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ためになる 多面になる

関東/四年制大学文系/国内・国際ライツ(映像化)志望


人間は多面体である。

母が言っていた。
その通りだと思った。

就職活動ではよく「自己分析」というワードを耳にするけれど、私とは何なのかを簡潔に語ることは容易でない。
だって、私はさまざまな面を持っていて、その全てをひっくるめて私なのだから。

講談社に内定して数ヵ月。
尖った個性もないし、本や漫画をたくさん読んできたわけでもない。
何が評価されたのだろうか。

一つだけ。
私は、多面体である私を多面的に語ることに成功していたと思う。
「腐女子なの?」「挫折したことはあるの?」「家の本棚から一冊無人島に持っていくとしたら?」
今まで聞かれたこともないような質問がポンポン飛び出す講談社の面接で、私は不思議と焦らなかった。
えっ、と思うような質問に対しても、まるで導かれるかのように、私は上手に向きを変えながら自分のさまざまな面を見せる答えを出した。

私は大学生活の中で、自分を複雑な多面体に切り出した。
とにかく嗅覚のままに、面白そうだと思ったことにはたくさん取り組んできた。

スポーツで汗と涙を流した。襖を張る職人になった。教師の夢を追いかけた。広大な演習林を探検した。ボカロを学問の対象とした。竹炭を作りながら靴を燃やした。泣きながら英論文を書いた。美術館に通い詰めた。パン屋の看板娘になった。コスプレイヤーに囲まれながら声を張った。

道を踏み外すことなく生きてきた、一見普通の私がちょっぴりスペシャルだったこと。
それは、おもしろそうだと思ってやってきたことが、結果ためになっていたこと。
そしてそれが糧になり、ネタになり、武器になっていたということ。

講談社のエントリーシートと面接は、そんな多面体の私をコロコロと転がしながら見るかのように質問を投げかけてくれた。
だから私は、丸ごとの私を見せることができた。

学生時代を豊かに過ごすことは、今のあなたにより多様な面を削り出し、そして将来のあなたを切り開く、今しかできない体験なのだ。

公式Xのキャンペーンで当選した、世界に一つだけの『東京卍リベンジャーズ』ポスター(デザインは自分で考案)。宝物で、志望理由の一つ。
二次面接以降、面接後に近くの和菓子屋でお団子を買い、護国寺にお参りをして帰るという流れをルーティン化していた。優しい甘さがしみる。

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