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武蔵野美術大学大学院の記録

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2023年4月から武蔵野美術大学 大学院 クリエイティブリーダーシップコースに通います。このマガジンではその記録noteをまとめていきます。
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記事一覧

市民開発のキーポイントとしての「実践コミュニティ」

市民開発のキーポイントとしての「実践コミュニティ」

今週はデンマーク視察旅行記はお休みして、実践コミュニティ(Community of Practice)について、その特徴や可能性について書いてみたいと思います。

実践コミュニティとコミュニティの違い実践コミュニティとは、教育理論家で実践者のエティエンヌ・ウェンガーが提起した概念で、書籍「コミュニティ・オブ・プラクティス」では

と定義されます。

この定義だけ見ると、一般的な学習コミュニティとあ

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デンマーク🇩🇰視察旅行記(3/n)

デンマーク🇩🇰視察旅行記(3/n)

今回もデンマーク視察旅行記です。今回はコペンハーゲンにある独立自治区的な「クリスチャニア」という場所について紹介します。大麻OK?!ヒッピーの街?!クリスチャニアには独自の自治の方法がありました。

クリスチャニアは、自由と自治の場所クリスチャニアはコペンハーゲンの中心地から自転車で10分ぐらいの海側に位置します。コペンハーゲンの街にありながら、治外法権的な場所になっており、独自の自治で街が運営さ

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デンマークに学ぶ、デンマークで学ぶ

デンマークに学ぶ、デンマークで学ぶ

デンマークはなぜ幸福な国と言われるのか?世界の幸福度ランキングでは2019年からは2位をキープしています。ちなみに日本は2024年のランキングで51位で40位後半から50位近辺をウロウロ。。。「幸福」は絶対的なものではないとは思うものの、この違いはどこから来るのでしょうか?

10月下旬にデンマークに行って、教育制度や民主主義への取り組みについて学んできたいと思います。特にフォルケホイスコーレとい

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アカデミック・ライティングの本が良かった

アカデミック・ライティングの本が良かった

12月の修論提出を前に混沌とした沼にハマっていたので、藁にも縋る思いで手に取った本「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」が予想以上に良かったので紹介したいと思います。

研究したいテーマや、研究のフィールドは決まっていた大学院を目指しているときから、研究のテーマはざっくり「地域通貨」ということで決まっていました。現時点では「地域通貨」自体にフォーカスするのではなく、「地域通貨が目指し

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相互扶助の続き

相互扶助の続き

先週書いたnoteでは「相互扶助は動物の本能である。そして現在相互扶助は見えにくくなっている」という内容を紹介しました。これは今読んでいる「相互扶助の精神と実践」という本で書かれている内容で、この本はピョートル・クロポトキンの書いた「相互扶助論」を解説する本となっています。
今回は後半を読んでその内容をまとめていきたいと思います。(修論のためのnoteになりつつある😅)

個人が重なり合う「自己

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相互扶助のイメージが変わった

相互扶助のイメージが変わった

「学び合いをどのように捉えるか?」という問いに対して、「相互扶助」について本を読んでいます。まだ読了していませんが、非常に興味深い内容だったので共有します。

今回読んでいる本は「相互扶助の精神と実践」という本で、この本はピョートル・クロポトキンの書いた「相互扶助論」を解説する本となっています。(ゆる言語学ラジオの「読書のコツ」で言ってた方法を踏襲してます。😅)
この本の内容に沿って「相互扶助」

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「学び合い」とは?(考え中・・・)

「学び合い」とは?(考え中・・・)

今回のnoteは、現在わたしが学習コミュニティでチャレンジしている「学び合い」について、仮説とその状況、そして今後のチャレンジしてみたいことについて書きたいと思います。(かっこいい文章が書きたいけど、まぁそれは後回しw)

学びの結果は「個人」に帰着するほとんどの人は小学生から、早い人は幼稚園から「学ぶ」ということをしています。教科書を読み、先生の板書をノートに写し、問題集を解く、テストを受け、そ

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贈与について

贈与について

修士論文のテーマでもある地域通貨を調べていくと、いたるところで出てくる「贈与」。今回はこの「贈与」についていくつかの本をピックアップしてして整理したいと思います。

贈与とは贈与という言葉のイメージやその文字から考えると、贈与とは「誰かが誰かに、見返りを期待せずに、モノを贈ること」と言えるのではないでしょうか。いつものようにChatGPTに聞いてみましょう。

なるほど、日本においては法律でも定義

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ハイデガー「存在と時間」を読む、準備

ハイデガー「存在と時間」を読む、準備

ゆる言語学ラジオでやっていた「本を読むコツを教えます」の回で、「興味のある分野を見つけ、自分の読書筋力に合わせたレベルから読み始める」と紹介されていたので、前からチャレンジしたいと思っていたハイデガーの「存在と時間」を読むための準備をしてみました。

今回選んだ2冊今回は読みやすさと読み切れそうな本としてこちらの2冊を選んでみました。

1冊目はまんが形式で、町内会でのストーリーを通してハイデガー

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読書会の風をFeelin'しよう

読書会の風をFeelin'しよう

社内で読書会の準備を進めています。先日読んだ「日々の政治」の読書会がが良かったので、それを真似しつつどんな風に運営しようかと考えています。

読書会の概要今回の読書会は社内の興味ありそうなチームの方に声をかけて、まずはこじんまりと始めてみたいと考えています。(とは言え、ありがたいことに10名も集まりました!)

読書会の日程は週1回1時間程度のオンライン開催とし、みんなで少しづつ読み進めていくイメ

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ルックバックが最高すぎた

ルックバックが最高すぎた

以前からオススメされていた映画「ルックバック」を観てきました。事前情報は「チェンソーマンの著者 藤本タツキ先生の短編漫画が原作」「1時間の映画」「主人公は2人で、何か描く?」ぐらい。このnoteではネタバレしないように書きたいと思います。なにはともあれ観ていただきたい、そして感想を語り合いたいです。

原作映画の原作であるマンガ「ルックバック」は、2021年7月にジャンプ+に長編読み切りマンガとし

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すさみで「日々の政治」を読みました

すさみで「日々の政治」を読みました

先日の土日で和歌山県周参見(すさみ)に行って、エツィオ・マンズィーニ著「日々の政治」を読みました。

この企画は武蔵野美術大学の産学プロジェクトをキッカケに立ち上がったすさみの美術大学、通称すさびのゼミ活動としての企画です。

エツィオ・マンズィーニとは今回の読んだ「日々の政治」の著者であるエツィオ・マンズィーニは、イタリアのデザイナー研究者で、サービスデザインやソーシャルイノベーションの分野で特

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いつものもしもCARAVANに出展しました

いつものもしもCARAVANに出展しました

先週7/6(土)、7/7(日)にイオンモール名取で行われた「いつものもしもCARAVAN」に株式会社日立製作所 デザインセンタと共同で「みんなの防災ラボ」というブースを出展しました。今回のnoteではその様子を紹介します。

いつものもしもCARAVANとはいつものもしもCARAVANとは無印良品が開催する防災啓蒙イベントで今回で24回目になるそうです。今回は初めて「イオンモールと無印良品の共催」

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ノウハウの「交換」を「共創」と捉えると

ノウハウの「交換」を「共創」と捉えると

kintone界隈の学習において特徴的なのが、kintone Caféなどの学習コミュニティが活発なことです。kintoneの活用方法はもちろん、連携サービスや、業務改善・組織開発的な話しまで様々なノウハウが活発に交換されています。

今回はその学習コミュニティで起きるノウハウの「交換」を「共創」と捉えることで、学習コミュニティが活発な要因を探りたいと思います。

「テイカーにも意義がある」先日の

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