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記事一覧
『銀座アルプス』 寺田 寅彦 #君羅文庫
コーヒーを初めて飲んだのはいつだったか。
小学校低学年の暑い夏の日。ミルクがたっぷり入ったアイスコーヒーを飲んだ気がする。
ちょっぴりのインスタントコーヒーを少量のお湯で溶かし、氷をたくさん入れてからたっぷりとミルクを注ぐ。アイスコーヒーというよりは、コーヒー入りアイス牛乳か。
コーヒーが好きで飲んでいたんじゃなくて大人が飲んでいたものが飲みたかったのかもしれない。そんなコーヒーとの出会いか
好きな食べ物の匂い【食べ物のことについて毎日考えてみた】
娘と手を繋いで歩いている時にふと聞いてみた。
父「食べ物の匂いで好きなのなぁに?」
娘「イチゴ〜!!」
おぉイチゴ!てっきり娘史上圧倒的果物No.1の「ミカン」とくるかと思ったが、イチゴか。いいな。
イチゴをたくさん食べた後の娘の手からは、甘〜い綿菓子のようなカラメル香がする。
きっと、好きな食べ物の匂いを聞かれた娘の脳裏には、イチゴを食べた後の手に残る匂いが思い出されたに違いない。
こ
栄養学・スポーツの本 from君羅文庫【食べ物のことについて毎日考えた】
これまでの人生の中で「栄養学」に興味を持つきっかけとなるイベントがあり、管理栄養士として活躍することを夢見て医療栄養学科に入学してくる学生さんがたくさんいます。
また最近では、自身のスポーツ経験や部活のマネージャーの経験からスポーツ分野でのアスリートの栄養サポートをしたいと考えて管理栄養士を目指す学生さんも増えてきました。
君羅文庫では、栄養学やスポーツ栄養学、スポーツに関連する本も紹介してき
いま、なに食べた?で覚える味【食べ物のことについて毎日考えてみた】
いまなに食べた?
食事中に娘がよく聞いてくる。
初めて食べた料理、食べておいしかったもの。食べた瞬間に「これは!」と感じたものは、食べている最中から「いまなに食べた?」と何回も聞き、自分の中になんとか記憶しようと試みる。
食べた次の日も、ふと「きのう何食べた?」と聞いて思い出そうとする。この問いかけをされ始めた当初は、前日に食べた色々な料理について、娘に思い出してもらおうといくつもの料理を伝
生物学の本 from君羅文庫【食べ物のことについて毎日考えてみた】
2020年の終わりに君羅文庫の総まとめをしました。
このnoteでは、それぞれの本にまつわるお話を載せることができませんでした。
そして、【食べ物のことについて毎日考えてみた】のnoteの中では、君羅文庫を支持してくれる方が結構いました。
「食品学は生物学だ」と僕は考えています。「生物」のことを知ることが「食品」についての理解を深めることにつながります。生物好きになることが管理栄養士として「
スーパーの食品で学ぶ食品学【食べ物のことについて毎日考えてみた】
皆さんはスーパーに食材を買いに行った時に何を1番意識して見ていますか?
やはり価格?内容量?賞味期限?
色々あると思います。
僕は、まず品名札や値札をよく眺めるんです。同じ柑橘でも産地が違って値段が違っていたり、あぁこの時期のみかんは熊本産なのねとか、輸入の柑橘類はバラ売りで売られていても使用した防かび剤の物質名が値札のところにしっかりと分かりやすく書かれているなぁとかよく行くスーパーの入り
『縁食論ー孤食と共食の間』 藤原 辰史
先週、頭木弘樹さんの『食べることと出すこと』を読んで考えた。
人から出された食べ物を食べることは、相手を受けいれるということ。逆に、相手に出された食べ物を食べないことは、相手を拒否すること。食べることは人をつなぐことも断つこともできる。共同体意識を強いる「共食圧力」と言う言葉の持つ意味を考えた。自分は、食べられない人の理由を想像したか?食べ物を食べ物以上のものとして扱う「共食圧力」を無意識に用い
キウイと肉とコラーゲンと note食品学6食目
むか〜しむかし、家の庭に大きなキウイの木が植っていました。毎年たくさんの大きな実をつけて、箱いっぱいに収穫して家族みんなでキウイを楽しみました。
すんごーく甘いキウイは少なくて、だいたい酸味が強くて果肉も硬めのものが多かった記憶があります。今スーパーの店頭で並ぶキウイはものすごく甘くて、果肉も柔らかいものが多いですね。
みなさんはキウイそのまま食べるだけですか?キウイがお肉を柔らかくするって聞
ビールの苦味・食べ物の苦味【食べ物のことについて毎日考えてみた】
金曜日。もうビール飲んだって人も多いんじゃないでしょうか?
ビールは喉越し!と言う方もいれば、苦味がいいんだよ〜いやいや華やかな香りのがいいんでしょ〜なんて、ビールの楽しみ方は人それぞれですね。
僕は苦ーいビール好きなんですが、ビールってなんで苦いんでしょう?
ビールの苦味成分あのビールの苦味はホップに含まれる苦味成分によるものなんです。
ホップの毬花(雌花)に存在するルプリンと呼ばれる黄
食の本 from君羅文庫【食べ物のことについて毎日考えてみた】
2020年の終わりに君羅文庫の総まとめをしました。
このnoteでは、それぞれの本にまつわるお話を載せることができませんでした。
そして、【食べ物のことについて毎日考えてみた】のnoteの中では、君羅文庫を支持してくれる方が結構いましたので、今回は、君羅文庫50選の中から食べることにまつわる本についての君羅の紹介文を掲載していきます。
みなさんの読書の時間の本選びに少しでもお役に立てれば幸い
うまい、まづいは別として、おいちい【食べ物のことについて毎日考えてみた】
今日食べたご飯の感想を声に出してみたかと、ふと考える。
娘を保育園に送り出すのに全集中な朝ご飯。Zoomで繋がる誰かと話しながら"1人"で食べる昼食。娘を膝に乗せながら窮屈に食べる夕ご飯。
どれも美味しく食べているはずなのに、「美味しい」や「うまい」を声に出していなかったと気付く。味の感想を口に出さなきゃいけないルールはないけれど、食べているものに意識を向けられていなかったのかと少し悲しくなる
医療栄養学科3年生の大澤幸之助さんがレシピコンテストに応募するときに気をつけていること【食べ物のことについて毎日考えてみた】
今日は医療栄養学科の学生さんの紹介です。3年生の大澤幸之助さんは、1年生2年生3年生と毎年レシピコンテストで優秀な成績を残しているんです。
地元の新聞にも掲載されちゃうほど活躍しています。
彼のレシピコンテストデビューは、1年生のときに参加したインスタントラーメンオリジナル料理コンテスト。いきなりここで初出場初優勝を果たしちゃいます!すげ〜!
彼のレシピコンテストへ応募するときに心がけている
憧れお弁当箱【食べ物のことについて毎日考えてみた】
晴れた日曜日の朝。パンとおかずを入れた弁当箱とを袋に詰め込んで、近所の公園に自転車で向かう。
朝の公園のベンチには、まだ誰もいない。
「お弁当食べる?それとも先に遊ぶ?」と娘に聞くと「お弁当食べる!」の返事。公園にすべり台をしにきたのではない。みんなでお弁当を食べに来たのだ!と主張するかのよう。
そう、彼女にとってはお弁当を持って公園に来たことが大事なのだ。「憧れお弁当箱」を持って公園に来た
『食べることと出すこと』 頭木 弘樹
想像できていると思っていた。
食品に関する研究もしているし、潰瘍性大腸炎に関する研究にも少しだけ携わったこともあるし、この本に書かれているだろうことを想像できると思っていた。
でも、全っ然、想像できていなかった!潰瘍性大腸炎の症状も、中心静脈栄養による餓えも、絶食終了後の味の爆発も、変化する身体感覚も、食べられないことについても…。想像できていないことがめちゃくちゃあった。
自分が経験してい