私は私に霧をかけて
その細かい霧を私の顔にかけて
最後の仕上げをする化粧
完成したあと崩れないようにするその霧は
どこまでもいい香りで
どこまでも繊細な水
鏡の前
だんだん変わって行く自分の顔は
どこか滑稽で
どこか見苦しい
要は自分を奮い立たせるためのお絵描きを
そのキャンバスに施す
私が顔を描く時 もう1人の私は決まって言う
誰かが私を見ることなど
決まって私の杞憂であると
そんなこと知っていて描き
崩れないよう抵抗のシャワーをかける
クリスタルグロウと名を付けられたその霧は
私に自信を持たせるように降りかかる
その瞬間私の杞憂を思い出させるように
いい香りに包まれる
別にいいことなんて起こらなくていい
特別なことなんてなくていい
ただ私が今日私で生きられるその日を
多少なりとも美しくいられるように
私はその霧をかける
崩れないように濃霧に紛れる
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