火祭り
小さい手の平で母の袖をつかみ弟は言った
「ねぇママどうしてあの人は顔を出さないでお姉ちゃんに攻撃するの?」
母は何も言えずに、そして何も出来ずにその光景を黙って見ていた
顔を隠した無数の人間が
私を槍で刃で銃で
四方八方から攻撃してくる
そんな夢を、見た
だから私は怖くなって
自分の感情に蓋をした
かくも簡単に人を殺せる
いとも簡単に私を殺せる
物理的でなくても
誰かわからないやつに私は殺される
私は形のない刃に刺され
実体のない銃弾を受け
もうボロボロなのにも関わらず
ただむかつくと思ったことを呟いただけなのに
私は火祭りの的になる
たった一度の過ちが私をこうもおかしくする
いや
おかしくなったのは私か
それとも
これがSNSというものか
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?