見出し画像

書いて消して恥じた人生

書いては消せるボードのように
あったことを無かったことにできるなら

そう考えてはその考えを無かったことにする

でもこのボードは
消したものを戻すことは出来ないから
無かったことをあったことには出来なくて

やれば後悔するとわかってたことを
後悔しないようにすることは出来なくて

前を向いたら後ろを振り向いた私がにやにやと
嫌な笑みを浮かべて笑ってたから

無かったことにしてやりたくて
私はイレイサーを投げる

ボフッと煙を立ててぶつかったイレイサーに
何事も無かったようににやにやと
消えない嫌な笑みを浮かべて彼女は

ただ私を見てそこに立つ

無かったことに出来るなら
過去を消してくれるなら
このボード全て買い占めて
あったこと全て書きなぐって一気に消してやるのに

答えの出ない考えが頭の中をループして
残響を伴ってそこに在る

嫌な笑みを浮かべて彼女は
嫌な笑みを浮かべて私は
何度も何度も私の過去を思い出させる

それを上書きする何かがない限り

私はチョークを持って今日もひた走る

その嫌な笑みを上書きできる
そんな何かに出会うため

そんな明日に向かうため

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?