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“ここ最近”の話

北海道/大学院修士課程理系/編集(コミック)志望


“好き”は最強だ。私は今まで推しや好きなものにエネルギーや行動のきっかけをたくさんもらってきた。そんな最強無敵の “好き”を多くの人に届ける仕事がしたい。そう思っていた2023年11月、凪良ゆうさんの『星を編む』を読んだ。作中に登場する編集者・植木さんがもがきながらも自分が信じた人や作品と向き合う姿に胸を打たれた。それと同時に、人と向き合いながら“好き”を届ける編集者という仕事に強い魅力を感じた。
そして2024年1月、私は講談社の本選考に応募した。でも、もっと前から出版業界を志してきた他の応募者と比べ、志して3ヵ月の私の想いは弱いのではないだろうか。そんなモヤモヤが渦巻いていた。

それでも、進んでいく選考の中で、今まで知らなかった自分とたくさん出会った。
先輩に添削してもらいESを何度も書き直していたとき、平凡な文章がどんどん多面的になっていく感覚に興奮を覚えた。
3次面接で「そんなに生き物が好きなのに漫画編集志望なんだ?」と聞かれた際には、「はい! 生き物も好きですが、人間が一番好きです」と今まで無自覚だった感情を口にしていた。
そしてどの面接でも、不安や緊張も忘れるほど講談社の方々と話すのが楽しくて、「どうしても講談社でこの人達と仕事がしたい!」と強く思う自分がいた。
選別するためではなく私を知るために話を聞いてくれた講談社の方々と一緒に、私もたくさん自分を知った。

振り返ると、3ヵ月間の選考で上記のようないくつもの想いが芽生えていた。でも、芽生えてから日が浅いからこの想いは弱いのだろうか? いや、そんなことはない。私の感じた興奮は本物だし、胸が高鳴るほど、目頭が熱くなるほど強い想いだったと断言できる。

不安だった私、そして自分の想いの強さに自信が持てない方に伝えたい。自分の中に芽生えた想いはどれも本物だ。それを大切にすることが、あなたを知り、一歩を踏み出す手がかりになるかもしれない。

面接の度にお世話になった新幹線「はやぶさ」車内にて。ビールと駅弁は欠かせない。
3次面接の日の講談社外観。なんと大大大好きな『スキップとローファー』の垂れ幕がお出迎え! この日の私も赤くなっていたんだろうな。
最終面接直前、スーツにミツバチの糞が……。“ウン”が付いたということにした。


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