のガストでカルピスとトロピカルアイスティーを混合させたオリジナルドリンクを片手にGoogleドキュメントを編集している最中、天啓のように閃いた名案です。 ライターという立場を使ってアーティストとお近づきになり、半ば職権を濫用して懐に入り込み、親睦を深めながらお互いを確認する。したい。自分だけできてないのはズルい。だからする。これは休日をPCとの睨めっこで消費するだけのライターが寂しさを埋めるため

偏愛音楽。 メロウが好き。

偏愛音楽12回目は最近の「メロウな音楽」を取り上げました。 ところで「メロウ」とは何かご存知でしょうか。言葉の意味としては以下の通りでです。 そのほかにも「まろやかであること」や「熟れること」などの意味もあります。であるからして、一般的に「メロウな音楽」といえば、「穏やかで心地よい、まろやかなで成熟した」音楽という意味ではあります。しかしそれに加えてある種の洗練も「音楽的なメロウ」には必須である様に思います。 僕は根性がないので、音楽を聴くにあたって努力をして対峙するな

John Askew 来日DJ Interview for Trance Family Japan

10月13日(日・祝前日)に新宿歌舞伎町タワーに出来た巨大なクラブスペースZEROTOKYOへトランスシーンの2大巨頭Simon PattersonとJohn Askewが来日!! 前売や最新情報が掲載されている パーティーの詳細はこちらから そのパーティーが行われる直前に来日中のJohn Askewへと独占インタビューを敢行。日本の、そして世界のトランスファミリーの為に彼らのプラットフォームであり、パーティーやレーベルを運営するⅦに因んだ7つの質問に答えてくれた。 J