【詞】風のすみか
やがて晴れるウミユリに立ち、
二人どこまで行けるだろう
映画のような一息は
ベンチの雪を掻き消した
歌を込めるその月のまま
頬の海で眠ることも
鯱にもなれる記憶を膨らませ
雲の作る輪を
通り抜け
懐かしむのは砂に残る二つの足跡
夏を模写する 走りだす
波間に見た宝の島
覚えていれば めくる余白に今遡る
砂に見た二進数
すべては青の回想を強く
遠く指で描いてみた
光より走って
自分ではない靴を鳴らす
瞼の裏にさざめいて
何にだってなれるでしょう
二人どこまでも行けるでしょう
硝子窓に
消える夢を
追っていける
青色の距離を羽で包み込む
彼方よりも先で
自分ではない話に
耳を傾けては頷いて
何にだってなれるでしょう
二人どこまでも来たのだろう
湧き出る風のすみかから
夜の園へ
詞の新作です、濃い文章になったと思いました
タイトルにもなっている"風のすみか"は、以前に投稿した「砂上の楼閣」という詞の文章から引用し、今回の詞が出来ました
"鯱にもなれる記憶を膨らませ" という文章は、鯱みたいに大きくなるほど膨らむ というイメージです
シャチで思い出すのが、ちいさい頃、親戚の家に大きなシャチのぬいぐるみが置いてあって、好きだった記憶があります
硝子窓に
消える夢を
追っていける
この部分はリズム感がありますね
"二進数" というワードが出てきますが、最近は、インターネットをイメージして詞を作ることがあるので、こうしたワードが出てくることがあります
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