８月７日（土）、第１０５７回　「苦しみ」

生きる苦しみ、
　
老いる苦しみ、
　
病の苦しみ、
　
死の苦しみ、
　
　
人間の苦しみというものは、
　
これらを避けよう避けようと、
　
さらに苦しんでいるのだ、と
　
いうことに気づいてください。
　
　
例えば、
　
　
山の頂を目指すためには、
　
坂道を登る必要があり、
　
　
川の中でとどまるためには、
　
川の流れに流されないように
　
踏ん張る必要がある。
　
　
これを、
　
ものの「道理」というのです。
　
　
ひとは、
　
この「道理」を、
　
頭で理解はしていても、
　
心で納得はしていない。
　
　
ですから、
　
　
楽に生きたい、
　
歳を取りたくない、
　
病にかかりたくない、
　
死にたくない、
　
と、
　
「無理」なことに執着をして
　
しまうのです。
　
　
生きるとは苦しいこと、
　
生きるとは歳を取ること、
　
生きているから病にかかり、
　
生きているから死を迎える。
　
　
人生の「道理」というものを、
　
しっかり受け容れていく人生、
　
　
そこで、ようやく、
　
まことの人生を楽しむ時間と
　
いうものが、
　
少しずつ生まれてくるのです。
　
　
感謝、合掌
慈永