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2024年8月18日 18:00
どこにもあって どこにもない空の雲は鮫みたいだ髪飾りの彩る君がほら足音の響いた通りを夜を越えて 夜を越えて歩いてゆくんだってどこにもあって どこにもない空は果実の星みたいだ浴衣姿でつづく橋はほら鳴り響く拍手の熱がふわり舞って ふわり舞ってはじまってゆくんだって尺玉の夢がこぼれる川は丸く 眼鏡越しに夏の羽根があふれるそれを君は歌にする尺玉の夢が
2024年5月8日 18:30
僕らの最深部のあの夏は欲しがったって手に入らない最初から無いものだって思った方がいっそいいのかと思ったりもしたよよくある話を積み上げたその何気なさを振り返ることしかできないのだと自転車に乗ってどこまでも行けそうさ風に髪を泳がせて、全力で息を吐いたあの人の背はあの時のまま段々自分だけ大きくなって、街と変わって、あれから何年目の夏だっけ すっかり世界は別の物時には恍惚とした日々に笑っ
2024年5月1日 19:30
標識の先の空薄曇りは伸びて青皐月の上を飛ぶ鳥の眺め広い雲模様僕はここから待っている睡蓮の歌を携えて僕はここから待っている睡蓮の歌を携えてヒューヒューと行く心は風にのってヒューヒューと切り抜いた夢に見る雲間に歌を描いたはじまりをそう 船出は近付いている春の水面は弧を描きそう 静かにときめいている花の雫の弧を描きただ 走る皐月よ気付いているだろう 気付いているだろうただ
2024年4月21日 19:30
やがて晴れるウミユリに立ち、二人どこまで行けるだろう映画のような一息はベンチの雪を掻き消した歌を込めるその月のまま頬の海で眠ることも鯱にもなれる記憶を膨らませ雲の作る輪を通り抜け懐かしむのは砂に残る二つの足跡夏を模写する 走りだす 波間に見た宝の島覚えていれば めくる余白に今遡る 砂に見た二進数すべては青の回想を強く遠く指で描いてみた光より走って自分ではない靴
2024年4月11日 19:30
おはよう全部忘れさせてよ昨日とすべて違うんだ今日は見慣れた街のあの景観も移り変わっていくんだよ今はさよなら全部忘れさせてよ昨日をすべて笑うんだ今日はまどろむ星に鳴いた獣の声が聞こえて探すんだ今は明日の私を通り過ぎて明後日の君を見てみたいなんてそういう思い 曲がる迷宮を感覚だけで歩いてみるんだ明日の空の大きさを知る明後日の土に足跡が残るそういう思い 一度きりの場所を感
2024年4月1日 19:30
軋んだ冬のブランコに名前を落としてきたらしいそのまま遠くへ来たもので、心配そうな君隅々まで名前のある世界にもうすぐ春の兆し浮かない顔をする君にも、そのうち春は来るからさ 心配しないで道は延々と柔らかい言葉だけ映すけれど君の中では、そういうことじゃないだろうことを分かっている君の名前を見つけることが宿命なんだと思っている春の兆しを見つけたときは孤独ではないと思ってほしい今、目に
2024年3月26日 19:30
砂の惑星 どこからはじめる憂鬱と投げたルアーで何を見るの 何を知りたいの高層ビルの幻ならば湧き出る風のすみかから砂の惑星 どこからはじめる機械じみた夜の園で何が居るの 心踊りたいのグラフィックのハートならばきらめくログの頂からほらここからは砂上の楼閣陽の光 砂に恋をするそう言ってみて砂上の楼閣永遠すら掌に掴んだようでどこにもない砂にもまるで跡はなく昼間に下りる
2024年3月25日 19:30
遠い汽車は海岸沿い、あなたを乗せて走り出す背中にゆれる葉桜の春を影のように落としてはどこまでも見送ったのは、言いたかったことを言葉よりももっと近付いて伝えたかったからそれは伝わらない、きっと伝わらない、僕のとっくに錆びついた心の蓋をしずかに開けたのは紛れもないあなた、紛れもないあなた車窓にゆられて眠りにつく頃、外は夕凪今此処で、春の空気をようやく感じる、春の空気をようやく感じる
2024年3月24日 19:30
表現が続くのならいつも、いつも続けていきたい電気の奥底に左手で描いていく憂鬱足下、鉛筆で川を流したら何かになれる怪物がきっと、きっと迫ってくるのです晴れの草木にときめく僕は不思議なことで人はいつしか忘れてしまうそう思うと羽根のように空を泳ぎたいフクロウの目のその奥に見つめられる僕はそう思うと表現が続くのならいつも、いつも続けていきたい宵闇を縫うように左手が隠しだす
2024年3月18日 19:30
降り落ちる言葉の雪を待っていればいい日が暮れたら遠い風車の影を追えばいい凍る空 僕はまだ居る凍てつく地から 遥かな人の幻を見る20の夜明けが近づく ときめく鼓動トンネルを抜けるその心の薄曇りが伸びてやがて晴れたら遥かな幻は輪郭を帯びるいつか僕は何よりも僕を行くそこで朝は何よりも朝を描くそうなれば隠れる砂の在り処から「今」を見つけるここで僕は誰よりも僕を知るそして朝は街
2024年3月16日 19:30
何者でもない世界で夜の木を辿り 謎を解き明かす事柄の到達点は 染み渡る森の中 粒子へと何者でもない世界で海に木がゆれる その嵐から想像の到達点は 研ぎ澄ます未知を漕ぎ出したそこで引き返してみても浮かぶ星がより謎めく何でもない風は憂鬱を吹き飛ばすほど知らない世界により帆を立てては眺めるイメージの雷はナニモノ?と走る電灯の街 通り抜けたら凍てつく夜の希望も素直になる心に
2024年3月11日 19:30
日々の先で映像美に咲く花のような理想郷言葉の中で素直になれる灯の夢を日々の先で映像美に飛ぶ鳥のならぶ余白に今、幾重の雲を招くなら光込めて家のアンテナが日時計みたいに回る丸い視界の縁に立って考えているまた雲の夢を見て広がる理想郷花曇りの空から冬の野を越えていけば見える理想郷より近くで考えてみたらなびく髪の夕暮れに素直になれる言葉の色とビルに写る映像美またビルに写る景
2024年3月10日 19:30
春が来る、そのはじまりに笑えるように舞い込む風に思い出す誰かのように教室の匂い 曇る窓の落書きの跡開いたら、そこから続く記憶がある二人は桜いつまでも忘れられないの細かい花びら舞うときにどこかで会える約束をアスファルトを踏めば、ゆめうつつ山脈から一面咲くでしょう春が来る、その砂を掴む掌はためく夜の旗のような心すらも黒板の文字 あの頃の落書きの跡躍るなら、そこから見える未
2024年3月9日 19:00
●夢の中、線のように不確かな海辺で、ルアーを付けた釣り糸を水面に垂らす一握りの憂鬱と釣り上げたいのは、魚ではなく言葉ふいに潮風に似た風が髪を揺らし、風の行き先を目で追えば、遠くに走り書きのような高層ビルの輪郭が見える暮れると夜は無機質じみていて、かつてときめいた記憶の隙間から美しさを思い出せば、グラフィックで飛び出してくる・ ●思い出せば、それ以上は砂上の楼閣砂を握るよう