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デンマーク🇩🇰視察旅行記(3/n)
今回もデンマーク視察旅行記です。今回はコペンハーゲンにある独立自治区的な「クリスチャニア」という場所について紹介します。大麻OK?!ヒッピーの街?!クリスチャニアには独自の自治の方法がありました。
クリスチャニアは、自由と自治の場所
クリスチャニアはコペンハーゲンの中心地から自転車で10分ぐらいの海側に位置します。コペンハーゲンの街にありながら、治外法権的な場所になっており、独自の自治で街が運営されています。
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昨年までは街の中で大麻が購入できたそうですが、いろいろ事件があり現在は完全に禁止になっているそうです(法律的には2004年に既に禁止になっていたそう。)もちろんデンマークでは大麻は違法ですが、ヒッピー・アナーキストの街として、黙認されていたそうです。私達が行ったときも(もしかしてキマっちゃってる?)と言う人を数人見ました🙃
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街の中は、イベントができるホールや飲食店があり、そこに住人として住んでいる人もいます。ゴミ処理や発電所(全てでは無い)もあったり、代替医療施設や畑などもあり、小さな街として存在しています。
街に住むためには「最低限自宅の修繕ができるスキルを持っていること」と言う条件があります。また入居前にはクリスチャニア内の地区ごとに先住者との面談があるそうです。そのようなハードルが高い条件にも関わらず、クリスチャニアに住みたい人は大勢いるそうで、現在ウェイティングリストに多くの人が登録しているそうです。
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クリスチャニアはコモンズ(公共財)が存在する空間
クリスチャニア内には「所有」と言う概念が無く、住んでいる家も「自分のもの」ではなく、「クリスチャニアに住むみんなのもの=コモンズ(公共財)」と言う建て付けになっているそうです。
それを象徴しているのは、街中にある「交換スタンド」です。ここには、自分が着ない服や雑貨などを持ち寄って置いていくことができます。また、そこに自分が必要なものがあれば自由に持っていって構いません。「捨てる」でもなく、「誰かにあげる」でもなく、「クリスチャニアに住んでいる誰かのために置いておく」と言う感じです。
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クリスチャニアの共通法はシンプルで自由
クリスチャニアには共通法としてシンプルな法律(ガイドライン?)があります。コミュニティを安全で自由な空間として維持するためのルールが列挙されています。
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No Weapons - 武器の持ち込み禁止 (でしょうね。)
No Hard Drugs - 強力なドラッグの使用禁止 (でしょうね。)
No Violence - 暴力禁止 (でしょうね。)
No Private Cars - 自家用車の乗り入れ禁止 (いつでも歩行者天国的な?)
No Bikers Colours - バイカーのシンボル(服装やエンブレムなど)の使用禁止 (なんでだろう?急に具体的)
No Bulletproof Clothing - 防弾服の着用禁止 (信じることが重要?)
No Sale of Fireworks - 花火の販売禁止 (なんでだろう?危ない?)
No Use of Thunderflashes - 爆竹の使用禁止 (なんで?うるさい?)
No Stolen Goods - 盗品の持ち込み禁止 (でしょうね。)
Christiania's commitment is to create and sustain a self-governing community, in which everyone is free to develop and express themselves, as responsible members of the community.
クリスチャニアの使命は、すべての人が共同体の責任ある一員として、自由に自己を発展させ、表現できる自律的なコミュニティを創り、維持することです。
シンプルなルールだけに「でしょうね。」という感想になりますが、こういったルールもみんなで決めているそうです。これらのルールにより自分たちのコミュニティを独自に運営し、各メンバーが責任を持って自由に自分を表現できるようにしているそうです。
例えば、クリスチャニア内はいたる所にグラフィティが描かれています。クリスチャニアのルールでどこに何を描いても良いらしいです。めちゃくちゃカラフルだし、絵も上手いので見ていて楽しいです。(こう言ったストリートの雰囲気が好みじゃない人もいるとは思いますが。)
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クリスチャニアは様々な偶然と、自由を求める思いが作り上げた
クリスチャニアの成り立ちは面白く、戦争時に軍が保有していた堤防とその周りの敷地を、戦争が終わったことで軍が手放した(管理しなくなった?)ことをキッカケに、ヒッピーたちが占拠し生活を始めました。普通に考えると、そんなことあるかーいと言う感じですが、正しいやり方や正攻法だけではなく、自分たちの求める場所を自分たちの手によって掴み取ると言う意思を感じるエピソードです。
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もちろんルール違反ではあるのですが、全ての物事がルールで白黒つくわけでもなく、ルールの狭間で苦しんだり悲しんだりしている人もいたはずです。クリスチャニアがそのような人たちの救いの場、居場所として機能していたのは間違いないでしょう。
ルールだから、前例がないから、と言って思考停止するのではなく、何がどこまでならできるか、超えていけない線はどこか、受け入れられるリスクは?条件は何か。自分たちの居場所のために諦めずに、行動し続けること。これをクリスチャニアで感じました。
課題そのものを単純化するのは民主主義を萎縮させる
常識的に考えると、土地の所有権は?犯罪が起きたらどうする?年金や税金はどうしてる?などなど気になることはたくさんありますが、「正しく線引きして、正しく整理しよう」と考えすぎるのではなく、「ここコペンハーゲンやクリスチャニアでは何が起きているのか?」を受け止めることが大切だと思いました。
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エツィオ・マンズィーニ著