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[読書感想文]アンディ・ウィアー(小野田和子 訳)『プロジェクト・ヘイル・メアリー上、下』(早川書房、2021年)
勧められたので読んだ。SFものだ。
帯などで主人公が宇宙にいるらしいことはわかっていた。しかしそれ以外の情報はなしで読んだ。自分が興味を持つかもわからないものを読むのが、勧められた本を読むときの醍醐味だ。ハズレのときは地獄だが、まあアタリの部類だった。
翻訳ものは手を出すのが怖い。ぎこちない訳で読み味が悪いことがあるからだ。しかしこれは読みやすく、内容に入っていきやすかった。
主人公がよくわ
[読書感想文]万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋、2023年)
勧められたので手に取った。
良くも悪くも学生が味わう京都の雰囲気だったように思う。曖昧な感想なのは、自分が京都の大学に行きながらもろくに京都で過ごしていないせいだ。
軽くさっと程よい充実感のある小説だった。
内容に入ろう。
本書には「十二月の都大路上下ル(カケル)」と、「八月の御所グラウンド」の2編が収められている。前者が60頁ほど、後者が140頁ほどだ。
前者の主人公は、駅伝をしている女