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#私の作品紹介

【詞】花火

【詞】花火

どこにもあって どこにもない空の雲は鮫みたいだ

髪飾りの彩る君がほら

足音の響いた通りを

夜を越えて 夜を越えて

歩いてゆくんだって

どこにもあって どこにもない空は果実の星みたいだ

浴衣姿でつづく橋はほら

鳴り響く拍手の熱が

ふわり舞って ふわり舞って

はじまってゆくんだって

尺玉の夢がこぼれる

川は丸く 眼鏡越しに

夏の羽根があふれる

それを君は歌にする

尺玉の夢が

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【詞】ラストシーンの向こう側

【詞】ラストシーンの向こう側

僕らの最深部のあの夏は欲しがったって手に入らない
最初から無いものだって思った方がいっそいいのかと思ったりもしたよ
よくある話を積み上げたその何気なさを振り返ることしかできないのだと

自転車に乗ってどこまでも行けそうさ
風に髪を泳がせて、全力で息を吐いたあの人の背はあの時のまま
段々自分だけ大きくなって、街と変わって、

あれから何年目の夏だっけ すっかり世界は別の物
時には恍惚とした日々に笑っ

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【詞】皐月

【詞】皐月

標識の先の空
薄曇りは伸びて青
皐月の上を飛ぶ鳥の眺め
広い雲模様
僕はここから待っている睡蓮の歌を携えて
僕はここから待っている睡蓮の歌を携えて

ヒューヒューと行く
心は風にのってヒューヒューと
切り抜いた夢に見る雲間に
歌を描いたはじまりを
そう 船出は近付いている春の水面は弧を描き
そう 静かにときめいている花の雫の弧を描き

ただ 走る皐月よ
気付いているだろう 気付いているだろう
ただ

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【詞】風のすみか

【詞】風のすみか

やがて晴れるウミユリに立ち、
二人どこまで行けるだろう
映画のような一息は
ベンチの雪を掻き消した
歌を込めるその月のまま
頬の海で眠ることも
鯱にもなれる記憶を膨らませ
雲の作る輪を
通り抜け

懐かしむのは砂に残る二つの足跡
夏を模写する 走りだす 
波間に見た宝の島
覚えていれば めくる余白に今遡る 
砂に見た二進数
すべては青の回想を強く

遠く指で描いてみた
光より走って
自分ではない靴

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【詞】嘘とリアリティ

【詞】嘘とリアリティ

おはよう全部忘れさせてよ
昨日とすべて違うんだ今日は
見慣れた街のあの景観も移り変わっていくんだよ今は

さよなら全部忘れさせてよ
昨日をすべて笑うんだ今日は
まどろむ星に鳴いた獣の声が聞こえて探すんだ今は

明日の私を通り過ぎて
明後日の君を見てみたいなんて
そういう思い 曲がる迷宮を
感覚だけで歩いてみるんだ

明日の空の大きさを知る
明後日の土に足跡が残る
そういう思い 一度きりの場所を

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【詞】春の名前

【詞】春の名前

軋んだ冬のブランコに名前を落としてきたらしい
そのまま遠くへ来たもので、心配そうな君
隅々まで名前のある世界にもうすぐ春の兆し
浮かない顔をする君にも、そのうち
春は来るからさ 心配しないで

道は延々と柔らかい言葉だけ映すけれど
君の中では、そういうことじゃないだろうことを分かっている
君の名前を見つけることが宿命なんだと思っている
春の兆しを見つけたときは孤独ではないと思ってほしい

今、目に

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【詞】砂上の楼閣

【詞】砂上の楼閣

砂の惑星 どこからはじめる
憂鬱と投げたルアーで
何を見るの 何を知りたいの
高層ビルの幻ならば
湧き出る風のすみかから
砂の惑星 どこからはじめる
機械じみた夜の園で
何が居るの 心踊りたいの
グラフィックのハートならば
きらめくログの頂から

ほら

ここからは砂上の楼閣
陽の光 砂に恋をする
そう言ってみて砂上の楼閣
永遠すら掌に
掴んだようでどこにもない
砂にもまるで跡はなく
昼間に下りる

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【詞】ただ、春風。

【詞】ただ、春風。

遠い汽車は海岸沿い、あなたを乗せて走り出す
背中にゆれる葉桜の春を影のように落としては
どこまでも見送ったのは、言いたかったことを
言葉よりももっと近付いて伝えたかったから

それは伝わらない、きっと伝わらない、
僕のとっくに錆びついた心の蓋をしずかに開けたのは
紛れもないあなた、紛れもないあなた
車窓にゆられて眠りにつく頃、外は夕凪

今此処で、春の空気をようやく感じる、春の空気をようやく感じる

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【詞】表現

【詞】表現

表現が続くのなら
いつも、いつも続けていきたい
電気の奥底に
左手で描いていく憂鬱
足下、鉛筆で川を流したら
何かになれる怪物が
きっと、きっと迫ってくるのです

晴れの草木にときめく僕は
不思議なことで人はいつしか忘れてしまう
そう思うと羽根のように空を泳ぎたい
フクロウの目のその奥に見つめられる僕は
そう思うと

表現が続くのなら
いつも、いつも続けていきたい
宵闇を縫うように
左手が隠しだす

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【詞】20の夜明け

【詞】20の夜明け

降り落ちる言葉の雪を待っていればいい
日が暮れたら遠い風車の影を追えばいい
凍る空 僕はまだ居る
凍てつく地から 遥かな人の幻を見る

20の夜明けが近づく ときめく鼓動
トンネルを抜けるその心の
薄曇りが伸びてやがて晴れたら
遥かな幻は輪郭を帯びる

いつか僕は何よりも僕を行く
そこで朝は何よりも朝を描く
そうなれば隠れる砂の在り処から「今」を見つける

ここで僕は誰よりも僕を知る
そして朝は街

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【詞】ナニモノ

【詞】ナニモノ

何者でもない世界で
夜の木を辿り 謎を解き明かす
事柄の到達点は 染み渡る森の中 粒子へと

何者でもない世界で
海に木がゆれる その嵐から
想像の到達点は 研ぎ澄ます未知を漕ぎ出した

そこで引き返してみても
浮かぶ星がより謎めく
何でもない風は憂鬱を吹き飛ばすほど
知らない世界により帆を立てては眺める
イメージの雷はナニモノ?と走る

電灯の街 通り抜けたら
凍てつく夜の希望も
素直になる心に

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【詞】理想郷

【詞】理想郷

日々の先で映像美に咲く
花のような理想郷
言葉の中で素直になれる灯の夢を
日々の先で映像美に飛ぶ
鳥のならぶ余白に
今、幾重の雲を招くなら光込めて

家のアンテナが日時計みたいに回る
丸い視界の縁に立って考えている
また雲の夢を見て広がる理想郷
花曇りの空から冬の野を
越えていけば見える理想郷

より近くで考えてみたら
なびく髪の夕暮れに
素直になれる言葉の色と
ビルに写る映像美
またビルに写る景

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【詞】春の歌

【詞】春の歌

春が来る、そのはじまりに笑えるように
舞い込む風に思い出す誰かのように
教室の匂い 曇る窓の落書きの跡
開いたら、そこから続く記憶がある

二人は桜
いつまでも忘れられないの
細かい花びら舞うときに
どこかで会える約束を
アスファルトを踏めば、ゆめうつつ
山脈から一面咲くでしょう

春が来る、その砂を掴む掌
はためく夜の旗のような心すらも
黒板の文字 あの頃の落書きの跡
躍るなら、そこから見える未

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【ショートショート】夢の中

【ショートショート】夢の中



夢の中、線のように不確かな海辺で、ルアーを付けた釣り糸を水面に垂らす
一握りの憂鬱と釣り上げたいのは、魚ではなく言葉
ふいに潮風に似た風が髪を揺らし、風の行き先を目で追えば、
遠くに走り書きのような高層ビルの輪郭が見える
暮れると夜は無機質じみていて、
かつてときめいた記憶の隙間から
美しさを思い出せば、グラフィックで飛び出してくる

・ ●

思い出せば、それ以上は砂上の楼閣
砂を握るよう

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