メロン
関東/四年制大学文系/国内・国際ビジネス戦略(メディア営業)志望
「これで内定! 逆質問集」就活サイトで今日も目にするこの手のタイトル。
天邪鬼な私はどうも好きになれない。これは本当に私の聞きたいことだろうかと自問自答する日々を過ごしていた。
迎えた1次面接。予想外の質問の多さにすごく焦った。スムーズな返答ができず、面接中から、落ちたと感じていた。逆質問の時間で何かを残したい!
私は、講談社の説明会で聞いた言葉を思い出した。キャッチフレーズとなるような印象的な話があると、多くの受験者の中で覚えやすいというものだ。
咄嗟に出た言葉は、「メロンを1人で1玉食べられます!」だった。
「あぁ、そうなのですね、メモにメロンって書いときます」と面接官の方は少しニヤついていた。そのまま面接は終了した。
やってしまった、流石に突飛なことを言いすぎたと恥ずかしくなった。だが、1週間後に届いた結果はまさかの1次面接通過。
メロンでも合格させてくれるなら、私はこのままで良いのでは? と何かが吹っ切れた。
周りの就活生と比較し、優秀じゃないと受からないと決めつけていたが、今までの自分に自信を持ち、ありのままで戦おうと決めた。自分を大きく見せようとするのではなく、短時間で私の気持ちをどれだけ伝えられるかを頑張ろうと思ったのだ。
明るくて素直なところが私らしさだ。大好きな“本”に関わりながら楽しんで仕事をしたいという純粋な気持ちを面接で伝え続けた。
社員の方々は、常に私の話をじっくり聞いてくれて、楽しそうに質問に答えてくれた。
会社への愛や仕事へのプライドを聞くと、私もここで一緒に働きたいという気持ちはどんどん強くなった。
常に嘘のない自分でいられた面接はとても楽しかったことを覚えている。
様々な情報を集め、考え抜いた結果辿り着いたのは、集めた情報を生かしながらも、飾らない私という人間を分かってもらうことだった。
説明会では遠い存在に感じていた講談社から内々定通知の電話が鳴ったあの日の気持ちは一生忘れない。