Manabu Ishigooka

山形ブラジル音楽協会会長。 音楽とアジアの映画について書きます。 音楽はブラジルに限らず、好きな音楽であればなんでも。僕の色が出るセレクトを心がけます。 アジアの映画はできるだけ語り尽くされている名作ではない、ここ10年程度の「好き」な作品を取り上げます。 あ、韓国ドラマもね。

Manabu Ishigooka

山形ブラジル音楽協会会長。 音楽とアジアの映画について書きます。 音楽はブラジルに限らず、好きな音楽であればなんでも。僕の色が出るセレクトを心がけます。 アジアの映画はできるだけ語り尽くされている名作ではない、ここ10年程度の「好き」な作品を取り上げます。 あ、韓国ドラマもね。

マガジン

  • 偏愛音楽。

    さまざまな側面から切り取った僕が偏愛する音楽を毎回10枚紹介します。

  • 私を構成する音楽・映画

    Topsters 2で作成した、「私を構成する」音楽、映画をまとめました。

  • yamabra disk (ディスク・レビュー)

    山形ブラジル音楽協会(山ブラ)のディスク・レビューです。ジャンルに関わらず、僕のお気に入りの音楽を紹介する記事をマガジンにまとめました。

  • 僕の好きなアジア映画

    アジアの映画を観よう。 ここ10年程度の間に見た「僕の好きなアジア映画」の感想文集です。

  • 旅の記憶。

    旅の記憶。 旅をした街、場所などの備忘。

最近の記事

偏愛音楽。 Além do Brasil。

偏愛音楽の16回目はブラジル以外の国のアーティストによるブラジル音楽をセレクトしました。これらは全て最近聴いた音源ではなくて、僕がブラジル音楽を聴き始めた頃によく聴いたものです。 どうしてかというと、ブラジル以外で作られたサンバやボサノヴァは、ブラジル音楽の美味しいところを抽出している部分があって、それが故にむしろブラジル音楽初心者には聴きやすかったのだと思います。ここで紹介したグループなどはメンバーの中にブラジル人がいるケースも多いのですが、リズムの面でちょっと本場のブラ

    • Henning Schmiedt / Orange

      Henning Schmiedt(ヘニング・シュミート)のニュー・アルバムです。何と本作はオレンジにインスパイアされたものなのだそうです。僕にとってはオレンジがそれほどの存在ではないので、ちょっとピンときません。しかし彼にとっては、 なのだそうです。まあそこのところを理解しなくてもこの音楽の清冽な美しさは理解できるものなので、首を捻らずに聴いています。 本作では、ミュートしたアップライト・ピアノとグランド・ピアノの両方が演奏されており、そこにエレクトロニカの要素を加えた1

      • 僕の好きなアジア映画109: スープとイデオロギー

        『スープとイデオロギー』 2021年/日本・韓国/原題:Soup and Ideology/118分 監督:ヤン・ヨンヒ(양영희) 脚本:ヤン・ヨンヒ ナレーション:ヤン・ヨンヒ 2021年の山形国際ドキュメンタリー映画祭がコロナ禍で配信のみになった際に、とても楽しみにしていたこの映画は配信されず、その後見る機会がなかった。現在はアマプラで観られるので、やっと鑑賞することができた。 本作は在日2世であるヤン・ヨンヒ監督のオモニ、大阪で生まれ育った母の姿を長年に渡り捉えた

        • Sílvia Pérez Cruz & Juan Falú / Lentamente

          Sílvia Pérez Cruz(シルビア・ペレス・クルス)とアルゼンチン・フォルクローレを代表する名ギタリストJuan Falú(ファン・ファルー)とのデュオによる作品です。 二人のアーティストの長年にわたる音楽的な交流と、即興的な演奏を通じて実現した作品です。このアルバムには、自身たちの曲のほか、Atahualpa YupanquiやJorge Fandermoleなどアルゼンチンのフォルクローレの曲を中心にして、PixinguinhaやCaetano valosoな

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        • 偏愛音楽。
          16本
        • 私を構成する音楽・映画
          46本
        • yamabra disk (ディスク・レビュー)
          293本
        • 僕の好きなアジア映画
          109本
        • 旅の記憶。
          8本
        • 僕の韓国ドラマ
          16本

        記事

          Ellen Andrea Wang / Closeness II (feat. Rob Luft & Jon Fält)

          Ellen Andrea Wang(エレン・アンドレア・ワング)は、ノルウェーのジャズ・ベーシストでシンガー・ソングライターです。本作は彼女の4作目のアルバムで、Ellen Andrea Wangがbassとvocalを、Rob Luft(ロブ・ラフト) がguitarとbackground vocalを、Jon Fält(ジョン・フェルト)が drum, percussion, background vocalを担当しています。 Sam Wilksのニュー・アルバムもそう

          Ellen Andrea Wang / Closeness II (feat. Rob Luft & Jon Fält)

          Mei Semones / Kabutomushi - EP

          Mei Semones(メイ・シモーネス)を知ったのは、「JOHN ROSEBORO / Johnny」を紹介した時だから1年半ぐらい前のこと。その頃JOHN ROSEBOROと彼女が”Agua de Março"を歌っていて、その時点で彼女を認識したのです。 彼女はミシガン州アナーバー出身のシンガー・ソングライター/ギタリストで母親は日本人。バークリー音楽大学でジャズを中心にギターを学んだという。2022年にニューヨークに移住し、シングルとEPをリリースした後、前述のJO

          Mei Semones / Kabutomushi - EP

          偏愛音楽。 日本のQuiet Music。

          「偏愛音楽。」の14回目は日本のQuiet Musicです。 心を穏やかにしてくれる静謐な音楽は、僕の偏愛する音楽の一つの方向性です。そんなQuietな音楽を今回は日本人アーティストのみからセレクトしました。 さていざそういう視点でディスクを選んでみると、今まで山形で公演をしていただいた日本のアーティストの音楽は、Quiet Musicと呼んでも外れてはいない人たちが、実は多かったのだと改めて気付きます。Quietとカテゴライズされること自体を嫌がる人もいるかもしれません

          偏愛音楽。 日本のQuiet Music。

          Sam Wilkes, Craig Weinrib, and Dylan Day / S.T.

          なんて穏やかで優しいジャズなのだろうか。 本作は、Sam Gendelとの共作でも知られる、LAのジャズ・ベーシストSam Wilkes(サム・ウィルクス)が、ドラムのCraig Weirib(クレイグ・ウェインリブ)、そしてギタリストのDylan Day(ディラン・デイ)とのトリオで、主として南カリフォルニアの屋外で、夕暮れの下でのセッションを収録したものだそうです。 曲は彼らの曲のほか、Bob Dylan、Tom Jobim、そしてTraditionalな曲も。夕暮れ

          Sam Wilkes, Craig Weinrib, and Dylan Day / S.T.

          僕の好きなアジア映画108: 西湖畔(せいこはん)に生きる

          『西湖畔(せいこはん)に生きる』 2023年/中国/原題:草木人间(英:Dwelling by the West Lake) 監督:グー・シャオガン(顧暁剛) 出演:ウー・レイ(呉磊)、ジアン・チンチン(蔣勤勤)、チェン・ジェンビン(陳建斌)、ワン・ジアジア(王佳佳)など 大好きな映画『春江水暖~しゅんこうすいだん』の、グー・シャオガン監督の長編2作目であり、「山水図」の二巻目ということで大いに期待して観た。しかし率直に言えば、好きなところもあるが、好きとは手放しに言えな

          僕の好きなアジア映画108: 西湖畔(せいこはん)に生きる

          弘前に、行ってきました。

          タイミングの悪い大雨で先の9月の帰省予定をキャンセルせざるを得なかったので、この連休に墓参りと施設にいる母の面会のために一泊で弘前へ行ってまいりました。 11月2日用事を済ませて、その後は弘前の街を巡ります。街といっても僕が行くのはほとんどがショップ。僕の旅の楽しみはほとんどがその地のお店を見ることです。単純に物を見ることが好きなのと、その土地の文化のようなものが一番伝わる気がするので。 ○大阪屋 まずは老舗中の老舗和菓子店の「大阪屋」へ。創業寛永7年(1630年)、約

          弘前に、行ってきました。

          韓国ドラマ短評(2024年10月)。

          韓国ドラマ短評、2024年10月分です。この7月から一月ごとにその月に観終わった韓国ドラマを短評をつけて記録します。面白かったものはもちろん、面白く無かったものも含めて全て記録します。僕個人の好みが結構偏っているので参考にならない部分もあるかもしれませんが、ご勘弁を。 10月は豊作でした。新作ではシン・ミナらしいコメディー『損するのは嫌だから』、今最も旬の主演二人の『となりのMr.パーフェクト』、けっさくサスペンス『白雪姫には死を~BLACK OUT』。旧作では静謐なヒュー

          韓国ドラマ短評(2024年10月)。

          Scott Orr / Miracle Body

          Scott Orr(スコット・オー)は、カナダはハミルトンのポップレーベル、「Other Songs」主宰でありシンガー・ソングライターです。シンガー・ソングライターといっても、彼の音楽は極めて独創的であり、本作でも彼ならではの、ちょっと特別な音の世界を構築しています。 彼の作る音の世界には、どこか微睡の中にあるような、あるいは白日夢的な非現実感があります。それはアコースティックな管や弦の響きと、柔らかにリズムを刻むパーカッション、エレクトロニカや、時にはノイズやフィールド

          Scott Orr / Miracle Body

          偏愛音楽。 秋のデュオ。

          「偏愛音楽。」の13回目は僕の偏愛する「デュオ」のアルバムからセレクトしました。 デュオといってもその形態はさまざまです。歌い手と伴奏者、2人とも歌う場合、男女の組み合わせ、親子、夫婦、男性同士、女性同士などなどがあるわけです。ただこれらのデュオに共通するのは、2人であるが故の音楽的な、あるいは関係性の親密度や補完性ではないでしょうか。最近ではMiltonとEsperanzaのデュオも話題になりましたが、今回僕は選んでいませんが。 ここでは国籍やジャンルに関係なく、素晴ら

          偏愛音楽。 秋のデュオ。

          Carlos Aguirre & Almalegría / Melodía que va

          Carlos Aguirre(カルロス・アギーレ)のニュー・アルバムはAlmalegría(Luciana Insfrán、Fabricio Amaya、Sebastián Tozzola、Iván Petrich、Gonzalo Díaz)というユニット(Carlos自身を含む)をフィーチャーしたものです。Sebastian Macchi Trioで山形に来てくれたGonzalo Díazもメンバーですね。 4年前にこんな↓動画があります。 本作を聴くにつけ、とてもCa

          Carlos Aguirre & Almalegría / Melodía que va

          DORA MORELENBAUM / Pique

          もはやJaquesとPaulaの娘さんっていうより、Bale DesejoのDora Morelenbaum(ドラ・モレレンバウム)なのだと思う。コロナ禍がなければ、ゴローさんとJaquesとPaulaの公演にDoraも一緒に山形まで来るなんていう可能性もあったのだが、もう完全に与太話で実現することは残念ながら未来永劫な句なってしまったが。 本作はそのDora Morelenbaumのファースト・フルアルバムである。それが想像以上に良い。とても良い。音楽的にはブラジル音楽、

          DORA MORELENBAUM / Pique

          Catbug / Musjemeesje

          ベルギーのアントワープで活動しているシンガー・ソングライター、CatbugことPaulien Rondoの、前作から3年ぶりのサード・アルバム。あの素晴らしいアルバムから、もう3年も経ったなんてちょっと驚きます。年取ると時の経過がスピードを増すようです。 本作は彼女の農場とその周辺に生息する野鳥を、双眼鏡をプレゼントされたことがきっかけで観察を始めた Catbug が、そこから多くのインスピレーションを受け、新たな楽曲を制作したものだといいます。 一つ一つの曲が静謐で抑え

          Catbug / Musjemeesje