講談社 内定者エッセイ

講談社定期採用の内定者が、就活への決意、面接に向けた奇策など、各々の視点で赤裸々な就活体験を綴ったエッセイです。 これらはあくまで個人の体験談で「答え」ではありませんが、就活の息抜きの読みものとして、講談社を知っていただくヒントとして、ぜひお楽しみください。

講談社 内定者エッセイ

講談社定期採用の内定者が、就活への決意、面接に向けた奇策など、各々の視点で赤裸々な就活体験を綴ったエッセイです。 これらはあくまで個人の体験談で「答え」ではありませんが、就活の息抜きの読みものとして、講談社を知っていただくヒントとして、ぜひお楽しみください。

最近の記事

本棚に「好き」を並べて

関東/四年制大学文系/編集(文芸・ライトノベル)志望 世界に「好き」が多すぎて、講談社のESに書く自分像も志望理由も定められなかった。 「もう嫌だ。就活なんてやめてやる!」と思った私の指先は、自然と本棚に向かった。自分の行動に驚きながらも、人生の転機で書籍が原動力だったと気が付いた。 『のだめカンタービレ』を読んで、楽器を手に取ったこと。小説の映像化を観たくて、テレビドラマを見始めたこと。『十角館の殺人』で憧れたミステリ研究会に入り、人と本の話をする喜びを知ったこと。 かけ

    • 涙色のスコープ

      関東/四年制大学文系/編集(コミック)志望 「好きなものに携わることができる仕事がしたい→自信を持って『好きだ』と言えるものは本→出版社」と、ありがちな思考回路で出版社を志望した。講談社を第一志望にしたのは、自分の好きな作品を多く手掛けていたから。志したきっかけは単純だった。 現実はそんな単純なものじゃない。就職活動を始めた私は痛感した。目に飛び込んできたのは、絵に描いたような「天才たち」。起業した学生、卓越した語学力を持つ学生。ライバルは、自分より格段に面白い人間たちだ

      • 寝付けぬ夜を、ただよう

        関西/四年制大学文系/編集(学芸・学術)志望 メタ認知が激しい。 現に今、「メタ認知が激しい」などと格好の良いセリフに若干の気恥ずかしさを感じているし、気恥ずかしさを感じていると表明することを免罪符として「メタ認知」という言葉を使う自分も恥ずかしい。「言葉の使い方正しいっけ……」と『メタ認知 とは』とグーグルに打ち込むことも、バカな質問だなとグーグルさんに思われないか恥ずかしくて、検索履歴を消しておく。 要するに自意識過剰なのだ。自分の言動や思考の受け止められ方、論理的整

        • 発掘、ストーカー、ニャンちゅう

          関東/四年制大学文系/編集(コミック)志望 危険生物ひしめく洞窟遺跡での発掘活動の経験。 趣味の裁判傍聴で目撃したストーカー犯の話。 ニャンちゅう(おっさん声をした猫のキャラクター)の声真似。 これらは私が講談社の面接の中で実際に披露した話(もしくは一発芸)である。 選考を振り返って実感したのは、どの面接も自分を偽ったり飾ったりすることなく、等身大で正直に話すことができたということだ。 それは、私が単に話が上手く、自分に自信があったからではない。 それどころか、面接の直前

          必然的直感

          関西/四年制大学文系/校閲志望 うわ、私ここに通うんだ。 二次面接で初めて講談社の門を潜り、エントランスで堂々と存在感を放つ木々に出迎えられた瞬間に、そう思った。 思ったというか、感じた?のだ。 毎朝ワクワクしながらゲートを通る将来の自分の姿がポンッと鮮明に浮かび上がり、頭から離れなかった。 他の企業に就職する自分は全く想像できなかった。 面接は楽しかった。すごく薄っぺらい言葉だが、とにかく楽しかった。 4回の面接はどれも、面接というよりも会話だった。 会話に事前の対策が

          言葉にできないコトを言葉にするということ

          関東/四年制大学文系/国内・国際ライツ(海外出版)志望 スポーツも勉強も不得意で、みんなの中心にいるような子供じゃなかった。記憶の中の自分は、いつも雑誌の物語を読んでいた。最初の誕生日プレゼントはノートとクレヨンで、将来の夢は「ほんやさん」だった。恋の相手はいつも漫画のキャラで、日記の内容は小説の感想ばかりだった。12歳、住み慣れた環境から離れ、海外に転校した。全く新しい環境に身を置いた私は、気づけば自分以外の登場人物がいない日々を送っていた。逃げるようにのめり込んだ物語た

          言葉にできないコトを言葉にするということ

          メロン

          関東/四年制大学文系/国内・国際ビジネス戦略(メディア営業)志望 「これで内定! 逆質問集」就活サイトで今日も目にするこの手のタイトル。 天邪鬼な私はどうも好きになれない。これは本当に私の聞きたいことだろうかと自問自答する日々を過ごしていた。 迎えた1次面接。予想外の質問の多さにすごく焦った。スムーズな返答ができず、面接中から、落ちたと感じていた。逆質問の時間で何かを残したい! 私は、講談社の説明会で聞いた言葉を思い出した。キャッチフレーズとなるような印象的な話があると、

          哲学者の威を借る就活生

          関東/四年制大学文系/編集(文芸・ライトノベル)志望  皆さんは自信がなくて不安な時、どのように自分を鼓舞しているのだろうか? 失敗しないようにたくさん準備をする、自分を信じて不安自体を忘れてしまう、誰かに励ましてもらう。きっとたくさんの方法があることだろう。では、第一志望である講談社の面接を前に、窮地に立たされた就活生はどうしたのか? 彼女は緊張ゲージが振り切れた後の妙に達観した頭の中でこう唱え続けていた。「まあ自分には偉大なる哲学者ニーチェとキルケゴールがついているから

          哲学者の威を借る就活生

          Be Water, My Friend

          関東/大学院修士課程文系/国内・国外ライツ(海外出版)志望 いや、まいったね...…。   ボリューム満点のES、幅広い業務内容、溢れ出すキラキラ感。はじめて講談社の採用サイトを見た後は、数週間ほど現実逃避していた。選考という壁を越えるヒントを探すために読んだ内定者エッセイには、総じて「ありのままの自分を出せ」とある。 「ありのまま」とは? そこで、「ありのまま」をノートに書いてみた。 ・人前で話すのが苦手・ビビり・怠惰 などなど。 『アナと雪の女王』のエルサにも「お

          再び書を拾いに

          中部/大手新聞社/編集(学芸・学術)志望 人生2回目の就職活動。あれ、面接ってこんなに緊張するものだっけ? 久しく忘れていた焦燥感に、思わず冷や汗が流れた。もともと文学少年で、大人になったら、当たり前に編集者を目指すものだと思っていた。しかし大学を卒業し、私は新聞記者になった。それまで小説や漫画など、物語の世界に浸りきった人生を歩んできたからこそ、社会人を前にして、思わずにはいられなかったのだ。政治、経済、社会問題……。自分はこのまま、現実の社会がどのように動いているのか、

          ためになる 多面になる

          関東/四年制大学文系/国内・国際ライツ(映像化)志望 人間は多面体である。 母が言っていた。 その通りだと思った。 就職活動ではよく「自己分析」というワードを耳にするけれど、私とは何なのかを簡潔に語ることは容易でない。 だって、私はさまざまな面を持っていて、その全てをひっくるめて私なのだから。 講談社に内定して数ヵ月。 尖った個性もないし、本や漫画をたくさん読んできたわけでもない。 何が評価されたのだろうか。 一つだけ。 私は、多面体である私を多面的に語ることに成功

          ためになる 多面になる

          “ここ最近”の話

          北海道/大学院修士課程理系/編集(コミック)志望 “好き”は最強だ。私は今まで推しや好きなものにエネルギーや行動のきっかけをたくさんもらってきた。そんな最強無敵の “好き”を多くの人に届ける仕事がしたい。そう思っていた2023年11月、凪良ゆうさんの『星を編む』を読んだ。作中に登場する編集者・植木さんがもがきながらも自分が信じた人や作品と向き合う姿に胸を打たれた。それと同時に、人と向き合いながら“好き”を届ける編集者という仕事に強い魅力を感じた。 そして2024年1月、私は

          そっと、揺れる

          関東/四年制大学文系/編集(子ども・教育)志望 三次面接で宝物は何かを問われ「今までのご縁です」と答えました。私がこの文章を書いているのも、「ご縁」とも言える何かによるものだと強く感じています。でも、そのご縁とやらは、一体何なのでしょうか。 教員を志して大学に入った私は、3年の冬まで進路は学校教員しか考えていませんでした。ただ、私が理想としている教員像、知ったことを使って考えるという過程づくりに携わる人は、学校以外にもいます。 教職への尊敬は変わりませんが、他の関わり方に

          一番と本物

          関東/四年制大学文系/編集(子ども・教育)志望 「向いてないなあ」が口癖のような就職活動だった。 直前まで大学院進学を考えていた私は、心の準備もないまま無数の応募書類に追われる日々へ突入した。私にとって、好きなものについて語るのは勇気がいる。大切な人にだけ、こっそり宝箱の中身を見せるようなことだ。それを100字弱で書けと言われ、必死で書いてもメールひとつで却下され、心が悲鳴をあげた。数千、数万から人を選ぶのだから仕方ない、選ばれる努力をしよう、と頭でわかっていても苦しかった

          一人で頑張っているあなたへ

          関東/大学院修士課程文系/海外出版志望 好きなものとかかわれるような仕事じゃないと、絶対働きたくない。子供じみた願望ではあるが、そんな思いを抱えて、就活への第一歩を一人で踏み出した。 小さい頃から日本のコンテンツが好きだし、そもそもそれが原因で日本留学を決めたわけだし……。同じ出版志望の友達が誰もいないけど、今までの娯楽費を半分以上捧げてきた講談社に、就活でチャレンジしない選択肢なんて、始めから存在しなかった。 年末は必ず一時帰国するため、冬の3daysワークショップは

          一人で頑張っているあなたへ

          あの時の英雄が ふたたび 仲間に加わった!

          関東/四年制大学文系/ビジネス戦略(マーケティング・プロモーション)志望 十余年も前にちらと登場したキャラクターから、ずっと傍にいてくれたキャラクターまで。小学校の授業中、教室の隅で窓の外を眺めながらしていた妄想。長い道のりを経て絆を繋いできた登場人物たちが、自分のピンチに集結する。そんなシチュエーションが、私にとっての就職活動だった。 本格的に就職活動が始まってから、私は日々吐き気と戦っていた。長らく出版社を目指していただけに、自分でプレッシャーをかけていた面もある。私

          あの時の英雄が ふたたび 仲間に加わった!