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カサンドラ症候群/自己否定される孤独と悲しみ

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⚠️いまさらカサンドラ症候群の解説をわざわざ書いてるの筆者自身が「正式な医学用語ではない」って知らなくてびっくりしたからです。
普通に心理士さんが使ったりしてたので、そういう正式な診断名だと思い込んでいました。

カサンドラ症候群のルーツ「予言者カサンドラ」の神話とは?

カサンドラはギリシャ神話に登場する予言者で、トロイの王女です。

彼女は神アポロンから予言の能力を与えられましたが、アポロンの求愛を拒んだために「予言が誰にも信じてもらえない」という呪いをかけられました。

その結果、トロイの滅亡を予言しても誰にも信じられず、悲劇を防げませんでした。
 
この物語がカサンドラ症候群のルーツとされています。

カサンドラ症候群は、パートナーに自分の気持ちを伝えても理解されず、孤独や絶望感を感じる状態を表す比喩として、この神話のカサンドラの状況になぞらえています。

カサンドラ症候群は医学用語ではない

カサンドラ症候群とは、主にアスペルガー症候群や自閉スペクトラム症(ASD)のパートナーを持つ人が、深い孤独感や自己否定、抑うつを抱える状態を指す非医学的な用語です。
ただし、医学的診断名ではないため、専門家の間でも認識にばらつきがあります。
※近年はASDに限定せず、「パートナーとの不仲による精神不安」を比喩する用語として使う人が増えています。

具体的には、ASDのパートナーが情緒的な共感を苦手とすることが多い特性が原因で、相手とのコミュニケーションがうまくいかず、次のような状態に陥ることがあります:

  1. 孤独感:
    感情的な交流が乏しいため、話を「理解してもらえない」「支えてもらえない」と感じ、孤独を深める。

  2. 自己否定:
    自分が悪いのではないかと自責の念を抱く。

  3. 抑うつや不安感:
    感情的な支えがないことで、精神的に追い詰められる。

  4. 慢性的な疲労感:
    相手に合わせようと努力しすぎることで、エネルギーを消耗する。

注意点

✅カサンドラ症候群自体は医学的な診断名ではなく、あくまで心理的な状態を説明する概念に過ぎません。

✅問題の根本は、パートナーの特性そのものではなく、互いにとって適切なコミュニケーションの方法が見つからないことが原因の場合が多いです。

もしこういった状況に心当たりがある場合は、専門のカウンセリングや、アスペルガー症候群や自閉スペクトラム症(ASD)に関する理解を深めることが解決の糸口になることがあります。

言葉として普及の歴史

カサンドラ症候群が日本で使われるようになったのは、2000年代後半頃からとされています。当初は、アスペルガー症候群(ASD)のパートナーを持つ人々の苦悩を表現する言葉として、主に書籍やインターネット上で広まりました。

海外で専門家や当事者による著作が注目され日本でも言及が増えた
👇
SNSやネット掲示板、ブログで、急速に広がる
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心理学や福祉分野での言及が使う人が出てきたので、心理カウンセリングや支援団体での言及も増えた。
👇
結果として、カサンドラ症候群は「共感や理解を得られない苦しみ」を表す一般的な言葉として浸透し、ASDの関係に限らず、広い状況で使われるようになりました。

ASDに限定しないカサンドラ症候群としての使われ方にみる共通点

元々はアスペルガー症候群(ASD)のパートナーとの関係で使われ始めましたが、最近ではその枠を超えて、自分の感情や意見を相手に理解してもらえない状況全般を指して使う人も増えています。

たとえば、以下のような状況で「カサンドラ症候群」として語られることがあります:


1. 仕事や家庭での孤独感

職場でアイデアや提案が却下され続けたり、家庭内で気持ちを伝えても無視されると感じたりする場合。

2. 親子関係やパートナー間の共感の欠如

感情的なつながりを求めても返ってこず、孤独感が深まる場合。これは必ずしもASDの相手に限りません。

3. 精神的虐待や無視

モラルハラスメントやガスライティングの被害に遭い、自分の感じている現実が否定される状況。

モラルハラスメント:精神的な嫌がらせや支配行為を通じて、相手を追い詰める行為。

ガスライティング:相手の現実認識を歪めることで、混乱させたり支配しようとする心理的操作。

4. 社会的な不理解

社会的な偏見やステレオタイプにより、自分の意見や価値観が尊重されない場合。

このように、「自分が見ている真実や感情が誰にも共有されず、深い孤独や無力感を感じる状態」を表す言葉として、広い文脈で使われることがあります。

カサンドラ症候群という概念は、具体的な診断名ではありませんが、多くの人が自分の経験に当てはめやすいものとして共感を呼んでいるのだと考えられています。

医者や心理士に話す時、「カサンドラ症候群」というワードを使っても良いのか?

カサンドラ症候群という言葉を使うのは問題ありませんが、その背景や具体的な状況をしっかり説明することが重要です。この言葉は曖昧に使われており、正式な医学用語でもなく、人によって異なる解釈で使われているためです。

可能であれば、必要に応じて専門的な表現や言い換え、カサンドラ症候群ではなく具体的な状況の説明をメモなどで準備しておくと良いでしょう。

この言葉は医学的・心理学的な正式な診断名ではなく、あくまで概念や比喩的な表現に過ぎないため、専門家によってはその意味が正確に伝わらない、あなたの解釈と異なる、医学用語ではないため不適切と感じられてしまう場合があります。以下にポイントを挙げます:

1.説明を補足すること

「カサンドラ症候群」という言葉を使う場合、具体的にどのような状況でその言葉を感じているのかを補足して説明すると伝わりやすいです。たとえば:
• 「自分の感情や意見を相手に伝えようとしても理解されず、孤独感や無力感を抱えている」
• 「周囲が私の困難を認識してくれず、まるで予言者カサンドラのような気持ちになる」

このように、カサンドラ症候群に込めた具体的な感情や体験を話すと、専門家も適切に理解しやすくなります。

2.専門用語での置き換えも検討

専門家に話す際には、「カサンドラ症候群」という言葉の代わりに以下のような表現を使うと、より適切に伝わることがあります:
• 「孤独感」
• 「共感されないことへの辛さ」
• 「感情が無視されている感覚」
• 「自分の現実が否定されるような気持ち」

これらの表現を使うことで、専門的な診断やサポートにつながりやすくなります。

3.医者や心理士がこの概念を理解している場合もある

カサンドラ症候群は一般的には非公式な用語ですが、広く知られているため、一部の医師や心理士はこの言葉に慣れている場合があります。もし相手がこの言葉を知っていれば、話がスムーズに進むこともあります。

結論

カサンドラ症候群という言葉を使うのは問題ありませんが、正式な医学用語ではないため、専門家に誤解を与えないよう、その背景や具体的な状況をしっかり説明することが重要です。また、必要に応じて専門的な表現や言い換えを準備しておくと良いでしょう。

この記事が、過去あるは現在、カサンドラ症候群という言葉を使わざるを得ない状況である人の参考になれば幸いです。

MIAより

予言者カサンドラの悲劇 "トロイの木馬"

私たちの街トロイへ猛攻撃を加えていたギリシア軍は巨大な木馬を門の前に置き去りにして去っていた。木馬だけが取り残された。

私は未来を視た。
城壁の崩壊、炎に包まれる街、血に染まる大地──私たちの街トロイが滅びる光景を。体が震え、喉が引き裂かれるような思いで叫んだ。あの木馬だ。木馬が災いを招くのだ。

「トロイに木馬を入れてはなりません!あれは破滅を招く罠です!」

だが、人々の反応は冷たかった。
嘲り、疑念、嫌悪。誰も私の言葉に耳を貸そうとしない。ある兵士が冷たい眼差しで私を睨みつけた。人々は勝利の記念に、木馬を街の中へ引き入れていく。私は必死にやめるよう叫び続けた。

「戯言をやめろ、女!」

その瞬間、強い衝撃が私を襲い、地面にたたきつけられた。顔に砂が付き、口の中には血の味が広がる。私は唇を噛みしめながら立ち上がった。どうすれば信じてもらえるのだろうか。

「お願いです、どうか聞いてください!」

再び叫ぼうとした瞬間、背中を蹴られた。肺から空気が絞り出され、地に伏せた私の頭を兵士が荒々しく掴む。髪を引かれる痛みで涙が滲む。

「もう一度口を開けば、この剣で貴様の声を永久に閉じてやる!」

これは求愛を断ったアポロンの呪いだ......誰にも私の言葉は届かないのだ。そう思うと悔しさが胸を焼き、涙が止まらなかった。
その時、人々が歓声を上げた。

「勝利だ!木馬を置いて敵は去った!さあ祝おう、トロイの勝利を!」

酒と笑い声が響き渡る中、私は宴会の隅に縛られたまま置き去りにされた。窓の向こう、あの木馬が動き始める。内部から静かに、敵兵が降りてきている。

木馬から敵が──声を出そうとしても、口をふさがれたままの私には何もできない。誰も私を見ようとさえしない。

目を見開きながら、私はただその光景を見ていた。

恐れていた未来は現実になった。
木馬から出た敵たちは門を開け、ギリシア軍が入ってくる。人々は叫び逃げ回る──どこにも逃げ場など無いのに。

私たちの街トロイに火が放たれ、燃えさかる炎の中、私はただ、何もすることもできず見ている事しかできなかった。

ある者は剣により大地に倒れ、ある者は捕縛され連れて行かれた。

破滅の運命を予言したのに誰にも信じてもらえなかった。トロイと共に私も滅ぶのだ。

私は燃えさかる炎に身が焼かれながら、胸の中でアポロンの名を呟いた。

「あなたが授けた、この予言の力は、何のためのものだったのですか……?」

その答えは無く、ただ熱風が肌を裂くだけだった。

やがて全てが赤と黒に染まる中、私の視界は静かに消えていった──。

⚠️この「予言者カサンドラの悲劇」はギリシア神話をベースに分かりやすくカサンドラ視点でアレンジしたネコックス版オリジナルです。

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