マガジンのカバー画像

43
物語というよりは気持ちをつらつらと綴った詩的なものはこちらです
運営しているクリエイター

記事一覧

意味のあるハートを

意味のあるハートを

スマホを片手に、横になりながら考える。
布団のしわを増やすように転がり、考えたことをメモアプリで文にする。

私がドキドキしてスマホを押す時
それは好きな人からのLINEを開く時
私がドキドキしてスマホを押す時
それは言いたくないことを文にして勇気を出して送る時
私がドキドキしてスマホを押す時
それは抽選していたものの結果を見る時
私がドキドキしてスマホを押す時
それは自分の作品を世に出す時

もっとみる
言葉は二つの意味を持つ

言葉は二つの意味を持つ

大丈夫だよ!
諦めちゃダメ!
負けないで!
あなたなら出来る!
自分を信じて!
まだまだやれるよ!
プラスに考えよう!
前向いて歩こう!
考えすぎだよ!

頑張って!!!

これらは全て
人を生かすポジティブな温かい言葉

ただし同時に私を殺すための刃のような冷たい言葉

今日も飛び交うその言葉を
避けて

避けて避けて刺して

歩いている

上向いて歩こうなんて
そんな簡単に言わないで

あなた

もっとみる
書いて消して恥じた人生

書いて消して恥じた人生

書いては消せるボードのように
あったことを無かったことにできるなら

そう考えてはその考えを無かったことにする

でもこのボードは
消したものを戻すことは出来ないから
無かったことをあったことには出来なくて

やれば後悔するとわかってたことを
後悔しないようにすることは出来なくて

前を向いたら後ろを振り向いた私がにやにやと
嫌な笑みを浮かべて笑ってたから

無かったことにしてやりたくて
私はイレ

もっとみる
道化詩

道化詩

道化が全て良いものだとは思わぬが
道化で誤魔化す真実もあり

そこに人がいようがいまいが
放たれた道化は踊り狂って世を渡る

嘘か本当かはたまた今か
道化は狂ったまま世を伝う

伝って伝って着いた先に
叩かれる未来があるのかそれとも

道化師のような機転はきかぬが
道化師のような心持ちでありたい

さすれば幾分身も穏やかに

けれどどこか残酷であり

人の世を生き
生き抜く術に道化を選んだ者は

もっとみる
置いたカバンと全力疾走

置いたカバンと全力疾走

とりあえず走ってみた

何も意味は無いけど
そこに荷物を全部捨てて走り出してみた

荷物と一緒に
何かを置いてくることが出来た気がして

とても嬉しくなって飛び跳ねた

飛び跳ねた先にあった水溜まりに足が入り
お気に入りの靴が濡れたって構わなかった

ただ私は何かを置いてくることが出来たことが
とてつもなく嬉しくて
嬉しくて 嬉しくて

目から溢れる涙は決して苦しいからではなくて
決して悲しいから

もっとみる
私は私に霧をかけて

私は私に霧をかけて

その細かい霧を私の顔にかけて

最後の仕上げをする化粧

完成したあと崩れないようにするその霧は

どこまでもいい香りで

どこまでも繊細な水

鏡の前

だんだん変わって行く自分の顔は

どこか滑稽で

どこか見苦しい

要は自分を奮い立たせるためのお絵描きを

そのキャンバスに施す

私が顔を描く時 もう1人の私は決まって言う

誰かが私を見ることなど
決まって私の杞憂であると

そんなこと知

もっとみる
歩道橋を上って

歩道橋を上って

止まった終電を降りて
追い越して

その先にある明日へ向かう

近くにあった歩道橋の
水溜まりを踏んで

その上にある今日を終える

昼に降り出した雨は
もう今日のエキストラ
今は見える夜空に残した
雨雲だけが助演賞

今日の主演は自分でありたくて

好きな靴を履いて出かけて

振られた雨に服を濡らして
歩く 歩く

そんな昼を過ごして今は

止まった終電を降りて
追い越して

歩道橋の上走る車を

もっとみる
その蝶についていきました

その蝶についていきました

臨機応変にとはいうものの
人には向き不向きがございまして
私は臨機に対して応変することが
どうにも上手く出来ないのです

そんなことを迷っていた時
目の前に蝶々がおりまして
それがそれがまた
私の行く道を導いてくれているようでして
ついつい後ろを尾けていったのです

ふわふわ、ふわふわ
わけも分からぬ軌跡を描いて
蝶々はただ、飛ぶ

ただ、飛ぶ

ふわりふわりと
かと思えばキュッと進路を右に
そこ

もっとみる
夜の独り言

夜の独り言

私は睡眠が嫌い

寝たら起きないといけないから

当たり前のことを言っていると思うでしょ
でも寝なければ夜はずっと続くのよ

もちろん朝は来るわ
でも寝なければ、朝が来るのが遅くなるの

愛おしい夜が長く長く続くのよ

やりたいことは沢山ある
でも時間が足りないなんて
そんなのは言い訳よ

時間は無限にある
それは貴方が生きている限り

眠らなければいいの
眠りを知らない体になりたいわ

眠れる森

もっとみる
豆電球が切れる頃

豆電球が切れる頃

春の風の奥の奥に
冬の冷たい風が潜んでいる気がして
僕は急に寒くなった

だが夏も夏で
夏の風の手前の
冬の冷たい風に触れる気がして
僕は急に凍えてしまう

そんな季節を過ごす人生を
素敵だねと笑った君を

僕はとても愛おしいと思った

君の素敵だねの奥に潜む
僕を蔑む感情が
僕にじわりと突き刺さる

ざくり、ではなく
じわり、じわりと突き刺さる

点いた豆電球が君の温もりを助長させて
ぬめり、ぬ

もっとみる
嫌いという言葉の底の底

嫌いという言葉の底の底

湯を沸かすほどの熱い愛
そういう映画がこの世にある

では

湯を冷ますほどの冷たい嫌悪は
この世にあるのだろうか

けれどそれは映画ではなく
現実世界のお話で

もし無いとするならば
私の中に渦巻くこの感情が
その最初のそれになれるだろうか

吐くほど嫌い
なんてものではなく
そいつの為に吐くものが惜しい

殺したいほど憎い
なんてものではなく
そいつが楽になるのが悔しい

周りに忌み嫌われてい

もっとみる
火祭り

火祭り

小さい手の平で母の袖をつかみ弟は言った

「ねぇママどうしてあの人は顔を出さないでお姉ちゃんに攻撃するの?」

母は何も言えずに、そして何も出来ずにその光景を黙って見ていた

顔を隠した無数の人間が
私を槍で刃で銃で
四方八方から攻撃してくる

そんな夢を、見た

だから私は怖くなって

自分の感情に蓋をした

かくも簡単に人を殺せる
いとも簡単に私を殺せる

物理的でなくても
誰かわからないやつ

もっとみる
余生を唄い明日を憂う

余生を唄い明日を憂う

そこに老婆は傘を置いた
まるで私を通したくないように
けれど私の邪魔をしないように


水面に映る自身の姿を
老婆は眺め呼吸をひとつ


雲が早く過ぎ去る空
夏の終わりを告げる風

私はそこにただひとり

傘は風になびき転がり
老婆の足元へ戻る

老婆はその傘を持ち私に向け微笑む
そして詠う

己の死期と夏の暮れを

これを幸と呼ばずして何を幸と人は言う
されど無駄と人は呼ぶ

置かれた傘が風

もっとみる
余韻と狭間

余韻と狭間

ここは1階と2階の狭間
どこにでもある1.5階
M2階というべきか

座りながら立ちながら
ボーッとするのは何かの余韻に浸る時

風もなく音もなく

そこでただ1人ボーッと余韻に浸る時

あなたに人生の余韻はありますか

今生きてきた中で余韻と呼べる日は
余韻と名付けられる時間は

存在しますかしませんか

しなくても良いのです
これから作れば良いだけ

していたらその余韻を
どれだけ大切に出来る

もっとみる