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#253「ビジネス頭の体操」 今週後半のケーススタディ(3月25日〜3月26日分)

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


3月25日(木) 散歩と介護には関係がある!?

東京都港区三田に本社を置き、生理用品・紙おむつ(赤ちゃん用・大人用)などの衛生用品の大手メーカーであるユニ・チャーム株式会社が2010年(平成22年)に制定した「散歩にゴーの日」です。

日付は「さん(3)ぽに(2)ごー(5)」(散歩にゴー)と読む語呂合わせから。同社が販売する高齢者向けの転倒時の怪我防止ガードルのPRが目的。

さて、散歩。
最近ではテレワークやステイホームばかりでは運動不足やストレスなどが考えられるので、外で適度に体を動かすことの重要性からジョギングやウォーキング(散歩)を始める人が増えているようです。

2020年11月にパナソニックが行った30〜69歳を対象に行ったインターネット調査によると、「コロナ禍で新たに始めた運動」でもっとも人数が多かったのが、ウォーキングです。

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手軽に始められるところがポイントのようです。

では、コロナ禍以前はどうだったのでしょう?

笹川スポーツ財団の「スポーツライフに関する調査(2018年)」によると、週1回以上散歩・ウォーキングを行う人の割合は、32.9%と全体の約3割にもなります。これは、1996年の13.6%から3倍弱増えています。

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なお、年1回以上ということであれば、実に44.9%とほぼ半分の方が行っていることが分かります。

年代別に見ると、2004年までは全年齢で上昇し、その後は20〜30歳代、40〜50歳代は横ばいから減少傾向に、60〜70歳代は上昇、2010年以降は常に40%台後半の実施率を維持していることから、習慣化されていることが分かります。

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別の調査(スポーツ庁)でも、2016年には38.7%だったものが、2019年には62%と倍近くなっており、増加傾向であることは間違いないようです。

<2016年調査>

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<2019年調査>

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このように特に高齢者にとって身近な運動であるウォーキング(散歩)ですが、一方で、記念日を制定したユニ・チャームの商品が「転倒時の怪我防止用」だった通り、高齢者にとって、転倒は介護状態となる原因の1つでもあるのです。

厚生労働省の「令和2年度版高齢者白書」によれば、65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因のうち、「骨折・転倒」は実に12.5%を占めています。特に、女性は15.2%と高くなっています。

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散歩から介護まで話が飛びましたが、普段からの運動が大事なのでしょうね。

→散歩。確かに高齢者の方が朝歩いているのを見かける。これだけの実施人口(?)があれば、なんらかの消費行動につながっているはずだが、どのような商品やサービスの消費につながっているだろうか?また、新たなサービス等は考えられないだろうか?


3月26日(金) サク山さんの記念日から児童労働を考える!?

茨城県筑西市に本社・工場を置き、チョコレートやビスケットなどの菓子の製造・販売を手がける株式会社正栄デリシィが制定した「サク山チョコ次郎の日」です。
日付は「サ(3)ク山チョコ次郎(26)」と読む語呂合わせから。


ピンポイント過ぎますね…ちなみに、以下のような商品です。

チョコ次郎さんはチョコレート菓子ということで、チョコレートについて調べました。

まず、日本のお菓子市場における、チョコレートの位置付けを全国菓子工業組合連合会のデータからご紹介します。

令和元(2019)年の菓子の市場規模は3兆4,298億円。そのうち、チョコレートは5,630億円(シェア16.4%)で堂々の1位です。ちなみに、TOP5は以下の通りです。

☑️ 1位 チョコレート 5,630億円(16.4%)
☑️ 2位 和生菓子   4,650億円(13.6%)
☑️ 3位 スナック菓子 4,476億円(13.1%)
☑️ 4位 洋生菓子   4,154億円(12.1%)
☑️ 5位 米菓     3,089億円(11.1%)

時系列で推移を示したグラフがありますので合わせてご紹介します(生産額ベースなので金額は上記と異なります)。

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チョコレートが伸びてきたことが分かります。


さて、このチョコレート。原料となるカカオは100%輸入です。
外務省HPによると、世界でのカカオ豆の生産量の多い国は以下の通りです。

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日本チョコレート・ココア協会のデータによれば、日本の輸入先はガーナが8割を占めています。

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と、ここで話はおしまい、というところでしたが、調べるうち、大きな問題があることが分かりました。

日本のココア豆の8割を賄うガーナのカカオ農家1人あたりの1日の収入は0.4〜0.45ドルに過ぎないこと、カカオ農園では児童労働も横行しており、子供は教育の機会を奪われているのが現状だそうです(下図:日刊工業新聞)。

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これに対し、
☑️ 品質を理由に買い叩かれないために、日本企業が品質改善を支援する
☑️ チョコレートの販売量に応じて児童支援活動に寄付する
☑️ 児童労働がない農園を第三者が認定する制度を始める
といった様々な試みが始まっています。

また、「ビーン・トゥ・バー」という、豆の買い付けから加工まで一気通貫で行うスタイルが定着しつつあります。これにより、産地ごとの味の特徴が楽しめたり、何より、品質の良い豆を適正な価格で買い付けることで農家の収入向上に貢献したりということにもつながるそうです。一例をご紹介します。


こうした小規模な事業者だけでなく、先ほどの販売量に応じた寄付などは大手チョコレートメーカーも取り組んでおり、合わせて消費者への啓蒙活動にも取り組んでいます。こちらも一例をご紹介します(お馴染みのあのメーカーさんです)。


サク山チョコ次郎さん、から、チョコレート市場、そして、児童労働問題まで話が飛びましたが、SDGs、こうした身近なところに隠れていることが分かりました。

→日本でのチョコレート消費が伸びている理由はなんだろうか?メーカー側では、どのようなマーケティング、商品開発を行い、消費者側はどのようなことに魅力を感じ購入しているのだろうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。
一つでも頭の体操になるものがあれば嬉しいです。

昨年7月から同様の投稿をしています。かなり溜まってきました。
へぇ〜というものが必ずあると思いますのでご興味とお時間があれば過去分もご覧ください。


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