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頭のすみっこ日記

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頭のすみに残っている些細なことを、せっせと文字に起こした日記。
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#読書

仙台駅で伊坂幸太郎作品の舞台を巡る

仙台駅で伊坂幸太郎作品の舞台を巡る

つい先日、休暇をとって仙台に行ってきた。

これまで北海道を除けば、栃木より上の県は訪れたことがなかったので、初めて東北の地に降り立つことに。

旅館で2泊3日。特に観光もせずに、2日目などは宿でだらだらと本を読んだり、思い立ったら温泉に入ったり、ぶらぶらと散歩をしたりして過ごそうかと画策していた。まるで文豪みたいな過ごし方だ。

しかし、とは言っても、旅館のチェックインまでそれなりに時間があった

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発売日を気にして本を買うこと

発売日を気にして本を買うこと

久しぶりに目当ての本めがけて本屋へと向かった。

というのも、本屋はふらっと立ち寄って、その場で気になった本やSNSで見かけた本を手に取ることが多く、「この本を買う」と決めて訪れることが最近はあまりなかった。

どちらかというと文庫本派なこともあり、新作の単行本が出てもどこかほとぼりが冷めるまでは静観していたくなる。(そもそも家に積まれている本を読まないと話にもならないが)

ただ、発売日を気にし

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子どものころの不思議で止まっていること

子どものころの不思議で止まっていること

最近、不思議な本を読んで、子どものころに不思議だったことを思い出した。

ミステリ、ファンタジー、SF、青春、恋愛。
5つのジャンルの物語が一同に会する街で、真相を知っているのは読者だけ。

ここまで舞台設定に惹かれるあらすじがあるだろうか。
とてつもないワクワクを感じる、森バジルさんの短編小説。

とある街を舞台に描かれる、全く異なるジャンルからなる5つの物語は、それぞれの世界と交わらずとも、少

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15年の時を経たとしても、まっさらな気持ちで作品を読みたい

15年の時を経たとしても、まっさらな気持ちで作品を読みたい

先日、初めて湊かなえさんの「告白」を読んだ。

中学校の終業式の日に行われたホームルーム。

幼い娘を校内で亡くした女性教師が放った衝撃の告白によって、騒がしかった教室は一転して静まりかえり、異様な雰囲気をまとったまま、物語は幕を開ける。

彼女の告白によって火蓋が切られると、それぞれの章でクラスメイト、犯人、犯人の家族と語り手を変えながら、しだいに事件の全容が浮き彫りになっていく。

語り手とな

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芸人さんのエッセイには言葉の面白さが溢れている

芸人さんのエッセイには言葉の面白さが溢れている

数あるエッセイの中でも、特に好きなのが
様々な芸人によって綴られたエッセイ。

漫才、コント、そしてバラエティの平場で、時には体を張って笑いを取り、時には話術を駆使して爆笑を掻っ攫う、そんな芸人さんたちへのリスペクトは止まるところを知らない。

さらに言うと、そんな芸人さんのセンスを余すことなく堪能できるのが、このエッセイと言う分野だと個人的には思うのだ。

言葉一つで、エピソード一つで
ここまで

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高い椅子を買うのは間違っているのだろうか

高い椅子を買うのは間違っているのだろうか

椅子にお金をかけることは、間違っているのだろうか。

何だかよくあるライトノベル作品のタイトルみたいになってしまったけれど、今回の本題であることには違いない。

普通の人にとって「椅子」に対して求めること。
それは「座れる」こと以外に他ならないだろう。

それこそが椅子の本質であり
そのために主に製造されている物。

座ることのできない椅子など、消臭できないファズリーズみたいなもので、存在価値すら

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いつもは買わない本を買う

いつもは買わない本を買う

ずっとやってみたかったことがあった。

それが「本屋に行ってその場で表紙やタイトルだけを見て、気になる本を好きなだけ買う」こと。

贅沢の極みのようなこの所業。学生の頃はお金もないし、気になる本を事前に調べて厳選した上で買うようにしていた。

ただ、そうやって買った本はまず面白いだろうと分かっている本でもあるし、自分の好みが存分に反映されているものに違いないのだ。

買うものを事前に決めずに、フラ

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物語で出会った知識を忘れたくない

物語で出会った知識を忘れたくない

小説を読んでいると
よく知らない言葉に出くわすことがある。

単語自体は知っているけど意味は分からないものだったり、はたまた言葉丸ごと何なのかまるっきり分からない時も結構ある。

そんな時、自分は少し得した気分になるのだ。

普通の生活の中では知り得ないこと。
自分の興味の外側から入ってくるもの。

きっとこの小説を読んでいなかったら、永遠に調べようとしなかっただろう知識に関して「物語を読むこと」

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自分なりの小説を読む順番

自分なりの小説を読む順番

小説を読んでいると、どうしても「積読」という現象に出くわす。

これは本を集めていると必然的に起こることで、回避するのはほぼ不可能に近い。読むペースを上回るスピードで、買った本は積み上がっていく。

そうやって「積読」していると、たまに「次は何を読もうか」と迷ってしまうことも多々あるだろう。

買った順に読めばいいと言われればそれまでなのだけど、まぁその日の気分もあったりするので、絶対的な序列だと

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